2014年5月22日発売
時は明代の中国。揚子江流れる豊かなまちに稀代の名筆家と謳われる男がいた。この男陳遷は、しかしながら権勢家にして行いは残虐非道。人々を恐怖と憤怒に陥れていた。彼を懲らして、同時に世を正すべく暗躍する、仙術を使う異能の女・斑娘。その運命を握るのは、一通の手紙…筆の魔力に取り憑かれた人々の狂奔を描く傑作中華伝奇小説!
結び屋、それは人のご縁を繋ぐ業。無実の罪を着せられ、大店の妻の座を追われたおえん。悲しみの中で過ごすうち、ひょんなことから魚河岸の女仲買いと商家の若旦那の縁談を取り持つことに。でも商家の奥には、手ごわい姑が構えていて…。悲しみと幸せが降り積もる連作時代小説。
ベテラン警官が殺害され拳銃が奪われた。続発する射殺事件と遺体損壊の謎を追い、特捜チームの岬怜司は、妙な特技を連発する所轄署の里中宏美とコンビを組む。緻密な推理から浮上する過去の迷宮入り事件、その闇に消えた男。二人が、封印された真実に迫った時、記憶の彼方から意外な姿で現れるのは何者か?ミステリーの魅力と、キャラクターの個性が融合した警察小説の醍醐味!
火付盗賊改同心から一転、桜井新十郎は、持参金を取り締まり、幕臣の婚姻や養子縁組を勧める結婚奉行の配下となった。巨躯を縮めておなごの涙の訴えを聞き、自らお家断絶を願い出る老臣をなだめる悪戦苦闘の日々。しかしある一件の裏に潜む不正の構図を知った新十郎は強大な敵と対峙することになりー武家の家庭を護るニューヒーロー誕生!
一時代を築いた優良企業にも、容赦なく不況が襲いかかる。リストラ請負人・村上真介のターゲットは、大手家電メーカー、老舗化粧品ブランド、地域密着型の書店チェーン…そして、ついには真介自身!?逆境の中でこそ見えてくる仕事の価値、働く意味を問い、絶大な支持を得る人気シリーズ、堂々完結。
1959年の創刊から、つねにSF界を牽引してきた“SFマガジン”の創刊700号を記念する集大成的アンソロジー“海外篇”。黎明期の誌面を飾ったクラーク、シェクリイら巨匠。ティプトリー、ル・グィン、マーティン、ウィリスら各年代を代表する作家たち。そして、現在SFの最先端であるイーガン、チャン、バチガルピまで。SF史を語る上で欠くことのできない作家12人の短篇を収録。オール短篇集初収録作品で贈る傑作選。編者・山岸真による「編集後記」も併録。
日本SF界の礎にして最先端であり続けた専門誌“SFマガジン”の創刊700号を記念したアンソロジー“国内篇”。1959年の創刊当時から現在までの掲載作品から、平井和正、筒井康隆、鈴木いづみの傑作短篇、貴志祐介、神林長平、野尻抱介、秋山瑞人、桜坂洋、円城塔の書籍未収録短篇の小説計9篇ほか、手塚治虫、松本零士、吾妻ひでおのコミック3篇、伊藤典夫のエッセイ1篇を収録。編者・大森望による「編集後記」も併録。
Aボタンをクリック。ぼくはテツオになるー現実への違和感を抱えた大学1年の坂上悦郎は、オンライン対戦格闘ゲーム“バーサス・タウン”のカラテ使い・テツオとして、最強の格闘家をめざしていた。大学で知りあった布美子との仲は進展せず、無敵と噂される辻斬りジャックの探索に明け暮れる日々。リアルとバーチャルの狭間で揺れる悦郎はついに最強の敵と対峙するがー外伝短篇「エキストラ・ラウンド」を加えた新版。
たがいに微妙な距離感を継続中の黒猫と付き人は、バレエ『ジゼル』を鑑賞中にダンサーが倒れるハプニングに遭遇する。五年前にも同じ舞台、同じ演目でバレリーナが死亡する事件が起きていた。付き人はガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と事件との関連を気にするが、黒猫は何も語らない…ふたつの事件の真相、そして最終講義とはークリスティー賞受賞作『黒猫の遊歩あるいは美学講義』に続くシリーズ第2弾。
愛妻アイリスが母親に付き添ってジャマイカへ発った日、ピーター・ダルースはナニー・オードウェイと知り合った。パーティーで所在なげにしていた二十歳の娘は作家修業中だという。ピーターは父親めいた親切心を発揮して執筆の便宜を図ってやる。やがて待ちに待ったアイリスの帰国、喜び勇んで迎えに行くピーターは、とてつもない災難に見舞われることを知る由もないのだった…。
敵国との戦いで、エリサの夫であるホヤ・ド・アレナ国王は亡くなった。嫁いで間もないのに、女王として大国の運命を握ることになったエリサ。暗殺の陰謀に立ち向かい、有力貴族たちとわたり合い、一瞬たりとも気が抜けない毎日。そんなエリサを支えてくれるのは、近衛師団の司令官ヘクトールの存在だった。神に選ばれた者、十七歳の女王エリサの波乱の運命を描く好評シリーズ。