2010年9月22日発売
地球への帰還をめざす“ソル”はメールストロームまでの行程の半分を踏破し、惑星ラスターズトップIIIに着陸した。ここで、環境調査と食料調達をすべく、探検隊が派遣された。そのなかの三人、ペルム・メルヴュー博士とジャック・ジャコとエイクス・バトカは、思いがけぬ事件に遭遇する。バトカは、巨大な牛に似た動物に殺され、その状況を調べようとしたジャコは、未知の力に体内の水分すべてを奪われてしまったのだ…。
男はいつもと違う色の天井の下で目覚めた。ここはウィネトカか?それとも…。人生を飛び飛びに生きる男女の奇妙な愛を描いた、SF史上に残る恋愛時間SFの表題作。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/星雲賞の三冠を獲得した、テッド・チャンのアラビアン・ナイトとハードSFを融合させた書籍初収録作、時間に囚われた究極の愛の形を描いたプリーストの名作ほか、永遠の叙情を残す傑作全13篇を収めた時間SFのショウケース。
SAS航空小隊のサム・レッドマンらは、アフガニスタンから帰還して早々、新たな任務を受けた。カザフスタンの訓練キャンプにいる約20名の英国人を抹殺せよというのだ。標的の写真を見たサムは愕然とした。その中に元SAS隊員で行方不明の兄がいたからだ。苦悩するサムに、やがて驚くべき情報がもたらされ、彼は今回の任務に疑惑を抱いたまま、小隊の仲間とともに出発するが…謎をはらんで展開する白熱の冒険アクション。
ぐれたい。悪いことを片っ端からやりたい。毎日がだるくて、つまんなくて、うんざりなんだもん。マチルダの姉は一年前に死んだ。線路に突き落とされて、列車に轢かれたのだ。それからずっと、両親はふさぎこんでいるだけで、家のなかは重苦しい空気で満ちている。そういう日々に苛立つマチルダは、決意した。姉を死に追いやった犯人を探し出して、両親の目を覚まそう。気が強く辛辣で繊細な少女マチルダの旅はどこへ向かうのか。そしてその旅が終わったとき、どんな風景が目の前に広がっているのかー。話題の若手劇作家で詩人の著者が鮮烈な筆致で描きだす、思春期の切ない冒険譚。2010ペンUSA文学賞受賞。