2014年7月14日発売
池袋チャイナタウンに吹き荒れる、ヘイトスピーチの風。本当の敵は、一体どこにいる?日本の今がここにある。3年半ぶりの、シリーズ第11弾。
「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」 風俗嬢の後をつける男、罪の快楽、苦しみを交換する人々、妖怪の村に迷い込んだ男、決断を迫られる軍人、彼女の死を忘れ(忘れに傍点)小説を書き上げた作家…… ベストセラー『掏摸(ルビ:スリ)』など世界中で翻訳。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル年間ベスト10小説に続き、米文学賞、デイビッド・グティス賞も受賞 いま世界が注目する作家が放つ13の「生」の物語!!
埼玉県越谷市某町ー絵に描いた様に平和な新興住宅地であるこの町の住民の多くは、ある人物を師と仰ぐ集団の「門下生たち」によって占められていた。彼らは師亡き後も、その清廉な教えに恥じぬよう行動し、なんとか結束を保っていた。目覚めぬ遺児「御子」をめぐり牽制し合いながら…。しかし、かつて御子の生命を救った異端の研究者の死で、門下生たちの均衡は破れた。「私たちこそが、御子をいただくのにふさわしい」三つに分裂した各派閥によって始まった、熾烈な後継者争い。立て続けに起こる、凄惨な第二の死、第三の死。驚愕の真犯人が、人の命と引き換えてまで守ろうとしたものとは!?奇抜な状況設定における人間心理を、ひたすらロジカルに思考するミステリー界のトリックスター、石持浅海が放つ渾身の書下ろし長編。
江戸時代において漢詩は詩歌の王道をなす。それはまた知識層が身につけるべき素養のひとつでもあった。幕末維新という激動期、志士たちは数多くの優れた漢詩を遺している。勝海舟、西郷隆盛、吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作など、時代を代表する人々が人生の画期において詠じた詩は、その心情の紛うかたなき結晶である。時に烈々、時に艶美。それら詩の味わいとともに描かれる二十の肖像。