2014年10月11日発売
勇者になった夢を見た時から、物語は始まっていたのかもしれないー 変わらない通勤の風景、繰り返す同じ業務の日々。 「勇者」に憧れ仲間達とゲームに興じていた輝かしい日々は、いつからか平凡な会社生活へと変わっていた。久しぶりに再会した4人で開催されることになったゲーム大会。手に取ったゲームソフトの名前は『M.S.S.Planet』。4人は見覚えのないゲームのタイトルに首を傾げながらも、ゲーム機のスイッチを入れるのだが……!?
一筆ずつ塗り重ねられる精緻な絵画のように、あるいは一針ずつ施される絢爛たる刺繍のようにー一語一語選び抜かれた言葉は、思わぬつながりを持つ次の言葉を連れてきて、夢中でそれらを追ううちに思いもよらない地平に連れ去られていく。時空間も記憶も等質な粒子となって混じり合い、拡散し、迷宮のような読書体験をもたらす、著者初の自選短篇集。
濃密な血の呪縛、中上文学の出発点「岬」(芥川賞) 男と女と日常の不穏な揺らめき「髪の環」 不幸の犠牲で成り立つもの「幸福」 流される僕の挫折と成長「僕って何」(芥川賞) 言葉以前の祈りの異音「ポロポロ」 垢の玉と生死の難問「玉、砕ける」 少年を襲う怪異の空間「遠い座敷」 1975〜2014年の名作を5年単位で選りすぐり、 現代小説40年の軌跡を辿る全8巻。 文学は何を書き試み、如何に表現を切り拓いてきたのか。 シリーズ第1巻。
二世紀末、後漢王朝が崩壊する。群雄割拠の時代、魏、蜀、呉は「三国時代」に突入する。千年の時を経て、膨大な「三国志」物語群、資料を整理・編纂し、『三国志演義』が成る。史実と虚構を巧緻に交錯させ、驚異の物語世界が現出する。本巻は、長坂の戦い、赤壁の戦い、劉備・諸葛亮と孫権・周瑜の頭脳戦、劉備の蜀攻略を描く前半のクライマックス。
風間健介は急逝した父の遺志を継ぎ、広告カメラマンから山岳写真家へと転身した。父の愛した厳冬の大雪山で撮影中、風間は絶滅したはずのオオカミを探す田沢保と出会う。十数年前、遭難の危機をオオカミに救われたという。さらに、彼が亡き父を尊敬していたこと、そして、大規模リゾート開発に絡んだ殺人犯だということを知る。風間は田沢と行動をともにするうちに彼の冤罪を信じた…。
数年ぶりに別居する息子と二人で、荒川沿いの酒蔵を訪れた赤羽中央署生活安全課の疋田努は、若い女性の水死体を発見した。遺体は女子短大生とすぐに判明、スクリュー痕でかなり傷ついていたが入水自殺と思われた。だが、遺体の胸に刻まれた謎の刺青文様が気になった疋田は、独自に捜査を開始する。浮上したのは、短大生が手術を受けていた美容整形外科だった。張り込み中に院長が患者らしき女性と口論する姿も目撃されている。ここはいわくつきの病院なのか。ところが、院長に焦点を絞った矢先、今度は院長が失踪してしまい…。