2012年4月25日発売
大脳が異常発達した小学生5人が信仰する最悪の宗教、それが「勉教」。その布教活動を、絶対に止めなければならない。担任の吉野亞夜花は、その決意を元恋人に託して自殺した。しかし彼女の部屋からは、15本もの指が発見される。連続猟奇殺人鬼フィンガー・ハンターの収集品だった。異常なのは生徒なのか教師なのか?警視庁超常犯罪捜査班チームクワトロは、謎のカルト宗教を操る驚異の存在を探り当てた。書き下ろし。
アイルランドの女子大生ブリーダの、英知を求めるスピリチュアルな旅が始まる。旅を導くのは、ふたりの師。恐怖を乗り越えることを教える男と、魔女になるための秘儀を伝授する女。ふたりから特別な力があると認められたブリーダだが、自分の道は自らの手で切り拓かねばならない。実世界との結びつきと、刻々と変容していく自分自身との狭間で、ブリーダの心は揺れるー。コエーリョ初期の感動作、待望の文庫化。
偶然、近くの席に座ったから。共通点があったから。それとも、正反対だったから?私たちは出会いと別れを繰り返し、成長し続けていくー。旬の作家が集結、それぞれが描いた出会いと別れの物語とは?いま読みたい名作を厳選したラインアップでおくる、短編小説集。
レトルト食品工場に勤める若宮は鬱屈を感じていた。花火大会の夜、少女・花歩を殺めてしまう。花歩は母・理絵とともに、被害者が加害者と向き合う修復的司法に携わり、犯罪被害者支援にかかわっていた。13歳の娘を殺された理絵のもとに、犯人逮捕の知らせがもたらされる。しかし容疑者の供述内容を知った理絵は真犯人は別にいると確信。かつて理絵の教え子であった若宮は、殺人を告白しようとするが…。驚愕のラスト、社会派ミステリー。
浅見家の菩提寺、聖林寺の鐘の音が夜中に鳴り渡った。浅見光彦と雪江が不気味に思っていると、翌日その鐘から血が滴っていたと住職から知らされる。さらに半月後、顔に鐘の紋様痕をつけた男の変死体が隅田川に浮かんだ。浅見は、琴電の切符を唯一の手掛かりに四国高松へと飛ぶ。被害者の美しい妹と共に事件を追う浅見は、「カネ」にまつわる過去の死と人間の愛憎を浮かび上がらせ…。浅見の名推理を堪能できる傑作長編。
1922年、北海道・旭川で生まれた私は、両親や兄弟姉妹の愛情に包まれながらも、体が弱かったせいか人一倍臆病な子供で、無気味さと淋しさ、不安や恐怖の入りまじった中にあったような気がする。しかし小学校にあがり、級友たちとのふれあいや人の死など様々なことを経験し、「生きる」とはどういうことかをおぼろげに感じ始めるー。愛と信仰と文学に生きた作家、三浦綾子の原点が鮮やかに描かれた、長編自伝小説。
「もの凄いモテ年になる」-。おかまの繁蔵の占いどおり、静湖姫の周りには次々と素敵な男性が現れていた。そんなある日、赤穂浪士を最後に預かった大名家で奇妙な文献が見つかったとの報せが。そこには討ち入りについての驚愕の新事実が記されていた!さらにその記述にまつわる殺人事件も発生。新事実と事件の調査に右往左往する静湖姫の前に、また素敵な男性が現れてー。人気沸騰の「姫は、三十一」シリーズ第2弾。
生まれ育った銀の森屋敷を切り盛りするパット。愛する愛族に囲まれて幸せなはずだったが、兄たち、そして妹までが結婚することになり周囲からは「売れ残り」と陰口をきかれるようになる。この人こそはー。そう何度も思いながらなかなか結婚にたどり着くことができない、そんなパットが最後に手に入れた真実の愛とは?恋愛や結婚そして生き方に迷うすべての女性に贈るモンゴメリの傑作『銀の森のパット』感動の完結編。
警視庁捜査一課の蛯名舞子は、チョコザイと名乗る青年に出会う。彼は舞子には理解できない行動をとるが、事件の証拠を目にすると、突然難解な、しかし事件解決の重要な手がかりとなる単語をつぶやいた。舞子は上司である沢俊一とともに、チョコザイがつぶやく単語をもとに事件を次々と解決していくがー。謎めいた過去を持つサヴァン症候群の青年と、2人の刑事が難事件を次々と解決していく、新感覚ドラマの完全ノベライズ第1弾。
外資系クレジットカード会社で働く27歳の藤崎翔は、大規模なリストラ計画のため信頼する上司たちが解雇されることを知る。翔も退職を決め、彼らと一緒にベンチャー企業を起ち上げるが、最年少ながら、なんと社長に選ばれてしまう。夢をみずからの手で引き寄せるために、新しいビジネス・モデルを模索する翔と仲間たち。果たして新会社の行方は?読めば元気が湧いてくる!すべての働く若者たちへ贈る、青春熱血起業小説。
17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。
元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。ほか、欠陥住宅の密室、舞台本番中の密室など、驚天動地の密室トリック4連発。あなたはこの密室を解き明かせるか!?防犯探偵・榎本シリーズ、第3弾。
日本有数の製薬会社、和辻薬品の会長が所有する山中湖畔の別荘。一族が集まった正月に、悲劇の幕は切って落とされた。当主である会長の与兵衛が姪孫の摩子に刺殺されてしまったのだ。現場にいた摩子の家庭教師・一条春生は外部犯に見せかけようとする一族の偽装工作に協力した。だが、その工作を警察に暴露しようとする人物が現れ、事件は意外な方向へ。エラリー・クイーンの名作『Yの悲劇』に挑戦した傑作推理。
サスケとともに“名もなき職業”の世界で生きていく決意をした葉月。新たな仕事を受けたサスケと目的の地へと赴いた。再び偽りの兄妹を演じ、知らない土地で暮らし始めた2人だったが、隣に住む女性の不可解な行動に葉月の不安が募る。そしてついに、驚愕の事件が起こるー。
榊信一は大学時代に同郷の恋人を絞め殺しかけ、自分の中に眠る、すべての女に向けられた殺人願望に気づく。ある日、自分が病に冒され余命僅かと知り、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。榊の元恋人だけが榊の過去の秘密を知るなか、事件を追う刑事、蒼井凌にも病が襲いかかり、死へのカウントダウンが鳴り響く。そして事件は予想もしない方向へー衝撃の展開、感涙の結末。