2013年12月10日発売
キスしようかと迷ったけれどしなかった、と言い、家まで送ってくれたジャーナリストに心を奪われ、幼子を連れてトロントをめざす女性詩人。片田舎の病院に新米教師として赴任した女の、ベテラン医師との婚約の顛末。父親が雇った既婚の建築家と深い仲になった娘と、その後の長い歳月。第二次大戦から帰還した若い兵士が、列車から飛び降りた土地で始めた新しい暮らし。そして作家自身が“フィナーレ”と銘打ち、実人生を語る作品と位置づける「目」「夜」「声」「ディア・ライフ」の四篇。引退を表明したアリス・マンローが、人生の瞬間を眩いほど鮮やかに描きだした、まさに名人の手になる最新にして最後の短篇集。
令嬢ベアトリスは、屋敷に飾られた英雄レノーの肖像画に恋をしていた。ところがある日、戦死したはずの彼が突然帰還!肖像画からは想像もつかない、変わり果てたその姿にベアトリスは…。珠玉の“四人の兵士の伝説”シリーズ、完結編!
チャイルドが支配する世界を目指す宗教団体「リボーン」により壊滅的な被害を受けた北海道。リボーンの幹部である高校生の氷室香鈴は、王様ゲームの命令を自由に操れるナノクイーンを使い宮内雅人に挑戦状を突きつける。“恋人がいる者はその相手を殺せ”-追い詰められた雅人と、恋人の春野美咲は…。
大学生の中村和也は、兄の家に下宿して学生生活を謳歌する気楽な身。だが、兄の海外赴任で状況は一変する。美しい義姉・恵と二人きりの暮らしが始まったのだ。ひとつ屋根の下に満ち溢れる、女盛りの甘い匂い。貞淑な笑顔に隠された禁断色香に惑わされ、和也の疼きはやがて限界に達してー。オリジナル長編美熟エロス。
槌音がこだまする小梅村尚武館道場の普請場に桜の季節が訪れる頃、陸奥白河藩主松平定信の予期せぬ訪問を受けた坂崎磐音は、門弟衆が稽古する仮道場に案内し、磐音自ら定信に稽古をつけようとしていた。一方その頃、弥助と霧子の二人が揃って小梅村から姿を消したー。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、超人気書き下ろし長編時代小説第四十四弾。