2013年11月9日発売
幼くして母を亡くし、継母と文筆家の父に育てられた才気煥発な娘あそぎ。そのまっすぐな気性は時に愛され、時に人を傷つける。夫婦の軋み、婚家の没落、夫の病ー著者・幸田文自身を彷彿とさせる女性の波乱の半生を、彼女を取り巻く人々とのつながりの中でこまやかに描きあげた長編小説。
19世紀ロンドン。貴族令嬢テオは、後見人アシュブルック公爵の跡取りジェームズと兄妹のように仲良く過ごしてきた。ある音楽会の夜、とつぜんテオはジェームズから「きみはぼくのものだ」と告白され、その場で荒々しく唇まで奪われてしまう。互いへの想いに気がついた二人は、幸せの絶頂で結婚。ところが、新婚二日目にとんでもない事実が発覚する。この結婚は、ジェームズの父がテオの信託財産を使い込み、それを隠蔽するために仕組まれたものだったということが!テオの信頼を一気に失ったジェームズは、屋敷から永久追放された。-月日は流れ、かつて“みにくい公爵夫人”と揶揄されたこともあったテオは、いまやファッション界をリードする女性実業家として成功を収めていた。そんな彼女の前に、7年も消息を絶っていたジェームズが現われて…!?『みにくいあひるの子』をモチーフに描く、愛がおこした奇跡の物語。おとぎ話シリーズ第3弾!
「ドイツの王女のお世話をせよ」と、英国王妃からまたもや無理難題を言い渡された公爵令嬢ジョージー。密かにメイド仕事で生計を立てている彼女には、王女の世話をするお金もなければ、使用人すらいないというのに!苦肉の策で祖父を執事に仕立てあげ、なんとか自宅にお迎えすると、王女はその美しさからは想像できないような、むちゃくちゃな英語を話す風変わりで世間知らずの娘だった。おかげで貧乏暮らしは取り繕えたものの、一難去ってまた一難。王女に同行する先々で事件に遭遇してしまう。泥酔した若者の転落死、古書店で男性の刺殺体ー。「あの王女には気をつけたほうがいい」と元警官の祖父から警告されるものの、王妃さまの命に従い、ジョージーはしぶしぶ難事件の捜査に乗り出すことになり…!?アガサ賞受賞のミステリシリーズ。