2011年11月30日発売
秘帖・源氏物語 翁ーOKINA秘帖・源氏物語 翁ーOKINA
美貌の貴公子・光の君の妻である葵の上に、妖しいものが取り憑く。六条御息所の生霊かと思われたが、どうやらそれだけではないらしい。並の陰陽師では歯がたたず、光の君はついに、外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するがー。「獣の首をした王が、黄金の盃で黄金の酒を飲みながら哭いているーこれ、なーんだ?」葵の上に憑いたものが出したこの謎々は、一体何を意味しているのか。いまだかつてない源氏物語が、幕をあける。
パラダイス・モーテルパラダイス・モーテル
長い三十年間の失踪の後に帰宅し、死の床に伏していた祖父が語ったのは、ある一家の奇怪で悲惨な事件だった。一家の四人の兄妹は、医者である父親に殺された母親のバラバラにされた体の一部を、父親自身の手でそれぞれの体に埋め込まれたという。四人のその後の驚きに満ちた人生とそれを語る人々のシュールでグロテスクな物語。ポストモダン小説を語る上で、欠くことのできない傑作。マコーマックの騙りの魔術の出発点。解説= 柴田元幸
上海ヴァンパイア上海ヴァンパイア
上海に出張中の商社員、悠清はたまたま訪れた展示会場でひとりの男から声をかけられる。彼の名はラオイェ、実業家だった。誘われるまま食事を振る舞われた悠清は、ラオイェに奇妙な既視感を覚える。「おまえのことは知っている、ずっと前から」-囁かれ、首筋を咬まれた瞬間、悠清は遙か昔の上海へと…。黒社会を仕切る謎の男、ラオイェ。そしてラオイェがかつて愛した男と同じ魂を持つ悠清。二つの時代を超えて結ばれる愛の奇跡。
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