2012年10月16日発売
日本近代短篇小説選 昭和篇 3日本近代短篇小説選 昭和篇 3
「私はいま宇宙と同じ大きさになっているはずである」(埴谷雄高「闇のなかの黒い馬」)。現在を突破する言葉の力、小説だけが語れた真実。昭和二七年から四四年に発表された、幸田文・島尾敏雄・三島由紀夫らの一三篇を収録。
空と風と星と詩空と風と星と詩
「死ぬ日まで天を仰ぎ、一点の恥じ入ることもないことを」-。戦争末期、留学先の日本で27歳の若さで獄死した詩人、尹東柱(1917-1945)。解放後、友人たちが遺された詩集を刊行すると、その清冽な言葉がたちまち韓国の若者たちを魅了した。これらの詩を「朝鮮人の遺産」と呼ぶ在日の詩人金時鐘が、詩集『空と風と星と詩』をはじめ全66篇を選び、訳出した。原詩を付す。
やし酒飲みやし酒飲み
「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」-。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。旅路で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、幻の人質、親指から生まれ出た強力の子…。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高傑作。作者自身による略歴(管啓次郎訳)を付す。
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