2014年3月28日発売
帝国の衰退期、民衆の生活は“闇の獣”によって脅かされていた。「特命だ。おまえにはこれを届けてもらおう」平凡な青年フィンが託されたのは、遙か彼方の軍団に救援を求める文書。絶望の荒野、暗闇から忍び寄る脅威に削られる心。そんな夜、フィンは不思議な少女と出会うー。
「鍵穴はどこにもなかった」。定年間際の公務員・富井省三は、突然家から閉め出されてしまう。妻に先立たれ、独立した息子・娘とも疎遠なオヤジは、やむなく町を彷徨するうち謎の占い師に出会う。不吉な予言、度重なる悪夢、しゃべる犬…やがて省三は、鎌倉の亡き伯父宅へ辿り着く。懐かしい遺品に溢れた空家は、彼の脳裏に在りし日の家族の記憶を蘇らせた。家族の系譜をめぐる長編。
器量ひとつで道を拓くが定め、通し飛脚。なまくら者を従え善光寺まで秘仏を届ける羽目になった、鶴吉。播磨より逐電した男女を追跡する、剣術遣いの吟二郎。そして、江戸留守居役の奥方を西国へ逃がすという禁制御法度、出女を請け負ったのは蓬莱屋の切り札、仙造だ。三人のゆくてに苦難が待つ。目を血走らせた敵が待つ。予想しえない結末が待つ。活劇、人情、志水辰夫に酔う三篇。
山の一族と二手に別れた新三郎&魁は、秘宝「覇王のギヤマン」を手に入れた。しかし新たな追っ手の匂いを嗅ぎ付け、箱根の砦で迎え撃つ。その相手は浪人、商人、僧形の者らに加え、火縄を使わない謎の銃を持つ異形の巨人。一方、カムイの導きにより、北へ向かったオババと沙伎は仙台を過ぎ、さらに旅を続ける。物語は大団円を迎える直前の最終局面に入った!好評シリーズ第五弾。
ある夕食会で出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎた男が、すべてを捨てて挑んだこととはー。ある天才画家の情熱の生涯を描き、正気と狂気が混在する人間の本質に迫る、歴史的大ベストセラーの新訳。
バリントン家の正統な後継者はハリーかジャイルズか、国中を巻き込んだ大論争がようやく決着。それぞれが新しい生活を手にした矢先、突然の病魔が大切な命を奪い、また新たな難題が持ち上がる。喪失の哀しみのなかで、ハリーとエマが敵対した次なる相手はなんと、ジャイルズだったー。裏切られた友情と兄妹愛は取り返せるのか?予想外が連鎖する「クリフトン」シリーズ第3部。
ハリーとエマを恨む者たちはバリントン海運の凋落と総選挙に挑むジャイルズの敗北を企図する。一方、校則やぶりの常習犯であったセバスティアンは志望校への推薦を得るべく改心したかに見えたが、知らぬうちに国際的犯罪の渦中の人となってしまった。息子を救いたい一心で、政府の要請のもと、ハリーは遠くブエノスアイレスを目指すが…秘められた真実が、新たな悲劇を招く!
放蕩の末に最後の日々を過ごす老人と、その孫娘の静かな同居生活を描く「寝相」。失業し妻と別居中の男、更生した元女番長、いつからか地面を這うようになった小学生が織り成す異色の群像劇「わたしの小春日和」。奇妙な美しさを放つ庭の情景が、男女4人の視点から鮮明に浮かび上がる「楽器」(新潮新人賞受賞作)。目の前に広がる世界に、人の中を流れる物語に、ただ目を凝らし、耳を澄ますための、3つの物語。
由緒ある陰陽師一族・鬼道院の血をひく高校生・宝生キリンは幼くして天才術師と呼ばれていたが、ある事件をきっかけに陰陽界との関係を断った。そんな彼のもとに鬼道院本家から一人の男がやって来る。その男・影郎は術者の霊力を糧に超人的な戦闘力を発揮する不死人で、キリンを護衛する自分と主従契約を結べと言い出してー!?禁術で甦った武士と高校生陰陽師のコンビ登場!シリーズ第1弾!!