2010年8月10日発売
木島安兵衛が江戸に帰って八年が過ぎ、遊佐友也は十四歳になっていた。コンビニエンス・ストアで万引きをした後、家に帰らず逃げ続けていた友也だったが、深夜、巨大な水たまり状の穴の中に吸い込まれ、百八十年前の江戸時代にタイム・スリップしてしまう。ちょうど、この世界では、安兵衛が菓子屋を営んでいるはずー。そう思って、安兵衛を探し続ける友也だったが、菓子屋「時翔庵」はつぶれており、安兵衛もなぜか消息を絶っていた。失意の底にいる友也だったが、追い打ちをかけるように周囲の人たちから、くせ者として追われる身となるがー。
難関の入部テストをくぐり抜け、みごと名門海堂高校野球部へ入部した吾郎と寿也。二軍、一軍へとはい上がるため意気込む吾郎たち。しかし彼らを待ち受けていたのは“夢島”と呼ばれる養成所での想像を絶する猛特訓だった。そんななか、吾郎は持ち前の気力と体力で、ハードなトレーニングを次々にクリアするが、そのたぐいまれな才能ゆえに、教官の乾から目をつけられ、執拗な嫌がらせを受けるはめになる。入部早々前途多難の海堂高校野球部で、吾郎は無事レギュラーを勝ち取ることができるのかー!?累計二十五万部ヒットの人気シリーズ、待望の第四弾。
明石藩江戸家老間宮が、老中土井大炊頭の門前で切腹自害を果たした。間宮の死は、生来の残虐な性格で罪なき民衆に殺戮を繰り返す藩主・松平斉韶の暴君ぶりを、命を以って訴えたものだった。しかし、斉韶は十一代将軍・徳川家斉の弟であり、翌年には老中への就任が決まっていた。このままでは幕府、ひいては国の存亡に関わると判断した土井大炊頭は斉韶暗殺を決意。そして御目付役・島田新左衛門を中心として十三人の侍たちが極秘裏に集められた。こうして前代未聞の暗殺計画が始動した。狙うは江戸から明石への参勤交代の道中。果たして密命は果たせるのか…。
二十五歳花屋の店長・松田真紀恵は、恋をする暇もなかった。朝五時に花市場に仕入れに行き、一日の労働を終える頃にはすでに夜の九時。店の片付け→夕食→お風呂が済むと、もう起床時間までわずかに五時間しかない。遊びに行くことはもちろん、流行りのドラマを見ることもできず、友達と長電話することはおろか、ペディキュアはいうに及ばずマニキュアを塗る時間もない。そんなわけで、性格はきついわ、男っぽい言葉遣いながらものすごい美人なのに、もう一年十一か月も恋をしていない。ところが、恋の神様はやっぱりどこかにいるものでー。