2013年8月6日発売
京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。弟子たちに囲まれて平穏に過ごす晩年の彼に小さな変化が…。祇園の妓女に惚れてしまったのだ。蕪村の一途な想いに友人の応挙や秋成、弟子たちは驚き呆れるばかり。天明の京を舞台に繰り広げられる人間模様を淡やかに描いた傑作連作短編集。
“隠居の彦八”と呼ばれる元盗賊が江戸に舞い戻ったという。処刑された頭・木更津の酉蔵の一周忌の法要を行う目的らしい。一方、酉蔵の娘の周囲では、蝮の藤兵衛の一味が様子を探っていた。盗賊同士、どんなかかわりがあるのか。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、手下とともに盗賊どもを追い詰める。大好評シリーズ第18弾!
名探偵リンカーン・ライムに持ち込まれたプロの殺し屋による殺人。だが現場には犯人の痕跡が何もなかった。「犯人は犯罪の現場に必ず微細な証拠を残す」という原理を裏切る難事件を描く「ロカールの原理」他、多彩なドンデン返しであなたを驚愕させる16の物語。だまされる快感を満載した巨匠の短編集。
長崎・平戸に中国人5人の射殺体が難波船に乗って漂着した。船内には元自衛官の指紋が。麻布署警備課長の青山は、同期たちと情報を共有し、日本の原発技術から永田町までをも巻き込んだ中国国内の大きな権力闘争に気付く。そして浮上する意外な共犯者、流出する機密…。どこまでもリアルな書き下ろし警察小説シリーズ第4弾。
里香の主治医、イケメンにして天才心臓外科医の夏目吾郎。性格の悪さと奇妙な優しさで裕一は翻弄されどおしだが、その夏目の青春時代が明かされる。「病人って面倒くさそう」と嘯く、臨床ではなく研究志望の野心家が、地方病院でワガママな子供相手に格闘するようになった陰には、最愛の恋人にして妻、小夜子の存在があった。
怪奇・恐怖・神秘を主題に、澁澤龍彦によって選ばれ翻訳された珠玉のフランス短篇小説群をオリジナル編集。『澁澤龍彦訳幻想怪奇短篇集』の続編。子供を何人も連れ去って一緒に住む奇妙な紳士を描いた『ひとさらい』のシュペルヴィエルは、澁澤がコクトーの次に熱中したと語った詩人で、文庫版初出。ほかに、マンディアルグやカリントンなど、意表を突く展開と絶妙な文体が愉しめる傑作選。
お気楽弱小吹奏楽部に新しくやってきた変人顧問“ミタセン”。超個性的なメンバー揃いのダメダメ吹部を立て直し、1年で全国大会出場、なんて豪語してるけど…そんなの無理に決まってるってば!全国500万人の吹奏楽ファンに贈る、心が元気になる青春ノベル。