2015年2月13日発売
触れ合いたいけど触れられない、アンドロイドの少年と訳あり少女の邂逅(「未来編」)。文化祭の演劇を成功させるために奮闘する少年の恋の目覚め(「学園編」)。魔法を覚醒させてしまった少年が巻き込まれる、魔法者と人間の壮絶な戦い(「魔法都市編」)。バラバラになった3つの物語がすべて揃う時、大いなる物語が動き出すー。
父親の事故死により孤独な幼少時代を過ごしていた主人公・鈴木翔平。高校生になった彼は、病気の母に代わって家計を助けたいと思い、喫茶店でアルバイトを開始する。そこで、4歳年上の女性・香澄と出会い、付き合うことに。生まれて初めて幸福な時間を過ごす翔平だが、ある日、彼に耐えがたい出来事が!?
目覚めると、美少女だらけの学園だった。不安の時代を生きる僕たちが失ってしまった人生の指針ーそれが哲学。デカルト、ニーチェ、ハイデガー。西洋近代哲学者の化身たる美少女たちが教えてくれる世界の真実、人のありかた。「萌え×哲学」でクールジャパンの極北を彩る小説が、大幅改稿で文庫化。
繊細で美男な大学生、鮎太朗。女はみんな彼に片想い。でも結局はなぜだか彼がふられてしまう。刺されたり貢がされたり、その一方で、自分を慕い続ける可愛い同級生には心惹かれない。理不尽で不条理だけど、恋する男女はいつも真剣なのだ。芥川賞作家が恋愛の不思議を温かな眼差しで綴る傑作長編。
武蔵野の雑木林で殺人事件が発生。瀕死の被害者は「テン」と呟いて息を引き取った。意味不明の「テン」とは何を指すのか。デート中、事件に遭遇した田島は、新聞記者らしい関心から周辺を洗う。どうやら「テン」は天使のことらしいと気づくも、その先には予想もしない暗闇が広がっていた。第11回江戸川乱歩賞受賞作。
ひとりぼっちの少女とコンビを組み、失踪した三毛猫を探すことになった天才弁護士・百瀬太郎。忙しさのあまり婚約者の誕生日に気づかず、彼女はイケメン同窓生と急接近!さらに次郎と名乗る弟までが現れて…。やっかいでかけがえのない人たちのために悩み、奔走する百瀬。絶好調、癒されるミステリー!
大手銀行から出向し、三百億円もの累積赤字にまみれていた老舗の専門商社をたった二人で再建した敏腕社長、滝本。高卒という自身の学歴コンプレックスをばねに、未踏のビジネスを開拓し、出身銀行の頭取から依頼された汚れ仕事をも引き受け、日本経済界を伸し上がっていく。剥き出しの人間ドラマ、開幕!
訪れたバブル景気。高卒銀行マン滝本は出向先の商社を我が牙城とすべく地上げをてこに違法すれすれの手段で地位を固めていく。野望の果て、滝本がついに手を出した“禁断の錬金術”とは。地価も株価も天井知らずだったあの時代、成り上がり地に堕ちた男と女、生き残り逃げ遂せた者たち。渾身の傑作企業小説!
二五歳にもなって日雇い仕事する失い、「大きなことをするため」闇の掲示板で四人の仲間を募った仁は、軽井沢で起きた放火殺人の汚名を着せられてしまう。なぜおれを嵌めた?信じられるのは誰だ?手探りで真犯人を探す仁、闇世界の住人たち、追う刑事。物語は二転三転し、慟哭の真相へと向かっていく。
菓子メーカーの広報宣伝部に異動した山田助は、突然上司から「ゆるキャラ」に任命される。同僚の水嶋と新商品のプロモーションに乗り出すも、他部署から冷やかな視線が。売れ行きもぱっとしない。それでも懸命にフルスイングを続けるうちに、あるアイデアが浮かぶ!笑いの中に働くことのリアルが光る痛快作。
東本鉄に入社した若菜直は、東京駅へ配属された初日から乗客のトラブルに見舞われ、うろたえる。「お客様に駅で幸せな奇跡を起こしたい」。しかし直が抱いていた本当の夢は、かつて自分に手を差し伸べてくれたあの5人を探し出すことー。人を助け、人に助けられながら成長していく若手駅員たちを描いた感動作。
余命6ヵ月を宣告された放送作家の修治。死を前に思うのは最愛の家族のこと。みんなを笑顔にしたくて22年間バラエティ番組を作ってきた。妻と息子にも、ずっと笑顔でいてほしい。修治は人生最後の企画を考え抜き、決めた。妻に、最高の結婚相手を遺そう。笑い泣きが止まらない家族小説。
時計も漢字も読めず、支援学級に通うかっちゃんの毎日を一変させたのは、心と体の両方を、目いっぱい使って教えてくれる、熱血漢過ぎる先生だった。おかあちゃんにも怒られてばかり、みじめな毎日に負けそうになっていたボクに奇跡を起こした出会いと成長の物語。
悪は美味の周囲にはびこる。南町奉行所きっての腕利き同心・月浦波之進に特命が下った。「味見方」として食い物屋を探り、悪事を暴けというのだ。十手を忍ばせ隠密捜査を始めた波之進は、飯屋、料理人がらみの難事件に挑む。食文化が花開く江戸の町で、かつてない「食」の捕物帖が開幕する!
一月は固い大地にシャベルをへし折り、四月はやわらかい土中の芽吹きに心躍らせ、八月は旅先から隣人に水やりを依頼、十二月にはカタログを眺めながら三月を待ち望むー。腰を曲げ、足のやり場に困りながら、植物に人生を学び、日々奮闘する園芸家の喜怒哀楽を愛とユーモアたっぷりに綴る園芸エッセイの金字塔。
敗戦の年に生を享けたヒナ子は、複雑な家庭事情のなかで祖父母のもと、焼け跡に逞しく、土筆のように育ってゆく。炎々と天を焦がす製鉄の町・北九州八幡で繰り広げられる少女の物語。自伝的小説。