2011年10月発売
妖猫に取り憑かれた劉家の妻が唄った歌。それが、およそ60年前、詩仙李白が玄宗皇帝の寵妃・楊貴妃の美しさを讃えた詩だと知った空海と逸勢は、偶然知り合った後の大詩人・白楽天と共に馬嵬駅へ行き、楊貴妃の墓を暴くことに。だが驚くべきことに、そこには妖しい呪がかけられていたうえ、石棺の中に楊貴妃の姿はなかったー。そんな空海に、謎の方士・丹翁は「このことは忘れよ」と警告するが…?中国伝奇小説の傑作、第2弾。
柏木はハンサムな若き調香師。彼の調合する香水を求め、店には多くの婦人たちが訪れる。だが柏木には大きな秘密があった。彼は調香師にしてー連続殺人鬼。命を失ってから数時間にわたって皮膚から立ちのぼる『その薫り』に包まれながら、殺した女を犯すことが、彼の至上の喜びなのだー。だが今までで最高に惹かれる『その薫り』の美少女・レイナと出会った時、禁断の悲劇が幕を開けた…!倒錯的エロティック・ホラー。
昼間は風俗で働く専業主婦、衝動的に彼に暴力を振るってしまう会社員、不倫が夫にばれて歳下の男と逃避行する女…今にも壊れてしまいそうな日々の中で、悲しみを背負った孤独な女性たち。そして、彼女たちを支えようとする不器用な男たち。誰かとつながっていたい、愛されたい。そんな切ない思いを胸に、彼女たちは懸命に“いま”を生き抜いていく。『夜の果てまで』の著者が丹念に描く、ひかり射し込む7つの再生の物語。
晴香のもとにかつての教え子から助けを求める電話が!? 一方、七瀬美雪を乗せた護送車が事故を起こし……事件を追い、八雲たちは、鬼が棲むという伝説が伝えられる信州鬼無里へ向かう。
悠久なる大河のほとり、野賊との内戦が続く国。若き軍人が伝説の野賊と出会った時、波乱に満ちた運命の扉が開く。「平和をもたらす」。そのためなら誓いを偽り、愛する人も傷つける男は、国を変えられるのか?
夫の不倫を疑う妻、若い部下の扱いに戸惑う部長、仕事に詰まったキャリアウーマン……どこにでもいる人々に起こった、8つのちいさな奇跡。大切な人の温もりと優しさに包まれる、感涙の物語。
※ご注文いただくタイミングによっては、お届けする商品のカバーとサイトに表示されている画像が異なる場合がございますが、ご了承くださいませ。 きりこは「ぶす」な女の子。小学校の体育館裏で、人の言葉がわかる、とても賢い黒猫をひろった。美しいってどういうこと? 生きるってつらいこと? きりこがみつけた世の中でいちばん大切なこと。
醜悪で激臭を放つ生き物ヌメリヒトモドキは人間の記憶や感情を学習する。その生態を研究する「私」は、死んだ最愛の妻を蘇らせようとヌメリヒトモドキの飼育に熱中していく。悲劇的な結末に向かって……。
世渡り下手の父のせいで彩雲国屈指の名門ながら、どん底に貧乏な紅家のお嬢様・秀麗。彼女に与えられた大仕事は、貴妃となってダメ王様を再教育することだった……少女小説の金字塔登場!
“警察官だって恋をする!”璃子と川杉は新人刑事。ドSで悪魔な川杉に、奥手の璃子はタジタジ!? “第4回iらんど大賞”NHK賞『金魚倶楽部』椿ハナの超人気スキャンダラスラブコメディ!
母のためバイトに明け暮れる17歳の葉月。ある日、部屋にサスケと名乗る謎めいた男が逃げ込んできて…。『ワイルドビースト』シリーズのユウが描く<殺し屋×孤独な少女>の愛の物語。
【特集】「あべ弘士×長谷川義史 ボクらの絵本」 絵本作家の両雄、あべ弘士・長谷川義史が誌上で共演。 書き下ろし絵本あり、マンガあり、対談ありの豪華な1冊です。 <対談>「ボクらふたりができるまで、 そしてこれからのこと」あべ弘士×長谷川義史 <絵本>「セイウチぼうや」あべ弘士/「はいチーズ」長谷川義史 <マンガ>「さんぱつやきょうこさん」長谷川義史/「しいくがかりのひろえちゃん」 あべ弘士 <産婆レポート>『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』、『なめとこ山の熊』ができるまで 松田素子 <旅のレポート>「ひげのおっさんツアーより」増田喜昭 <エッセイ>「あべさんへ」二宮由紀子、荒井良二、山極寿一、中村獅童、新沢としひこ、竹田津実、市河紀子/ 「長谷川さんへ」杉浦範茂、中川ひろたか、室井滋、内藤裕敬、村中李衣、あおきひろえ 【随想】あの時わたしは、今わたしは・藤野千夜 【連載】「本を読む(2)」岩瀬成子/「リョウ&ナオ(2)」川端裕人/「ロールイチゴ(8)」ひこ・田中/ 「子どもたちによろしく(10)」長崎訓子 【エッセイ】わたしの一冊・前田司郎/樫崎茜 【Books】絵本・及川賢治(100%ORANGE)/児童書・加藤純子/YA・金原瑞人/大人の本・穂村弘
元経団連会長にして旧財閥系企業の名誉顧問である梶井は、80年代初め、NYで不遇をかこっていたころ、ジュリアード音楽院に通う日本人学生たちと知りあう。そして彼らが結成した弦楽四重奏団に「ブルー・フジ・クワルテット」と命名。やがて世界有数のカルテットに成長した四人のあいだにはさまざまなもめごとが起こりはじめるが、その俗な営み、人間の哀れさを糧にするかのように、奏でられる音楽はいよいよ美しく、いよいよ深みを増してゆくー。
非ヨーロッパ世界とヨーロッパ世界においてかなりの違いがある「怪談」のあり方。キリスト教の一神教的万物支配から脱しつつかつルネサンスの理性万能主義にも圧されず、限りある存在の人間と外界世界との間に忍び入る“不思議な物語”--そのなかでも南欧を舞台にした怪奇譚三篇を選りすぐり、軽妙な文体で訳した一冊。『亡霊のお彌撒』(A・フランス)『ヰギヱのヴェヌス』(P・メリメ)『鮫女』(G・T・ランペドゥーザ))の三篇を収録。
人気作家が挑む、3.11以後の物語 3月11日以前と以後で、世界は一変した。この圧倒的な現実を前にして、小説に何ができるのか。『亡国のイージス』の人気作家・福井晴敏氏が、はじめて「現実」に挑んだ『週刊ポスト』連載作品である。 東京に住む平穏な家族を、あの震災が襲った。エコ担当社員の主人公・野田圭介は、3.11以後、元防衛庁職員の父の不穏な様子や、ネットにはまる中学生の息子の心境の変化に戸惑い、翻弄されていく。大震災と原発事故に見舞われたこの国で、彼は家族の危機を乗り越えることができるのか。
蓮丈研究室に舞い込んできた手書きの古書「阿久仁村遺聞」。村の伝説や民話めいた挿話の数々は、鏡のモチーフに彩られつつ奇妙につながりを欠き真意も編まれた目的も不可解だったー。明治初期に地図から消えた村、隠蔽された惨殺事件、暗躍する怪人物。那智の推理が、村の来歴と「邪馬台国」の実像を射抜く時、古代から現代まで、歴史の闇を貫く「もう一つの日本史」が現前する。著者の絶筆が、その遺志を継いで遂に完成。
1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことかー。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。