2014年4月18日発売
雨漏りのする屋根の修理にやってきた屋根屋。自在に夢を見られると語る彼の誘いに乗って、「私」は、夢のなかの旅へ一緒に出かける。九州訛りの木訥な屋根屋と、中年主婦の夢の邂逅は、不思議な官能をたたえながら、ファンタジーの世界へと飛翔する。
マンションも買った。車も買った。足らないものは男だけ。桃沢桜子42歳。立志館大学准教授。出世争いには巻き込まないで的な、食事は売れ残り弁当でOK的な合理主義な女。ある朝、田崎教授が大学の玄関ロビーで死んでいた。前日に教授と言い争っていたのを目撃された桜子は警察に事情を聞かれる。一癖も二癖もある教授たちと大人になりきれない学生たち。魑魅魍魎が跋扈する大学内ミステリー。
日本に初めてできた高級洋装店「パルファン」に就職した隆子。型紙を使わない独自の裁断、二度の補正、顧客への気配りなど、店主ユキやスタッフの技術に圧倒されるが、“いつか私だって”と野心を燃やす。数年後、着実に力をつけた隆子は、ユキがパリに長期滞在する間、店の留守を任されるまでになり、ユキの恋人の相島ともー。嫉妬や噂が渦巻く服飾業界で、したたかに生きる女たちを描く。没後30年記念、初期名作を復刊!
時は7世紀。唐の皇帝・李世民の姪である翠蘭は、訳あって商家で育てられていた。だが突然の皇帝の命により、唐の公主として吐蕃(チベット)王に嫁ぐことになる。戸惑いながらもその命を受け入れ、翠蘭は吐蕃へと旅立つ。しかし、道中を何者かに奇襲され、翠蘭はリジムと名乗る吐蕃の男とともに降嫁の隊列からはぐれてしまい…。遙かなる大地で、彼女を待ち受けていた運命とは。大河歴史ロマン。
気さくな性格で暢気な高等遊民生活をおくる長野家の次男・二郎。対照的に兄で学者の一郎は常に張りつめた神経を持ち、妻・直と二郎の仲を邪推するまでに精神が追い詰められていた。あるとき彼は二郎に、直の貞操を試すため一夜を共にしてくれないかと言い出す。人を信じ、伸びやかに生きたいと願いながら、出口のない迷宮を巡り続けるひとりの知識人の心理状況を克明に描いた、『こころ』へとつながる「後期3部作」第2弾!写真で見る漱石・用語の注釈・年表・解説文・鑑賞文付き。
大晦日、ロンドンの飛び降り自殺の名所、トッパーズ・ハウスの屋上で、人生に別れを告げようとして上った失意の男女4人が鉢合わせをする。互いの身の上を語り合ううちに、期間を決めて、もう少し生きてみようかという話になり…。全く違うタイプの男女4人が次第に奇妙な友情をはぐくみ、もう一度人生と向き合おうとする姿を、個性豊かな各々の独白でユーモアたっぷりに描く。
ジェイスは、妹ミアと親友ゲイブの婚約パーティーで見かけたケータリングの臨時雇いの女性、ベサニーに心を奪われる。ジェイスには特異な性癖があった。ベッドをともにする女をつねに親友アッシュと共有するのだ。だが、今回ばかりは、アッシュがベサニーに手を触れるのさえ嫌だった。彼女はおれだけのものだ…。愛を交わした翌朝、ベサニーは姿を消す。彼女にも悲しい秘密があった…。全米大ヒット・シリーズ第二弾。
ジェイスはベサニーを妹ミアの開いたクリスマスパーティーに連れて行く。家族の温もりを知らないベサニーを、自分の家族に迎え入れたかったのだ。だが、直情的なジェイスの言動が、「自分はジェイスに信頼されていない、彼にふさわしい女ではない」というベサニーの思いをなかなか溶かさない。ようやく互いの真情が通い合ったとき、ベサニーの“兄”ジャックが危険な厄介ごとを運んできた…。怒濤のラブ・ストーリー。