2013年3月8日発売
時代小説の名手が描く、江戸の女の恋愛模様 江戸の占い本が女たちの吉凶をズバリ! 月ごとの風物を織り込みながら江戸の女を生き生きと描く、切なくも愛らしい傑作時代小説。
グループホームで働く千鶴は結納前日も夜勤が入り、入居者たちはそれぞれの方法で千鶴を祝い…(「Aデール」)。四十年以上前に失踪した初恋の女性・葉子に会うため、窪木は孫娘の園を連れて、葉子の入院する病室を訪ねる(「布袋葵」)。四雁川の流域に暮らす者たちを通し、生死や悲喜に臨む姿を静かに描く七篇。
NY、東京、パリ。彼らは、再びスタートラインに立った 社長の娘を監視するためにNYマラソンを走ることになった広和だったが。人気作家がアスリートのその後を描く三つの都市を走る物語
8月ロードショー、ブラッド・ピット主演映画原作 中国奥地に発した謎の疫病を契機とした人類と生ける死者との全面戦争。全世界を舞台とした衝撃のパニック・スリラー大作の原作小説。
死者の大軍を前にアメリカ軍は大敗北を喫し、インド=パキスタン国境は炎上、日本は狭い国土からの脱出を決めた。兵士、政治家、主婦、オタク、潜水艦乗り、スパイ…戦場と化した陸で、海で、人々はそれぞれに勇気を振り絞り、この危機に立ち向かう。「世界Z大戦」と呼ばれる人類史上最大の戦い。本書はその記録である。
絶好調「文庫書き下ろし」シリーズ、待望の第3弾 青山と同期たちは異動で所轄の課長に。そこで直面したのは、凶悪化した「半グレ」元暴走族集団と中国マフィアが絡む裏社会だった。
自殺する場所を求め寒村の温泉宿を訪れた大学生の種田静馬は、村の伝説の地で起こった少女の首切り事件に遭遇する。被害者は古から村を支配するスガル様の後継者で、九年後に起こると予言される大難事に備えるべく修行をしていた。犯人の罠により殺人犯と疑われた静馬を見事な推理で救った水干姿の十八歳の隻眼の少女の名は御陵みかげ。名探偵であった亡き母、御陵みかげの遺児で、母の名を継ぐべく、元刑事の父の手ほどきで各地で探偵としての修養を積んでいた最中だった。静馬は助手見習いとして、みかげと共に被害者の琴折屋敷へ向かうが、そこでは第二第三の殺人が待ち受けていた。三つ児の三姉妹、そして父を失いながらも難事件を解決したみかげ。だが、18年後に同じ現場で18年前を再現するような悪夢が……。絶品の超絶本格ミステリー。第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。
『人のセックスを笑うな』『論理と感性は相反しない』など、時代の空気感を掬い取るビビットな文体とセンスで人気の山崎ナオコーラの中短編集。年配の男性の顔や指の写真を集め、ブログに載せることは罪であろうか? おじさんを研究する二十五歳の女性の視点から、異性を個人ではなく集合体として捉える切なさを描いた「手」。NHKラジオ文芸館で紹介され異例の話題となった、血のつながらない娘と暮らす44歳のサラリーマンが主人公の、『お父さん大好き』など4作を収録。おじさんたちが可愛く思えてくる、ウィットと切なさに満ちたナオコーラ・ワールドが堪能できます(2009年刊の単行本『手』を改題)
婚約破棄された上に、ダニ研究の仕事までリストラされた桐野真衣(32歳)。どん底から飛び込んだ民間科学捜査研究所では、勤務早々から、顔に碁盤目の傷を残す連続殺人に遭遇する。変人の同僚に囲まれながら科学捜査で事件に迫るが、そこには意外な結末がー。「アンフェア」原作者による、待望の文庫書き下ろし新シリーズ。
短篇小説はこんなに面白い。十八世紀半ば〜二十世紀半ばの英国短篇小説のなかから、とびきりの作品ばかりを選りすぐった一冊。ディケンズやグレアム・グリーンなど大作家の作品から、砂に埋もれた宝石のようにひっそりと輝くマイナー作家の小品までを収める。空想、幻想、恐怖、機知、皮肉、ユーモア、感傷など、英国らしさ満載の新たな世界が見えてくる。巻末に英国短篇小説論考を収録。
「日本SF初期傑作集」とでも副題をつけるべき作品集である。(筒井康隆)-優れた書き手たちがその個性を存分に発揮しつつ、SFと小説の可能性を探り続けていた1960年代の代表的傑作を集める。斬新なアイディア、強烈なイメージ、ナンセンスの味わいなどがたっぷり。「SF」の枠組みを超えて、二十世紀日本文学におけるひとつの里程標となる歴史的アンソロジー。
「仄聞するところによると、ある老詩人が長い歳月をかけて執筆している日記は嘘の日記だそうである。僕はその話を聞いて、その人の孤独にふれる思いがした」(落穂拾い)明治の匂いの残る浅草に育ち、純粋無比の作品を遺して短い生涯を終えた小山清。不遇をかこちながら、心あたたまる作品を書き続けた作家の代表作を文庫化。いまなお新しい、清らかな祈りのような作品集。
「砂糖に殺される!」と書かれたビラが、クッキー用品店の庭に大量にまかれ、店主のオリヴィアは大慌て。きっと、野菜以外は体に毒と考える、隣にできた自然食品店のシャーリーンの仕業にちがいない。そんなライバル店へのささやかな仕返しとして、天才菓子職人マディーは野菜をかたどった色とりどりのクッキーイベントを開催。大盛況に終わるも、店から貴重なクッキー型がいくつか消え、そのひとつを手にした男性の死体が公園で見つかり…!?ライバル店のせいでスイーツが町から消えそうな非常事態だというのに殺人事件まで起こり、オリヴィアはもうてんてこまい。はたしてクッキー用品店の運命は?好評シリーズ第2弾。