2015年1月15日発売
顔は不細工だが心は錦の腕利き同心・釜口右衛門は、悪徳与力から「真剣試合の出場者として凄腕の人斬りを捜せ」との無理難題を押しつけられる。暗黒街のつてを頼って、彼は美貌の剣鬼・朽縄真蔵と出会う!
江戸城大奥で火災が発生した後、旗本が行方不明となった。御台所の側に仕える大奥女中のお静は、高位の人物からの極秘の依頼で、行方不明の旗本の捜索を開始するが…。訳あって江戸城の大奥で働くお静が、権力に囚われし男女を凛として裁く!
二八歳の田中真紀子は、友人のイチローから誘われ、彼の家に間借りすることになった。その家は建て増しに建て増しをを重ねた奇妙な家で、真紀子はガレージの上にある赤い小屋に住むことに。イチロー父は全裸で現れるし、女優の母、無職の姉、モテ系女子の妹も一癖ある人ばかり。そんなある日、イチローは、自分はおなじ一日が二回繰り返されることがあると真紀子に打ち明けるのだった。 二八歳の「わたし」(田中真紀子)は、友人のイチローから誘われ、彼の家に間借りすることにした。その家は変な家で、コンクリート三階建て(本館)、黄色い木造二階建て、鉄骨ガレージの三棟が無理やり接合され、私の部屋はガレージのうえにある赤い小屋。イチロー父の将春は全裸で現れるし、母で女優のみすず、姉の文、妹の絵波と、家族も一癖ある人ばかり。そんなある日、イチローは、自分はおなじ一日が2回繰り返されることがたまにある、と私に打ち明けるのであった。
新進IT企業「クレイズ・ドットコム」の採用プロジェクト・リーダーに抜擢された志帆子。「ブラック企業」の汚名を返上して学生を確保すべく、情報戦と心理戦を駆使して成果を上げていく彼女だったが…。「就活」の裏側を超リアルに描く注目作!
「男はつらいよ」シリーズの子役だった「私」が27年の歳月を経て、当時の話を伊豆の温泉宿で「美保純」とする。「文章の緩急を使い分ける力量」と「非常に面白い戦略」─中条省平氏、「ご褒美のような幸福感のラスト」─長野まゆみ氏「大衆的な紋切り型を文学的技法として使った懐かしい雰囲気」─沼野光義氏、など絶賛され山田洋次監督も共感した、独創的"寅さん小説"。表題作の他、「かまち」「泥棒」の3作を収録。 「男はつらいよ」シリーズの子役、秀吉だった「私」は寅次郎と一緒に行方不明になった母を探す旅に出た……27年の歳月を経て、そんな昔話を伊豆の温泉宿で「美保純」と懐かしくする「私」。 映画の登場人物とそれを演じる俳優の人生が渾然一体となって語られ、それぞれの時間が複雑に流れては戻る。 「文章の緩急を使い分ける力量」と「非常に面白い戦略」─中条省平氏、「ご褒美のような幸福感のラスト」─長野まゆみ氏 「大衆的な紋切り型を文学的技法として使った懐かしい雰囲気」─沼野光義氏、など絶賛され山田洋次監督も共感した、斬新で独創的な"寅さん小説"、表題作の「愛と人生」の他、大澤信亮氏に「あまりにも素晴らしい小説」と評された短編「かまち」とその続編「泥棒」の3作を収録。 愛と人生 かまち 泥棒
江戸に怪蛇が出没。老人・聊異斎は来る大きな変異の兆しだと仄めかす。男を殺して逃げた女が身を隠した奥山の見世物小屋では、大蛇を抱えた妖艶な巫女の舞が催されていた。女の不幸な境遇を透視できるという巫女・斎姫女。複雑怪奇な「蛇」の謎が次第に露わになる。半四郎の妖刀が火を噴く!
