2014年9月19日発売
大学のサークルで同じ人を好きになった愛と那美香。後輩を想う長谷岡と彼に片思いをする小埜。ろくでもない男との運命を占うあさひと妹のゆき。魔法はいつか解ける。大人になってゆくわたしたち、それぞれの恋模様。
楚、そして呉王僚を討ち、諸樊との戦いに勝利した公子光は、呉王闔廬に、その子の終〓(るい)は太子となった。子胥は闔廬の使者として、呉の外交を任されていた季子のもとへ向かう。子胥は季子の助言通り、斉の首都臨〓(し)で宰相の晏嬰たちと面会。呉が斉に敵対するつもりはないことを伝えた。来たるべき戦いに向け、介根にいる孫武らを迎えにいった子胥は、孫武の兵法書を闔廬に献呈した。その後、才知を試された孫武は媚びることなく王命を厳然と遂行し、闔廬の信を得て臣下となった。孫武の策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、楚との本格的な戦いが眼前に迫る。
東京下町の個人病院に勤務することになった円乗寺優先生。堅苦しい大学病院から逃れてやって来た。専門は外科だが、内科、婦人科、何でも診ることとなる。酒好きな先生は、ある晩近くの寿司屋に入ったが、店の青年が自分の患者であることに気づく。彼は他人には言えない病気の持ち主だったー人情味あふれる仁術先生の診察と活躍を描く異色のメディカル・ユーモア小説。未刊行作品、ここに初登場!
オヤジ臭く、自他ともに認める嘘吐きの内本健吾。モテたいのに女子ウケしないことばがりをし続け、味のある面白さを持つお坊ちゃまの矢島誉。人心を掌握する術と場を読む能力に長け、偏った知識を持つ京野達彦。「馬鹿なことはオモシロい」という信条を持つ小学生男子三人組が繰り広げる、甘酸っぱい初恋も美しい思い出も世間を揺るがす大事件もないが、馬鹿さと笑いに満ちた日々を描く7編。
あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だったー。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。
1792年。憲法が制定され立法議会も開かれたフランスだったが、さらなる凶作と物価の高騰に民衆はいまだ飢え、苦しんでいた。そんな中、失墜した王家の威信を取り戻したいルイ16世は、国民の不満を国外に向けるため他国との戦争を望むジロンド派の面々を起用し、開戦内閣を組織する。反戦を主張するロベスピエールの抵抗もむなしく、フランスはついに戦争を開始しー。歴史巨編、新章突入!
宅配便で届いたのは、誘拐された息子の指だった。母親は身代金の受け渡しに奔走するが、卑猥な写真を盗撮された女性教師、両親を監禁されたサラリーマン、小悪党の刑事らを巻き込み、事件は錯綜を極めていく。誘拐犯に踊らされる者たちの暴走は止まらないー。子供の命は、そして、全てを裏で操るコンダクターとは何者なのか。疾走感あふれる展開で衝撃の結末まで駆け抜ける、社会派サスペンス。
顕如率いる本願寺が蜂起、石山合戦が始まると、朝倉・浅井連合軍が再び信長の背後を脅かす。旧勢力の牙城となっていた比叡山焼討ちを断行するが、将軍足利義昭は各地の大名に密書を送り、信長包囲網を画策する。そんな中、甲斐の武田信玄が大軍を率いて西上を開始、徳川家康との同盟軍は三方ヶ原で大敗を喫する。天下布武への道を苛烈に突き進む信長を、重層的に描いた歴史小説の傑作、第3巻。
つきあっていた男性からの婚約指輪、一目惚れした女がくれた一冊の本、憧れていた先生にもらった赤いボールペン。大切な人に贈られた物を巡るかけがえのない思い出を綴った、いとしくて泣きたくなるほど切ない七つの恋の物語。
ひと目見た瞬間、強烈な電流が背中を駆け抜けた。僕は、奇妙な飛行物体から突如現れた少女に恋をしていたー。夏休み。大学の“超常現象研究会”に所属する星原俊平は、動物の不審死の噂を聞き、先輩3人と故郷の村を訪れた。ところが、調査開始早々に人間の手首が発見されて…。やがて、俊平は少女の“正体”と、村で起きた事件の真相に辿り着く。儚いひと夏の出来事を綴るSF青春ミステリー。
芳しいスパイスの香りに包まれて育ったハッサン・ハジ。突然の悲劇でインドを逃れ、たどり着いたフランスのリュミエールで、豪傑な父のひと声のもと、インド料理店のコックとなる。しかし、通りの向こうにはマダム・マロリーがオーナーシェフを務めるフレンチの名店があった。両店のバトルがエスカレートするなか、マダム・マロリーに料理の才能を見出されたハッサンは、ある大きな決意を抱くのだった…。
1960年代後半、アメリカ。デトロイトに住んでいたアーサーは治安の悪化に不安を覚え、妻子を連れて故郷のカンザス州へ帰る。そこは25年前、姉のイヴが不審な死をとげて以来、足が遠ざかっていた場所だった。一家が戻るやいなや、亡くなった当時のイヴに似た少女が失踪する事件が起こる。犯人は同一人物なのか?小さな町の緊密な人間関係が絡み合う中に謎は隠されていた…。エドガー賞処女長編賞受賞ミステリ。
ドイツのハンブルクにやって来た痩せすぎの若者イッサ。体じゅうに傷跡があり、密入国していた彼を救おうと、弁護士のアナベルは銀行経営者ブルーに接触する。だが、イッサは過激派として国際指名手配されていたのだ。練達のスパイ、バッハマンの率いるチームが、イッサに迫る。そして、命懸けでイッサを救おうとするアナベルと、彼女に魅かれるブルーは、暗闘に巻きこまれていく…スパイ小説の巨匠が描く苛烈な諜報戦。