2013年9月発売
意味も明かされぬまま異空間で続く壮絶な七番勝負。只中に“転生”した塚田率いる赤軍は一勝二敗の劣勢で第四局を迎えた。青軍の将奥本は現実世界でもプロ将棋棋士の座を賭けて死闘を続ける敵だ。だが、なぜ戦場が“軍艦島”なのか?そして、地獄のバトルに決着はあるのか?人間精神の暗黒面を抉る非情のエンターテインメント。その終局で明かされる真実に瞠目せよ!
法で裁けぬ悪人抹殺を目的に警視庁が極秘に設立した“暗殺部”。射撃の名手・周藤一希、刃物遣いの天才・神馬悠大ら精鋭を擁する。東京・吉祥寺の放火事件で遺体からエボラウイルスが検出された。防犯カメラに映っていたのは白ずくめの集団だった。さらに現場では女性の誘拐が判明ーやがて暗殺部が仕掛けた罠に獲物が掛かった時、恐るべき真の黒幕が浮上した!驚愕の第一弾。
「陣借り平助」とその名を馳せる魔羅賀平助は、弱小だった毛利元就や織田信長の陣に加勢し、大勝利に導いた男。その平助が諸国を放浪中に上杉謙信の軍師・宇佐美定満の陣を借りることに。武田軍と相見えるが、勇敢なはずの定満が、なぜか一騎打ちを請う敵の猛将・原虎胤と戦わず、平助に名代を務めさせた…。天下無双の快男児が戦国を駆け抜ける、痛快武人伝。
神田岩本町一帯が燃えた。火元は古着屋の増田屋。店の金を盗んだ容疑で捕らえられた下男伝助が解き放たれた夜の出来事だった。火盗改めが火付け犯として伝助捕縛に向かうなか、当日その姿を見かけた青柳剣一郎は伝助が犯人ではないと確信する。ところが、伝助はその日から姿を消していたのだった…やがて紅蓮の炎に隠された陰謀を、剣一郎が快刀乱麻に暴き出す!
久しぶりに医師・土屋弘庵の許を訪れた秋月栄三郎は、医術を学ぶ捨吉を見て安心した。物心ついてから二親に捨てられてぐれ、悪辣な取立屋に堕ちた捨吉を弘庵の弟子にしたのは栄三郎だったのだ。だが、その翌日、弘庵が訪れ、捨吉の様子がおかしいと言う。どうやら自分を捨てた母親・おふねに出会ったらしいのだが…。母子の断絶を埋めるべく“取次屋”栄三が心を砕く!
深川今川町で寺子屋を開く北村数馬のもとに武家の女が訪ねてきた。実は数馬は旗本の二男。その昔、世間を騒がせたある事件に巻き込まれ、親友を失い、裏店に住むようになったのだ。そのときに恨みを買った連中が、数馬に復讐にくるという。寺子屋を手伝う市太郎はなんとか力になろうとするが、数馬はそれを拒絶する…。一度は人生を捨てた男の再生と友情の物語。
紀州徳川家の藩主が交代した。新藩主綱教の正室は五代将軍綱吉の娘。綱教は将軍の座への野心を抱く。だが、母の身分が低い弟頼方の存在が、妨げになると考え、その暗殺を目論む。一方、頼方警護のため江戸市中に潜む霧生院一林斎は当惑する。頼方への刺客が、味方の薬込役なのだ。頼方や自らの家族を護るため一林斎が下した苦渋の決断は?新たな展開の第四弾!
久里浜沖で流人船が難破した。助かったのは、流人の鹿之助ひとり。しかし三日後、彼は姿をくらます。北町奉行の榊原は鹿之助が親友の倅でないかと危惧し、立花平七郎に極秘の探索を依頼する。探索の中で、徐々に明らかになる鹿之助の閉ざされた過去。養子としての葛藤、凄絶な恋、そして流人になった理由…数奇な運命に翻弄された男を、平七郎はどう裁くのか!?
