2010年12月25日発売
時は寛永9年。三代家光の治世である。大老土井大炊頭の近習・椎ノ葉刀馬は、御公儀忍び組に関する秘命を受ける。伊賀・甲賀・根来の代表選手を査察し、最も優れた組を選抜せよというのだ。妖艶奇怪この上ない忍法に圧倒されながらも、任務を果たす刀馬。全ては滞りなく決まったかに見えたが…それは駿河大納言をも巻き込んだ壮絶な隠密合戦の幕開けだった。卍と咲く忍びの徒花。その陰で描かれていた戦慄の絵図とは…。公儀という権力組織を鮮烈に描いた名作。
八犬士の活躍150年後の世界。里見家に代々伝わる八顆の珠がすり替えられた! 珠を追う八犬士の子孫たちに立ちはだかるは服部半蔵指揮下の伊賀女忍者。果たして彼らは珠を取り戻し、村雨姫を守れるのか!?
大川端で武士団の斬り合いに遭遇した想十郎は、傍観を決め込もうとするが、連れの田崎十郎太が劣勢の側に助太刀に入る。敵は手練で、このままでは田崎も危ういと、想十郎も抜刀してその場を収めた。乱闘の原因は遠江・江島藩の藩内抗争で、引き続き助勢を求められた想十郎はすげなく断るが、人のいい田崎が引き受けてしまい…。敵方には、「青鬼」「赤鬼」と呼ばれる遣い手がいた。“双鬼の剣”に、想十郎が挑む。書き下ろしシリーズ第6弾。
名探偵ホームズと宿敵モリアーティ教授との死闘を描いた問題作「最後の事件」を含む第2短編集。ホームズの若き日の最初の事件「グロリア・スコット号」や、兄マイクロフトが初めて登場する「ギリシャ語通訳」など人気の高い作品をはじめ、前巻を超える衝撃作が目白押し。発表当時物議を醸し、本から削除された「ボール箱」も収録。クールでニヒルな名探偵の魅力を最大限に引き出す、読みやすく瑞々しい新訳でおくる決定版。
度重なる刺客との戦いに、織江は疲れを感じていた。彦馬を好きでなくなれば、一人で逃げ切れるかもしれない。切ない想いに動かされ、織江は自らに心術をかける。「あれは一時の気の迷い。恋なんてすべていつわりなんだ。幻なのさ…」。そんなある日、織江は妻恋坂下で呼び止められる。相手はなんと、幼馴染みのくノ一、お蝶。彼女は果たして刺客なのか?一方彦馬は、静山の指示でついに江戸を離れることにー。激動の第9弾。
「親の仇が、いまや味方かー」尽きぬ戦のなか、恩賞をめぐる一喜一憂も束の間、ひとたび気働きを怠れば、そこには我が身と一族郎党の死が待っている。毛利に滅ぼされた尼子党にあって、秀吉・家康という天下人の下を生き延び、流浪の身から一代で因幡国鹿野の大名にまで出世した亀井茲矩。秀吉に「琉球」を願い出た男が、戦塵の果てに辿り着いたのはー。家族と家臣を守り抜き、乱世に夢を追い続けた男の波瀾の生涯を描く。
夏の盛りを過ぎ、朝晩には冷え込むようになった時節。曾路里新兵衛が「とんぼ屋」で燗の酒を愉しみながら女主のお加代と昔話をしていると、バタバタと升五郎が飛び込んできた。江戸を追放された暴れん坊・双三郎が帰ってきたというのだ。新兵衛は岡っ引きの伝七から双三郎の見張りを頼まれるが、彼が戻ってきたのには、ある深い事情があったのだった…。新兵衛が秘剣「酔眼の剣」を使い悪を斬る、大人気シリーズ第3弾。
元渡世人にして名医と評判の宗哲のもとには、患者だけでなく時に厄介な相談事が舞い込む。人宿に奉公の口を探しに来た女りゑは、将来を言い交わした男が思わぬ借金を背負ってしまったため売女奉公をしたいと言う。ところが証文を交わした夜、人宿の2階でりゑが突然、苦しみ始めた。請われて往診に出向いた宗哲は薬を処方したが、よくならないばかりか事態は思わぬ方に流れて…。円熟の腕が冴えわたる、人気シリーズ第2弾。
長野県安曇野。半年前に山で行方不明となった妻の頭蓋骨が見つかった。三井周平は悲嘆に暮れながらも、遭難場所から遠く離れた場所で発見されたことに疑問を持つ。あれほど用心深かった妻に何があったのか?数週間後、沢で写真を撮っていた女子大生が行方不明に。捜索を行う周平たちをあざ笑うかのように第三の事件が起こる。山には、一体何が潜んでいるのか!?稀有の才能が遺した、超一級のパニック・エンタテインメント。
天才科学者の平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルト。2人は良き相棒にして、バチカン所属の『奇跡調査官』-世界中の奇跡の真偽を調査し判別する、秘密調査官だ。修道院と、併設する良家の子息ばかりを集めた寄宿学校でおきた『奇跡』の調査のため、現地に飛んだ2人。聖痕を浮かべる生徒や涙を流すマリア像など不思議な現象が2人を襲うが、さらに奇怪な連続殺人が発生しー。天才神父コンビの事件簿、開幕。
本当の愛を求めもがき続けた10代の切なすぎるラブストーリー。中学3年生の宝は、彼女がいる彼に片想い中ー。宝の兄・愛十は、自分でも認める小悪魔男子。でも実は忘れられない人がいた。宝と愛十の苦しい恋が静かに動き出す…。
蒼橋星系から紅天艦隊が本国へと帰還し、ようやく平和が訪れたとだれもがほっとしたその時、撤収した敵艦の数が合わないことが判明した!4万トン級の大型艦1隻と小型艦6隻からなる“L”破壊をもくろむ紅天特務部隊を阻止すべく、義勇軍は奮闘するが…蒼橋騒乱決着までの顛末と、その3年後、連邦宇宙軍を退役したムックホッファが、熊倉中佐、末富大尉、和尚らとともに、“星海企業”を立ち上げるまでを描いた完結篇。