2013年4月11日発売
明治24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂、大津事件に関わった愛国者たちー。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にある人間を見つめた表題作ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印し、平林たい子文学賞を受賞した、知られざる名作。
9つの異世界を旅して、仮面ライダーとともに世界を救おうとする門矢士。彼は“通りすがりの仮面ライダー”ディケイドとなって、電王、クウガ、カブトと出会い、ともに力を合わせて大きな敵に立ち向かっていこうとする…。
石屈日和は文具メーカーで働く三十歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。親戚から格安で借りた高級マンションに住み、好意を寄せてくれる男性もいる。秘かな楽しみは、刺激を求めて始めた毒舌ブログの更新だ。そんな彼女の運命が、俄に狂い始める。次々と起こるトラブル。こじれてゆく人間関係。誰かが私を陥れようとしてる?傑作サスペンス。
小岩井一水と夕希子は、平凡ながら幸せな家庭を築いていた。新築一戸建の家、可愛い6歳の娘、お腹の中に宿る新しい命。そんな一家をいつも気にかけてくるのが、隣家の未亡人・森梓だった。完璧な美貌の持ち主で優しく親切な素晴らしい隣人。だが彼女は、心の奥に暗く歪な欲望を隠していた。一水が梓からの甘美な誘惑に身をゆだねたとき、戦慄の悲劇が幕を開ける。
本庁捜査一課で腕を磨いた剣持直樹ひきいる極秘捜査班の面々は、倒産したITベンチャー企業の元社長が惨殺された事件を追っていた。被害者は多額の負債を抱えており、暴力団や裏社会とも関係があった。地道な聞き込み捜査は空振りが続き混迷を深めたが、やがて高学歴の美女ばかりが失踪する不可解な事件にぶちあたった…。大好評の書下ろしシリーズ第三弾。
園芸業を営む蔵本翔は身元確認で訪れた監察医務院で、二年七ヶ月前に別れた妻の死を知る。自殺か事故に思われたその死には、踏み込むほどに物騒な事情が横たわっていた…。篝火草(シクラメン)のように儚い妻の真実を知ったとき、翔はすべての過去と向き合うことになる。ミステリー文学大賞新人賞受賞作家が描く、哀しみと緊迫感に満ちた傑作サスペンス。
眉目秀麗、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、神津恭介。彼が挑むのは密室トリックの数々。鍵の掛かった部屋の外に残された犯人の足跡、四次元からの殺人を予告する男…。不可解極まる無数の謎を鋭い推理でクールに解き明かす!いつまでも燦然とした魅力を放つ神津恭介のエッセンスを凝縮した六つの短編を収録。傑作セレクション第一弾。
長患いを負い目にし、自害を試みた一三を救った若き医者・圭吾。日本橋福島町の長屋に居着き、住人から頼りにされていた。だが、懇意にする薬種問屋の若旦那とのいざこざから、薬が手に入らなくなる。亡き父から託された教えを胸に刻みながらも、圭吾は志を失いかけていた。そこに永代橋が落ち、多くの怪我人が出たとの報せが。小説宝石新人賞作家の長編デビュー作。
深夜帰宅中、変質者にナイフを突きつけられた三枝英子は見知らぬ男性に救われる。その男は「必ずあなたを見守っています」と言い残し、立ち去った。それ以降、英子を困らせる連中がけがをしたり、火傷をしたりー。ついには、彼女に嫌がらせをした上司が殺害された。英子を救った「用心棒」の仕業なのか?そしてその正体は!?(表題作)大人気シリーズ第46弾。
2001年5月、ベルリン。67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。被害者は大金持ちの実業家で、新米弁護士のライネンは気軽に国選弁護人を買ってでてしまう。だが、コリーニはどうしても殺害動機を話そうとしない。さらにライネンは被害者が少年時代の親友の祖父であることを知り…。公職と私情の狭間で苦悩するライネンと、被害者遺族の依頼で公訴参加代理人になり裁判に臨む辣腕弁護士マッティンガーが、法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。コリーニを凶行に駆りたてた秘めた想い。そして、ドイツで本当にあった驚くべき“法律の落とし穴”とは。刑事事件専門の著名な弁護士が研ぎ澄まされた筆で描く、圧巻の法廷劇。
フランケンシュタイン家の双子コンラッドとヴィクター。兄コンラッドは冷静で思慮深く、弟ヴィクターは情熱的と正反対の性格ながら、二人の絆は固かった。だが、コンラッドを突然の病が襲う。兄を救おうと、ヴィクターは遠縁の娘エリザベス、親友のヘンリーと一緒に、錬金術師ポリドリを訪ねる。求めるは不老不死の霊薬。若き日のフランケンシュタインを描いたダークファンタジー。古典的名作『フランケンシュタイン』その知られざる前日譚。