2015年10月24日発売
夏の猛暑日、京都市左京区で女性の扼殺体が発見された。被害者は藍染作家・由良美津子、38歳。締められた美津子の首筋には、藍色の染料が残っていた。時を同じくして、別の殺人事件で逃走していた指名手配犯が北九州市で逮捕されたという一報が入る。犯人の佐伯は京都に住んでいた20年前に婦女暴行を重ね、美津子もその被害者のひとりだった。京都府警刑事部・捜査一課のキャリア刑事・大橋砂生が捜査を進めると、美津子の周辺で目撃されていた怪しい男の存在が浮上するーー。
12歳の走哉は、運動神経抜群の妹と短距離走選手だった父に挟まれるように、毎朝ランニングの練習をしていた。「自分には走る才能がない」周囲から期待されていないこともわかっていたが、走哉は走ることが好きだった。地区で駅伝大会が行われることになり、クラスから参加するヒロシたちのチームに勇気を出して声をかけるが、「補欠なら…」と返されてしまう。悔しさを必死に呑み込み、自主トレを続ける走哉。そんな彼に対しチームのみんなも、一緒にたすき渡しの練習に行うようになる。そして、大会当日。アンカーのヒロシにアクシデントが起きて……!? 才能は全ての人が授かるわけではない。でも、 「走りたい、ただそれだけ」あさのあつこ氏驚愕の、新人デビュー。12歳の少年が友情に支えられながら、駅伝ランナーになる夢をあきらめずに走り出すまでをみずみずしく描いた、心が奮う青春駅伝小説! 駅伝ランナー ・リレー ・駅伝大会 ・部活 小鳥の憧憬
旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。米の値段が下がる中、仕入れた米を売るために、角次郎は新米を江戸に運ぶ速さを競う新米番船に参加する。妻と心を重ね家族一丸で米屋を繁盛させていく物語。
大川で惨死体が上がった。吉宗配下の御庭番にして、採薬使の佐平次は探索を命じられる。その死体が握りしめていたガラス棒を手がかりにとして、事件を追うことに。一体何のために使うのか……。同じ頃、西国では蝗害が広がり、稲作に深刻な被害をもたらしていていた。採薬使仲間は原因究明のために江戸を発たせた佐平次だったが……。期待の作家が描く、新解釈時代ミステリ登場! 江戸四大飢饉の一つ、享保の大飢饉の謎に迫る!!