2015年10月27日発売
自分ではどうしようもないものに衝き動かされ、紆余曲折を繰り返してゆく…そう、ゲーテは「面白いこと」を追い続けることは幸福に決まっている、という晴れやかな直観の人です。その先の行く手には仄暗いものが待ち受けているのだとしても、失敗など気にせず、あるいは失敗さえ面白がりながら(!)走り続けてしまうゲーテの姿が本巻から浮かび上がれば、と願ってやみません。
早朝の東京を恐怖に陥れたテロのあと、解散に追い込まれたカルト教団「宇宙神瞠会」。その残党の中に革命を起こそうと地下活動を続ける強硬派「十字軍」がいた。海月警部&設楽刑事が行方を追うなか、準備がととのったある日、彼らは史上最悪の同時多発テロに向けて動き出す…。
寛政11(1799)年5月9日、若き産婆・藍場川織斗は長崎奉行の愛妾・川蝉の息子を難産の末、無事取りあげる。一方、オランダ商館に赴任した事務員ヤコブ・デズートは、商館長の懐刀として活躍しながら、淡い恋心を織斗に抱く。ペリー来航に先立つ1800年代前後の長崎出島を舞台に、オランダ商館長フォルステンボース、博識かつ公正なる医師マリヌス、新時代を夢見る通詞・緒川宇佐衛門、不知火山の比丘尼坊を支配する峡河藩主・榎本僧正のほか、杉田玄白、前野良沢など、虚実ないまぜののありうべき物語が華麗かつ自在に繰り広げられる。日本にも馴染みの深い著者による、ブッカー賞最終候補の最高傑作、ついに刊行!
邪教の寺に囚われた織斗は、猫の道から脱走を企て、ヤコブと緒川宇左衛門は、織斗の救出を計画し、イギリスの軍艦は、オランダ利権と銅の略奪を狙う。江戸時代の長崎・出島を舞台にしたベストセラー。
旅先のチェコで、ルミッキの目の前に腹違いの姉だという女性が現れた。彼女の名はゼレンカ。母親の死後、新しい“家族”に引き取られて暮らしているという。ルミッキがゼレンカの家に招待された翌日、彼女の“家族”の一人が事故で亡くなった。疑念を抱いたルミッキは、事故死した男と会っていたジャーナリストの青年を探し出して接触する。その夜、何者かに自らが監視され、身の危険が迫っていることに気づくのだった。ますますスリリングな「ルミッキ」シリーズ第二弾!