2014年12月5日発売
恋わずらい恋わずらい
両親亡き後、伯母夫婦の豪邸で無給の小間使いのように働き、美しい従姉デラの影のように生きるアビー。そんな彼女の胸に、ただひとつ灯る火があった。それはデラの婚約者バスコ・ダ・カルバリュの存在だ。ある日アビーはデラに頼まれ、バスコに手紙を渡しにいく。都会で贅沢をしたいデラの、農園経営の夢には付き合えないという、バスコへの婚約破棄の最後通告だった。その夜、酔いつぶれたバスコを家に連れて帰ると、淋しさからか、彼はそっとアビーに触れてきて、ふたりは結ばれた。だがそれは、アビーにとって悲しくも辛い恋の始まりだった。
キャロラインの結婚キャロラインの結婚
生まれてまもない赤ちゃんを置いて、姉が家を出ていった。両親もすでに亡く、キャロラインは途方に暮れながらも、ただひたすらその子に愛情をそそぎ、育てていた。6カ月後、子どもの父親の従兄弟だという、イタリア人大富豪ドメニコ・ヴィカーリが現れる。子どもの父親は亡くなったとドメニコは言い、キャロラインを母親と勘違いして、その子を引き取るから結婚しよう、と申し出た。真実を言えば、きっとこの子から引き離されるー悩んだ末、キャロラインは姉になりすまし、プロポーズを受け入れた。
密会密会
恋人に裏切られたロミリーはロンドンを離れ、兄を頼ってスコットランド高地へやってきた。湖畔に立つ兄夫婦の屋敷が、きょうから私の家…。森や湖の美しい眺めが、傷ついた心を慰めてくれた。そんなある日、ロミリーは山頂にそびえる古城の持ち主で、魅力的な年上男性ジェームズ・ゴードンと出会う。兄はジェームズの話を聞くだけで顔をこわばらせたが、その理由はロミリーには見当もつかなかった。だがやがて恐ろしい事実が明らかになる。なんと兄の妻が、かつてジェームズと不倫関係にあったというのだ。既にジェームズを愛していたロミリーは、絶望するが…。