2014年10月30日発売
貞淑な妻、包容力ある母、愛情深い恋人、献身的な娘として、役割を演じながら葛藤しつづける女性たちの仮面の下の素顔。苦しみ、憎しみ、渇望ー女の内面に巣くう花と蛇をあぶりだす、団鬼六賞受賞作家、入魂の衝撃作!
『ハゲタカ』シリーズをはじめ、震災後の原発政策とリーダーシップのあり方を問う『コラプティオ』、農薬と日本の食の暗部に迫る『黙示』など、現代の日本社会が抱える問題に正面から挑みつつ、最上級のエンターテインメント小説を精力的に発表しつづける真山仁。2014年秋、作家生活10周年記念刊行の第一弾として、超弩級の謀略小説、社会派長編が誕生した。 今回の主人公は、気鋭の検察官・冨永真一と、宇宙開発に挑む若き女性研究者・八反田遙か。物語は二人の視点から描かれる。 遙は幼い頃から宇宙を夢見、日本の宇宙開発を担う研究者になるべく日々奮闘中。航空宇宙科学研究センター(宇宙セン)の指導教官・寺島に導かれ、我が国の宇宙開発の現状と問題点を目の当たりにする。それは宇宙開発の世界が生き馬の目を抜く世界であり、同盟国・アメリカとの関係の複雑さに触れることでもあった。 一方の冨永は、形勢不利だった殺人事件の裁判を検察勝利に導いた功績を認められ、特捜部に配属される。粘り強く次々に成果を出す冨永だったが、大学時代の親友の失踪を機に、奇妙な疑獄事件に巻き込まれてしまう。そしてその陰謀には、戦後の日本復興を支えた大物政治家の影があった……。 正義とは何か? 国益とは何か? 希望とは何か? 精緻な描写と骨太のストーリーに、誰もがページを繰る手を止められなくなるはず。日本の社会派小説の歴史は、ここからまた始まる!
リンカーン・ライム、凄腕スナイパーに挑む 政府に雇われた狙撃手に暗殺された男は無実だった。この策謀に挑むライムの捜査が始まる。隠蔽工作よりも早く真実にたどり着けるか。
映画撮影所の小道具係を辞めようかと悩む隆之さん、客の少ない食堂で奮闘する継治さん、月明かりのアパートで母をしのぶ良美さん…。多摩川の岸辺の街を舞台にくりひろげられる人生のドラマ。「黒猫のミーコ」ほか、名もなき人びとの輝ける瞬間が胸を打つ連作短篇集。
人気クイズ番組のプロデューサー神田達也。テレビ局員ながらも、40歳過ぎてようやく「クイズ!ミステリースパイ」でヒットを飛ばす。多忙なある日、自宅リビングの壁に高校生の息子・和也が磔にされ、玉虫色のスカーフを巻いた謎の男が立っていた。そして、和也を人質にゲームを挑んできた。謎の男は6枚の名刺を取り出し、5人の男女を招き入れて、持ち主に名刺を返すように指示した。が、一度でも間違えば、和也の首に取り付けた爆弾のスイッチを押す、と。このゲームの裏には何があるのかー。“独裁者”を自認するテレビプロデューサーの栄光と狂気と闇が招く、驚愕のエンディングー。
木崎の問題で未だ揺れている芦澤の組で、組長に隠し子がいることがわかり、勢力争いに新たな動きが…。同じ頃、芦澤の恋人、榎田はイタリアのテーラーメイド協会主催のイベントに参加するため、ミラノを訪れていた。充実した五日間の日程を終え、帰りの飛行機に乗ろうとした榎田だったが、そこには恐るべき罠が仕掛けられていたーー。榎田、そして芦澤、彼らを陥れようとする非道な煉獄への扉が開いてゆく……。
二十五歳の浦沢敦志はたった一人で探偵業を営んでいる。なぜかと言えば、事故の後遺症で、近くにいる人の未来が数秒ほど見えるようになってしまったからだ。見たくもないものが見えてしまう…以来、人を避けるようになった。そんなある日、敦志は高校時代の同級生・仮屋鹿ノ子と再会する。すると例の現象が起き、鹿ノ子が何者かに襲われているシーンを見てしまう。敦志は予知を頼りに事件を未然に防ごうとするが…!?「すこしだけ未来が見える」というままならない能力で奮闘する青年探偵を描く、新感覚ハートフル・ミステリー!
ドワーフ族領での選定侯会戦を終え、緋の迷宮都市(クリムゾン・ラビリンス)へとやってきた金之介とイレヴ。そこは神様が造った、カーディの蠢く地下ダンジョン。金之介はイレヴとともに、ここでカードを蒐集し、生計を立てるつもりだ。街で偶然再会したエンテ家の次女アイリーンも何故か巻き込まれ、即席の素人迷宮攻略パーティが誕生。傍若無人な金之介を筆頭に、三人が迷宮都市(ラビリンス)を驀進する!