2015年1月9日発売
大学教授の夫が大学教授の妻を殺害?殺されたとされる史学教授のサンドリーヌ、彼女はその誠実さで誰からも慕われていた。一方、夫の英米文学教授サミュエルは、自身の知識をひけらかし周囲をいつもみくだしていた。彼は無実を訴え、証拠も状況証拠にすぎなかった。しかし町の人々の何気ない証言が、彼を不利な状況へと追い込んでゆく。やがて、公判で明らかになるサンドリーヌの「遺書」。書かれていたのはあまりに不可解な文章で…妻と夫の間に横たわる深く不可避な溝を、ミステリアスに描き出したサスペンス。
文学部の女子大生のアナスタシア・スティールは、若き実業家クリスチャン・グレイをインタビューすることになった。恋の経験のない世間知らずなアナは、ハンサムで才気あふれるグレイに圧倒され、同時に、強く惹きつけられる。グレイもアナに好意を持っている様子で、ふたりは急激に近づいていく。しかし、彼にはある「ルール」があった…。世界的ベストセラー三部作、第一弾。
グレイの豪邸を初めて訪れたアナに差し出された、二通の契約書。それには秘密保持義務と、彼とつきあう女性が守るべきさまざまなルールがそれぞれ定められていた。食事、服装、エクササイズの方法から、信じられないようなセックスの詳細まで。普通の恋人同士になることを夢見ていたアナは大きなショックを受け、苦悩する。それでも彼女はグレイを拒むことはできなくて…。
グローバル企業の経営者として成功して巨万の富を築き、愛する家族にかこまれたグレイ。だが、その灰色の瞳の奥には、過去に苛まれ、周りを支配せずにはいられない傷ついた男がいた。グレイとの大胆で情熱的な関係に乗りだしたアナは、その隠された彼の苦痛と対峙し、さらに自分自身の暗い欲求とも向き合うことになるが…。大型映画化の原作、文庫化。
診療所の留守電に「殺される」という女性からの伝言。不吉な言葉を残し行方をくらました女性を捜してー友人の医師から頼みを受けた私立探偵ヴィクは、消えた女性ジュディの複雑な家庭事情を知る。彼女は家出後ろくでもない男と出逢い、薬に溺れた。ジュディにも希望の星があるはずだった。最先端企業で働く息子のマーティンだ。だが、彼も姿を消したことがわかり…家族関係の中に隠された闇にヴィクが鋭く切り込む!
名探偵エルキュール・ポアロは友人であるミステリ作家のオリヴァ夫人から、田舎の屋敷グリーンショアに呼び出された。祭りの余興である犯人探しゲームで、何か不穏な事態が起こりつつあるようだ。なんとか事件が起きるのを防いでほしいー原稿が完成しながらもある事情から発表されず、近年になって発見された幻の中篇がついに登場!
アンブラッセという言葉を教えてくれたのは、相沢さんだった。フランス語で「抱擁する」という、その意味もー(『めぐりあいて』)。身体と心が記憶する、快哉。いまなお疼く思いに身を焦がしながら男は、そして女は生きる。大人の渇きを潤す、傑作短篇集。
転地療養の船旅に出た中年の作家ピンフォールドは、乗船早々、どこからともなく聞こえてくる騒々しい音楽や怪しげな会話に悩まされる。声はやがて作家の悪口となり、さらには襲撃計画まで…。姿なき敵に翻弄される小説家の悪戦苦闘を皮肉なユーモアをまじえて描いたウォー晩年の傑作を、吉田健一の名訳で贈る。
念願叶って、ついにアガサはハンサムな隣人ジェームズとの結婚にこぎつけた。ところが式の最中に「中止しろ!」と叫ぶ声が。なんと、酒浸りでとっくの昔に死んだ(とアガサは自分に言い聞かせていた)はずの夫ジミー・レーズンが現われたのだ!赤っ恥をかかされた新郎ジェームズはアガサに激怒し、結婚式は即刻中止。アガサにとって悪夢のような一日が明けた翌朝、驚くべきことにジミーが村のはずれで遺体となって発見され、真っ先にアガサとジェームズが警察から疑われた。二人は嫌疑を晴らすため、やむなく協力して犯人捜しをすることに。皮肉にも「夫婦」と偽って潜入捜査しなければならない状況にもめげず、アガサたちはジミーがかつて出入りしていたという、彼には不釣り合いなほど高級な健康施設で手がかりをつかみ…!?