北多摩署の刑事課強行犯係・相馬刑事は体つきから食欲までウマ並みの快男児。その相馬が奥多摩をドライブ中に衝突事故に巻き込まれた。相手の運転手は逃走するが、助手席には男の他殺体が!遺体は総会屋と判明、捜査を開始した相馬の前に相次ぐ事件。再度の交通事故、強盗事件、そして木曽駒ヶ岳で会った美女が殺されて…。山を愛する純情刑事が挑む難事件!
現代科学で解明できない謎の商品“おもしろたわし”を調査してほしいー。商社マン・宮口翔一は常務からの特命で、生産地・天草諸島の壱里島へ飛んだ。しかし、その小さな島は強力なパワースポットと化し、奇妙な現象が次々と起こっていた!翔一はオカルトライター・機敷埜風天と共に力の噴出口・信柄浦岳を目指すが…。感動と驚愕の癒し系ファンタジー、ここに誕生!
妻と娘と三人で暮らすマイホーム。幸せを手にしたかに思えた俊男だが、いつしか希望は失われ…。そんな時、妻の静佳の顔が変わっていることに気づく。整形を繰り返す静佳は、若い頃に捨てた女・あゆみとそっくりに!?表題作など、天狗小僧の千里眼が抉り出す人間たちの深き業。時空を超えた異色のホラー短篇集。
「飲むほどに酔うほどに、かつて奪った命の記憶が甦る」-最強と謳われ怖れられた、新選組三番隊長斎藤一。明治を隔て大正の世まで生き延びた“一刀斎”が近衛師団の若き中尉に夜ごと語る、過ぎにし幕末の動乱、新選組の辿った運命、そして剣の奥義。慟哭の結末に向け香りたつ生死の哲学が深い感動を呼ぶ、新選組三部作完結篇。
沖田、土方、近藤ら仲間たちとの永訣。土方の遺影を託された少年・市村鉄之助はどこに消えたのかー維新後、警視庁に奉職した斎藤一は抜刀隊として西南戦争に赴く。運命の地・竹田で彼を待っていた驚愕の光景とは。百の命を奪った男の迫真の語りで紡ぐ鮮烈な人間ドラマ・浅田版新選組三部作、ここに完結。
娘の祝言が決まった日から急に態度が冷たくなった父親の心情が胸に迫る表題作ほか、他人の物を盗った息子に右往左往する両親を描く「泣き笑い」、晩年の清水の次郎長が小気味よい「言えねえずら」、土佐の長宗我部家に伝わる文書に秘められた一族の尊い使命「銀子三枚」など、とびっきりの人情話8編。
春になり、裕一は進級のため、レポート三昧の日々。香里の手術はひとまず成功したものの、余命の長さはおぼつかない。やがて二人は『チボー家の人々』に各々の想いを託し、物語はクライマックスを迎える。病院という閉鎖された空間で見えない明日を信じて生きる少年少女たちを活写し、巡礼地をも生んだ現代の名作、遂に完結!
大学の食堂で働く雪子は、毎日わかめうどんばかり頼む女学生を自分の娘のように眺めていた。だが彼女が付き合っているらしい男が気に入らず、ある日思わずある行動に出てしまう…(『うちの娘』)。日常の中ですれ違っていく、忘れられない人たち。そのすれ違いの中で、かすかに揺らぐ感情を掬いあげる佳品6篇。
スコット・ケアリーは、放射能汚染と殺虫剤の相互作用で、一日に7分の1インチずつ身長が縮んでゆく奇病に冒されてしまう。世間からの好奇の目、家庭の不和。昆虫なみの大きさになってなお、孤独と絶望のなか苦難に立ち向かう男に訪れる運命とは?2013年6月に逝去した巨匠マシスンの代表作を、完全新訳で25年ぶりに復刊。巻末には『ランボー』の原作者デイヴィッド・マレルによる詳細なあとがきも収録。
小島楓が救命救急センターの医局長に着任して1カ月がたったが、医局員たちとの関係はいまだぎこちない。そんな中、臓器移植法改正後、1例の臓器提供例も出ていない救命センターに業を煮やした病院幹部らは、トップクラスの救命率と脳死臓器提供数を両立させてきた異色の救命医・夏目衛を迎えることを決定する。夏目の初赴任日を前に、東京で史上最悪の大事件が勃発し…。脚本家が書き下ろす、それぞれの視点から綴った、それぞれの物語。