闇組織、俺が切り裂く。詐欺組織深くの「非合法」潜入。危険な修羅場を潜る「魂」の名演技。最新、矢月秀作!逮捕された振り込め詐欺実行犯の背後に権力の影。ホームレス救済の名の下に闇に取り込まれていく人々。通常捜査不可能な事件に「非合法」潜入捜査専門捜査官たちが召集された。その一人、田宮一郎はホームレスとして上野公園に現れ振り込め詐欺組織に潜入する。闇を演じ、悪を暴く。ハードアクション長編小説。 『もぐら』『D-1』のアクション小説の新星にして鬼才、矢月秀作、講談社文庫初見参! 警視庁特別潜入捜査班「UST」とは? さえない演劇青年・田宮一郎の潜入捜査官としての「舞台」が始まる。凶悪詐欺集団と対峙するため、彼は上野公園のホームレスとなり、罠に「はまりにいく」。いかなる「劇」が演じられるのか? 闇組織、俺が切り裂く。 詐欺組織深くの「非合法」潜入。危険な修羅場を潜る「魂」の名演技。最新、矢月秀作! 演じて暴く。影の正義。闇の中へ。深く。 逮捕された振り込め詐欺実行犯の背後に権力の影。ホームレス救済の名の下に闇に取り込まれていく人々。通常捜査不可能な事件に「非合法」潜入捜査専門捜査官たちが召集された。その一人、田宮一郎はホームレスとして上野公園に現れ振り込め詐欺組織に潜入する。闇を演じ、悪を暴く。ハードアクション長編小説。 プロローグ 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 エピローグ
偽書「蘇我大臣馬子傳暦」を、なぜ幾つもの集団が命懸けで奪い合うのか? 「乙巳の変(大化の改新)」は、中大兄皇子や中臣鎌足が起こした天皇へのクーデターだとする「玉兎」の真の狙いは? 聖徳太子は、藤原氏が捏造した架空の人物なのか? すべての謎を解くべく、甲斐と貴湖は決戦の地・京都へ。禁断の完結編!
密室で墜落死した男の口から、「深山木薬店」の名刺が見つかった。店長の秋にかけられた殺人容疑を晴らすため、座木は妖世界で囁かれるある噂の調査を開始。リベザルは事件現場へ向かい、奇妙な言葉を呟く幼女と出会う。しかし、なかなか真相に近づけぬ二人を嘲笑うかのように、第二、第三の事件が勃発し…。
エトロフの地に江戸幕府の役人として初めてー大日本惠登呂府ーの木標を立てた近藤重蔵は、勘定職への昇進を果たし、再び蝦夷地巡見の命を受ける。渡海の地獄の瀬戸で高田屋嘉兵衛の助力を得るも、遙か北の海では薩摩藩が暗躍し、宿命の敵である女賊りよが待ち受けていた。命をかけた極限の闘いが幕を開ける。
武士が武士として生きた最後の時代、安土桃山。最愛の妻と息子を守る為、居城を捨てる生き恥をさらしながらも、天草に落ち延びた肥後の豪族・木山弾正。彼はそこで、武勲を打ち立てる事のみを生きがいとする加藤清正と出会う。妻子の為には命を惜しまぬ勇者と、血の臭い漂わす闘将。槍対槍の一騎打ちが始まる。
公家の姫とのあいだに生まれ、人知れず伊豆下田の山里で剣の師無心斎に育てられた宗元寺隼人。齢三十四。京の尼庵で父の菩提を弔う母に会うも、江戸に向かう鈴鹿峠で手裏剣の山伏に襲われる。異変を報せた弥生も手裏剣で応戦!さらに隼人は、林で刺客たちに追われた武家の娘を救うのだが!?
天平五年の遣唐使は苛酷な運命を辿った。朝貢国中最下位扱いされながらも、多くの人士や書物を満載し帰国の途についた四隻の船団。だが嵐に遭い、判官の平群広成率いる第三船は遙か南方の崑崙国へ漂着する。風土病と海賊の襲撃で、百人を越える乗員はほぼ全滅。軟禁されていた広成ら四人だけがふたたび長安へ向かう惨状ぶり。さらには新羅との関係悪化で、北方の渤海国経由での帰国に賭けることに。天平の「外交官」の見たものは? 第一部 好去好来 第二部 桃の種 第三部 蘇州から蘇州へ 第四部 御蓋山の霧
2011年に随一のミステリの名手らが選び抜いた読みごたえ充分の作品10作を収録。多種多様な世界をまとめて堪能できるお得な逸品
関ヶ原の合戦から30年が経ち、戦の記憶も薄れかけた泰平の江戸。さる人物から、天下分け目の合戦にそれぞれの立場で関わった生存者たちと会い、「ありし日の石田三成」の聞き書きを作成せよ、との密命を受けた町人がいた。全国に散らばる生存者たちへの面会に奔走する町人。すでに年老いた者多き人々が語る、三成の素顔とは?そして密命の行きつく先はー。「敗軍の将」を語る人々は、何を想う?
転校を控えた高校2年の夏休み、始発電車に乗って学校に向かった少年は、駅のホームで同じ学校の制服を着た少女と出会った。あんな子、乗ってたか?そもそも、この駅で降りたのは自分ひとりだけだったはずだー。(「始発電車の彼女」)田舎町の小さな駅のホームにあらわれる制服姿の少女。見える人にしか見えない彼女が、出会った本人も忘れたい、心の奥に隠した本当の声を聞く。そのとき…。あり得たかもしれない自分。二度と帰れないあの日。驚きと感動のラストに、青春の残酷さと美しさを知る。