2011年11月16日発売
赤と黒 上赤と黒 上
ナポレオン没落後、武勲による立身の望みを失った貧しい青年ジュリアン・ソレルが、僧侶階級に身を投じ、その才智と美貌とで貴族階級に食い入って、野望のためにいかに戦いそして恋したか。率直で力強い性格をもったジュリアンという青年像を創出し、恋愛心理の複雑な葛藤を描ききったフランス心理小説の最高峰。
赤と黒 下赤と黒 下
副題「一八三〇年年代記」が示しているように、この小説は一平民青年ジュリアン・ソレルの野心をとおして、貴族・僧侶・ブルジョアジーの三者がしのぎをけずる七月革命前夜の反動的で陰鬱なフランス政界と社会を、痛烈な諷刺をこめて描き出した社会小説でもある。スタンダール(一七八三ー一八四二)の鋭い歴史感覚は時代の精神をみごとにとらえた。
いちご姫・蝴蝶 他二篇いちご姫・蝴蝶 他二篇
「ああ小、小、男子など何でもない!」公家の姫君から女盗賊へ、戦国末世を流転する美貌の烈女いちご姫。二葉亭四迷と並ぶ言文一致の先駆、山田美妙(一八六八ー一九一〇)はその新奇華麗な文体で一躍明治文壇の寵児となった。挿絵の裸体画が論争を呼んだ「蝴蝶」、「武蔵野」「笹りんどう」と同時代評・注を収録。
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