2013年6月19日発売
君には、警察学校をやめてもらう。 「こんな爽快な読後の悪さは始めてだ! 警察学校が担う役割とはなんだろうか。篩にかけられた友もまた、警察官を育成するために必要なものだったのだろうか。校庭のすみに育てられている百日草が示すものが、警察組織を守るための絆ではなく、市民を守るための絆であることをただただ願いたい」 ーーさわや書店フェザン店・田口幹人さん 「復興を続ける警察小説ジャンルから飛び出した、突然変異(ミュータント)。警察学校が舞台の学園小説でもあり、本格ミステリーでもあり、なにより、教師モノ小説の傑作だ。白髪の教師・風間は、さまざまな動機で集まってきた学生それぞれに応じた修羅場を準備し、挫折を演出する。その『教育』に触れた者はみなーー覚醒する。もしかしたら。この本を手に取った、あなたも。」 ーーライター・吉田大助さん 【編集担当からのおすすめ情報】 長岡弘樹氏は、2008年に第61回日本推理作家協会賞(短編部門)を選考委員満場一致で受賞、「歴代受賞作の中でも最高レベルの出来」と評された短編「傍聞き」で知られるミステリー作家です。同作を収録した文庫『傍聞き』は、現在39万部に達しています。本書は長岡氏初の本格的連作長編にして、好事家をもうならせる、警察学校小説。 2013年ミステリーナンバーワンを射程に入れた勝負作です。
京都府警の本部至近ばかりで発生する、連続眼球強奪殺人。犯人はいつしか「眼喰鬼」と呼ばれ始めるが、手がかりもつかめない。若きキャリア警察官・二条実房は、被疑者必検の命を受けて、捜査本部のある平安署に署長として赴任する。警察内部の暗闘と、捜査陣を挑発するように繰り返される犯行の渦中、二条は京都の闇に潜む真犯人を検挙することができるのか!?
絵が現れ出た瞬間、時の船は過去へと遡行して、耳奥に残った紙のざわめきが、舳先の切り進む波の音に聞こえた。日常のなかに仄めく幽かな異界との交感。夢と現、幻視と写実が交錯する、無気味で不思議な味わいの幻想譚6篇を収録。