小説むすび | 2011年12月20日発売

2011年12月20日発売

剃刀日記剃刀日記

【2025年2月現在、新本が定価(2,200円+税)で購入可能】 「死人の顔を一度剃ったことがあった。」(「薔薇」より) 嘘か真か、日常に虚構がまぎれ込む、石川桂郎面目躍如の珠玉短編集。  家業の理髪店を営むかたわら、小説や随筆をものした俳人・石川桂郎の第一著作集『剃刀日記』は、一見淡々とした日常を描いているように見えて「ほとんどがつまり虚構の作」という驚嘆の短編集である。虚実のあわいを自在に行き来する作風がゆえに、次作『妻の温泉』は直木賞候補にあがりながらも小説とみなされず賞を逃す。そんな石川桂郎が、版が変わるごとに手を入れ続けた『剃刀日記』の最終形28作品と、初期の版のみに収録され姿を消した9作品および後記を拾遺し、一冊にまとめた。(2024年10月の増刷にあたり、拾遺編に「若草」1篇を増補) ※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。 剃刀日記  序/横光利一  蝶  炭  薔薇  椿  指輪  百日紅  堤防  秋の花  柚子湯  転業記  転業半歳  商売往来  高雲寺跡  柏餅  元旦の朝  お天気  連翹  七草まで  朝顔  芸者  筍  合唱  女唐服  梅雨明け  あおくび  机・寝台  冬鶯  春くる夜 剃刀日記 拾遺  山呆け  花輪  発表日  蕪子先生の鬚  植木市  十三夜  熱  羽織  雛  後記 解説/七北数人

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