2011年10月27日発売
持ち重りする薔薇の花持ち重りする薔薇の花
元経団連会長にして旧財閥系企業の名誉顧問である梶井は、80年代初め、NYで不遇をかこっていたころ、ジュリアード音楽院に通う日本人学生たちと知りあう。そして彼らが結成した弦楽四重奏団に「ブルー・フジ・クワルテット」と命名。やがて世界有数のカルテットに成長した四人のあいだにはさまざまなもめごとが起こりはじめるが、その俗な営み、人間の哀れさを糧にするかのように、奏でられる音楽はいよいよ美しく、いよいよ深みを増してゆくー。
南欧怪談三題南欧怪談三題
非ヨーロッパ世界とヨーロッパ世界においてかなりの違いがある「怪談」のあり方。キリスト教の一神教的万物支配から脱しつつかつルネサンスの理性万能主義にも圧されず、限りある存在の人間と外界世界との間に忍び入る“不思議な物語”--そのなかでも南欧を舞台にした怪奇譚三篇を選りすぐり、軽妙な文体で訳した一冊。『亡霊のお彌撒』(A・フランス)『ヰギヱのヴェヌス』(P・メリメ)『鮫女』(G・T・ランペドゥーザ))の三篇を収録。
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