2015年12月16日発売
東日本大震災の爪痕が生々しく残る東北地方の小学校に、神戸から赴任した応援教師・小野寺徹平。かつて阪神・淡路大震災を経験した彼は、心に傷を負った子どもたち、父兄たちとの“本音の交流”を通して、被災地が抱える問題と向き合っていく。「ハゲタカ」シリーズの真山仁が挑んだ、渾身の震災文学。
物書きの「私」は、ひきこもりの弟、古道具屋の父とともに佐渡への旅に出る。目的は、祖父母の隣家に住む「おばちゃん」の骨を、郷里の墓に納骨すること。ところが、骨壷をユニクロの袋に入れて運ぶくらい儀礼に構わぬ一族のこと、旅は最初から迷走気味で…。ちょっとズレた家族をしみじみ描いた快作。
深夜、鉄骨を振るい人を襲う亡霊「鋼人七瀬」。それは単なる都市伝説か、本物の亡霊か?怪異たちに知恵を与える巫女となった美少女、岩永琴子が立ち向かう。人の想像力が生んだ恐るべき妖怪を退治するため琴子が仕掛けたのは、虚構をもって虚構を制する荒業。琴子の空前絶後な推理は果たして成功するか?
32歳、わくわく食品経理課勤務、独身。ごく普通のサラリーマン・修一が買った宝くじは、一等2億円の大当たり!急に現れた親戚、慈善団体に同級生。さらにネットに実名が流出。会社の電話が鳴りやまない!幸運が招いた大混乱、いったい誰を信じれば?ジャンボなドリーム、宝くじエンタテインメント!
アメリカ、ペルー、マレーシア、日本、香港、クロアチア…。世界のさまざまな場所から『存在しない小説』というウェブサイトに届いた小説は、それぞれ見知らぬ土地の風土が匂い立つような文体で、そこに生きる人々のドラマを鮮やかに描き出していく。「存在しない作家」たちによる、魅力あふれる世界文学。
長年連れ添った妻の誕生日の夜、平田周造は離婚届を突き付けられた。翌朝、犬の散歩に出ようとすれば次男は結婚したい相手がいると言い出し、家に戻れば長女が亭主と別れたいと泣いている。二世帯住宅でひらかれた家族会議は予想もしない展開に!?「男はつらいよ」から20年、山田洋次監督の待望作を小説化!
築四十年を超えた雑居ビルに探偵とも便利屋ともつかない事務所を構える枕木。依頼内容が「うまく言えない」と口ごもる客人と、その心を解すように言葉を継いでいく枕木の会話に、雷雨とともに戻ってきた郷子さんも加わって、時はゆるやかに流れる。別れた妻と息子の消息が知れない男の胸によぎる思いとは?