2011年12月20日発売
ふたつの都市国家“ベジェル”と“ウル・コーマ”は、欧州において地理的にほぼ同じ位置を占めるモザイク状に組み合わさった特殊な領土を有していた。ベジェル警察のティアドール・ボルル警部補は、二国間で起こった不可解な殺人事件を追ううちに、封印された歴史に足を踏み入れていく…。ディックーカフカ的異世界を構築し、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞をはじめ、SF/ファンタジイ主要各賞を独占した驚愕の小説。
パリに住む歴史学者で作家のジョゼフィーヌは、仕事や家族のトラブルに奔走する日々。そんなとき、近所で殺人事件が起き……フランスで大ヒットした波瀾万丈なエンターテインメント、第二巻登場
【2025年2月現在、新本が定価(2,200円+税)で購入可能】 「死人の顔を一度剃ったことがあった。」(「薔薇」より) 嘘か真か、日常に虚構がまぎれ込む、石川桂郎面目躍如の珠玉短編集。 家業の理髪店を営むかたわら、小説や随筆をものした俳人・石川桂郎の第一著作集『剃刀日記』は、一見淡々とした日常を描いているように見えて「ほとんどがつまり虚構の作」という驚嘆の短編集である。虚実のあわいを自在に行き来する作風がゆえに、次作『妻の温泉』は直木賞候補にあがりながらも小説とみなされず賞を逃す。そんな石川桂郎が、版が変わるごとに手を入れ続けた『剃刀日記』の最終形28作品と、初期の版のみに収録され姿を消した9作品および後記を拾遺し、一冊にまとめた。(2024年10月の増刷にあたり、拾遺編に「若草」1篇を増補) ※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。 剃刀日記 序/横光利一 蝶 炭 薔薇 椿 指輪 百日紅 堤防 秋の花 柚子湯 転業記 転業半歳 商売往来 高雲寺跡 柏餅 元旦の朝 お天気 連翹 七草まで 朝顔 芸者 筍 合唱 女唐服 梅雨明け あおくび 机・寝台 冬鶯 春くる夜 剃刀日記 拾遺 山呆け 花輪 発表日 蕪子先生の鬚 植木市 十三夜 熱 羽織 雛 後記 解説/七北数人