2014年11月6日発売
由緒正しき英国霊媒師一族の末裔、アーネスト。彼は友人の佐貴が働く喫茶店“リーベル”によく立ち寄るため、店には霊にまつわる悩みを抱えた依頼人が度々訪れる。十一月のある晩、店にやってきたのは「浜本理佳」と名乗る女性。彼女は「この電話番号の相手が、霊媒師の助けを必要としている」と、戸惑う佐貴にメモを渡して立ち去る。しかし、その番号に電話を掛けた佐貴は、思わぬ事実を知らされる。浜本理佳は、一年前に自殺したというのだ。さらに、理佳の交際相手が不審死を遂げたことを知り、アーネストと佐貴は捜査をはじめる。背後にはアーネストと因縁を持つ人形師・三神の影がー?
大切なのは意志と勇気。それだけでね、大抵のことはうまくいくのよー。『デビクロくんの恋と魔法』のなかに登場する謎の「デビクロ通信」が新たに描きおろされた、ユニークなスピン・オフ文庫がついに誕生!作中、主人公の書店員・山本光が夜な夜なボム(配布)行為を繰り返している不思議なビラ、デビクロ通信。本作では、この「デビクロ通信」のことばを新たに200点セレクトして名言集的に構成。そのうち50点以上については、デビクロくんの描きおろしイラストがページを彩ります。付録として、デビクロくんの特製シールも封入されています。
浅草元鳥越に住む浪人・秋月六平太の稼業は、付添い屋。裕福な商家の子女が花見や芝居見物に出かける際、案内と警護を担い身を立てている。血の繋がらない妹・佐和と暮らす居宅と、相惚れの仲である髪結いのおりきが住む音羽を往復しながら、借金三十両の返済に頭を悩ませる日々だ。信州十河藩藩士だった六平太は、十二年前、権力抗争に巻き込まれ家中を追われた。その原因ともなった義理の母の弟、杉原重蔵が江戸で目撃された。脱藩者で反逆者の杉原を、十河藩江戸留守居役小松新左衛門が許すはずもない。日本一の人情時代劇、風雲急を告げるシリーズ第三弾!
津軽でイタコの修業を積み、江戸へやってきた百夜。修法師として、怨念を抱え蠢く物の怪や付喪神たちを次々と鮮やかに調伏する怪奇譚。夜な夜な、なをの枕元に現れる火消半纏を着た鯔背な男。この男に会えることを楽しみにしていたなをだったが、男の正体は…(『鯉と富士』)。一月の寒さ厳しい夜、江戸は京橋を歩いていた弥五郎が、突然左足を何かに取られる。そこには真っ黒い壷が。よく見ると、辺り一面に何百個という壷が転がっている。その不気味な光景に隠された悲しい歴史とは…(『壺幽霊』)。亡鬼たちの怪異物語全七篇。大人気百夜シリーズ第三弾。
湯けむり温泉殺人事件で風祭が大活躍…!? ワールド・ポリス・チャンピオンシップで優勝した風祭警部は、国立市の名誉市民に選ばれたお祝いとして、龍宮温泉にある温泉宿「浦島本陣」の宿泊券を贈られる。風祭は長年仕えてくれた忠実な熟年メイド・光川をねぎらうため、”美人の湯”として名高いその秘湯でともに休暇を過ごすことに。 しかし、到着早々、宿で殺人事件が発生。蔵の中で、血を流して倒れている女将の死体が発見されたのだ。蔵は完全な「密室」だった。 捜査の中から浮かび上がってきたのは、もともと浦島本陣を経営していた一族・安城家の呪われた歴史と、安城家に代々伝わる「国立小判」を狙う者は殺害されるという”白の祟り”の伝説だった。莫大な遺産と後継者問題を残した強欲女将惨殺事件は第二の殺人事件を引き起こし、謎が謎を呼ぶこの難事件を解決すべく、ついに風祭が立ち上がる。 大のミステリ愛好家である光川の名アシストを受けて、風祭の迷推理は真実へと近づいていくがーー!? 執事探偵の影山、お嬢様刑事の麗子に並ぶ人気キャラクター、風祭警部を主役にした同名のスピンオフドラマを完全ノベライズ。風光明媚な山奥の湯けむり温泉で、風祭のミラクルが冴えわたる!! 【編集担当からのおすすめ情報】 KYでちょっと”残念”だけど憎めない風祭警部の生い立ちや、トレードマークの白スーツの由来も明らかに!
屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆けるー伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
幕末の動乱を生きた長州の志士久坂玄瑞。その傍らに咲いた一輪の花、妻・文を描く、唯一とも言える長編評伝小説。大獄に散った高潔な兄・吉田松陰の薫陶を受け、弟子の玄瑞に嫁す。ともに暮らしたのはわずか二年だが、杖とし、柱とし、すべてであったと慕い、その死後も凛烈に生きた野菊のような生涯。
引退を決意し、新たな世界を希求する殺し屋に襲いかかるさまざまな組織の罠、そしてかつての仇敵たちー「現代フランス文学の極北」といえるほど、限界まで贅肉をそぎ落とされ張りつめた文体が描く、荒涼たる孤独と絶望のドラマ。ロマン・ノワールの旗手・マンシェットの遺作にして、最高傑作。ピエール・モレル監督により映画化。
1907年、高速軌道の開通を急ぐサザン・パシフィック鉄道の建設現場で事故が多発し、多くの死傷者が出ていた。過激派や無政府主義者の破壊工作を疑う社長のヘネシーは全米随一の探偵社“ヴァン・ドーン”に調査を依頼。渡りの労働者の間で囁かれる正体不明の男、通称“壊し屋”の存在が浮かび上がる。捜査を指揮するのは探偵社のエース、アイザック・ベル。全米を駆けまわるベルと“壊し屋”の熾烈な戦いが始まったー。冒険小説の巨人が時代への思い入れをたっぷりに描き出すアクション巨編。
巨大な捜査網と権限を有する“ヴァン・ドーン探偵社”のアイザック・ベルが逮捕に動き出してからも、“壊し屋”の手が休むことはなかった。ベルも“壊し屋”に送りこまれた刺客によって痛手を負ってしまう。“壊し屋”の手は西部からニューヨークへ、そしてベルの恋人マリオンの身にも危険が迫る。巧妙な破壊工作に、ベルは西へ東へと駆けまわる。だがやがてベルは“壊し屋”がサザン・パシフィック鉄道を狙う真の意図を見抜き、その正体へ肉薄していくー。好評“アイザック・ベル”シリーズ第2弾。
イオナはこれまでの人生を全て整理して、生地アメリカから自らのルーツを求めアイルランド西部へ向かった。目指すは彼女の一族が昔から暮らす大きな森が間近に控える地。到着するとすぐさま彼女は親戚が森の中で営む“ダーク・ウィッチ”を訪ねる。出迎えた親戚二人は彼女を歓待したうえに就職先まで面倒をみてくれた。乗馬クラブで仕事を始めたイオナはそこでオーナーのボイルの姿を目にして激しく心をときめかせる…。緑豊かな大自然を舞台に繰り広げられる恋と魔術の三部作が幕を開ける。