2015年11月26日発売
シャーロック・ホームズと彼の宿敵モリアーティが、ライヘンバッハの滝に姿を消した。事件を追って現場を訪れたのは、アメリカの探偵フレデリック・チェイスと、スコットランド・ヤードのアセルニー・ジョーンズ警部。二人は情報交換の末、モリアーティに接触しようとしていたアメリカ裏社会の首領、クラレンス・デヴァルーを捕らえるため、行動を共にすることとなる。ホームズの捜査方法を模倣するジョーンズ警部の活躍もあり、デヴァルーの正体へと迫っていく二人だったがーー。 『最後の事件』の前後には、何が起こっていたのか? 探偵と刑事の「タッグ」を通して描く、衝撃的クライム・ストーリー!
豊臣秀吉が朝鮮を攻めた文禄の役。後に萩焼の祖となる李勺光は、そのとき朝鮮で捕まり日本に連れてこられた陶工だった。その際、秀吉の命で毛利家がその身を預かることになる。茶器が戦国武将たちに珍重されていた当時、毛利家では彼の造る焼き物を国の特産品とすべく、勺光を捕虜としては別格の待遇で迎えようとした。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。志絵は毛利家・三美人の一人と言われ、夜伽も務めなければならないその任命に屈辱すら感じるが、武家の娘として従容と受け入れる。それから、志絵の煩悶がはじまる。毛利家中と勺光をつなぐ連絡係を務める青年武士・弘太郎に一目惚れしてしまったのだ。作品作りに打ち込む陶工と、若き家人との間で揺れ動く志絵の心。時代も大きく動き、関ヶ原の合戦で敗れた毛利家は、八ヵ国から二ヵ国に大幅減封され、勺光の窯場も萩の地へ移動を迫られるが……。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤により社宅住まいをしている妻・光稀。そして移住してきた陶芸家・すみれ。美しい海辺の町で、三人の女性が出会う。自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷を探すがー。