2013年3月15日発売
ノーベル賞作家莫言の代表作で、五つの連作中篇からなる長篇小説『赤い高粱』の後半三篇を収録。日中戦争下の中国山東省高密県東北郷。日本軍を奇襲した祖父らだったが、その報復により村は壊滅するー。共産党軍、国民党軍、傀儡軍、秘密結社がからむ生と死、性と愛、血と土、暴力と欲望の凄烈な物語。
金融界の寵児・財田剛の長女の結婚式に現れた東都経済新聞の記者・西山照明が不審な死を遂げた。一方、金融探偵・七森恵子は、覚醒剤所持の罪で服役していた旧友の遠藤環を出迎える。その直後、恵子は追いかけてきた円経済研究所の調査員・秋場弦太のベンツに無理やり乗せられ、円詠一から強引に仕事を依頼される。依頼内容は、財田の運営する巨大ファンド“モネタ・ファンド”の調査だった。毎年確実に利益を上げ、リーマンショックの年ですら利回りを叩き出したという奇跡のファンドーその秘密を探るべく、恵子はパートナーである如月浩二郎とともに潜入捜査を開始する。しかしそこで思いもかけない人物と再会しー。
元高校球児の島野圭一は、高校野球史に残る名勝負の取材中に、預かった日記を奪われてしまう。日記は、12年前に不審死を遂げたライバル校の捕手・中尾がつけていたものだった。もしや、中尾とバッテリーを組んでいた紀田のウイニングショット“二軸スライダー”の投げ方が書かれていたのではないか?宿敵のエース・紀田に敗れて甲子園を逃した苦い記憶を胸に、島野は調査を始めるのだがー。
大分・平家山に若い女性の死体があがった。手には赤い南天の実が握られていた。他殺か、事故かー東京から九州の無名な山に来た理由とは?特命捜査を任された東山刑事は、自分の出身地の大分と、死んだ女性の出身地である能登がともに平家伝説の地であると知り、独自の推理を進めていく。だが、東京・大分・能登をめぐるスクランブル捜査の果て、東山刑事を待っていたのは…。