2015年2月25日発売
時田風音は新人小説家。猫と実家居候の中年男性だが、女性向け官能小説の賞を受賞、第二作を書くことに。だが担当編集の百山は大変厳しくダメ出しの嵐、ついにある日、業を煮やして訪ねてきた…。就きたかった仕事じゃない。悩んで迷って、でも前を向く!ダ・ヴィンチ文学賞&日本ラブストーリー大賞受賞作家が贈る、新人作家と編集者のドタバタ大バトル(&ラブ!?)エンタメ!
ペネロペ・クルス似と言われる美貌の女優、それが私だ。「あんた、顔が綺麗なだけなんだよ」。監督からの厳しいダメ出し。婚約者にそれを愚痴ると、同じ言葉で捨てられた。傷心のあまり泣くつもりで入った楽日座シネマ。人手不足に悩むその名画座でアルバイトすることになった溝口夏十は、持ち前の映画愛を炸裂させて集客大作戦を試みる。さまざまな映画蘊蓄&映画業界裏話満載。読めば、映画の観方がちょっと変わります!
若い頃に家を飛び出して裏社会に身を投じた飄六は、父の死をきっかけに実家に戻った。飄六の実家は札差・蓑島屋で、家業は飄六の実弟・伊兵衛が継いでいる。飄六は伊兵衛に請われて札差の店付き護衛・蔵闇師として働き始めた。ある日、伊兵衛の息子が誘拐され、伊兵衛は身代金を支払って息子を取り戻す。飄六は甥を誘拐した犯人を捕まえようと動きだすが…。変幻自在の得物“竜”を手に、飄六が江戸の闇を駆ける!
自然科学の世界に魅了され、将来を嘱望される、若き科学者ヴィクトル・フランケンシュタイン。創出と生命の原因を突き止めた彼は、生命を持たぬものに魂を吹き込むことに成功する。しかし、想像を絶する怪物の姿を目にした途端、恐怖におののきその場から逃げ出してしまう。絶望の淵に突き落とされ、故郷へ戻ったヴィクトルを待ち受けていたものは、自分が創造した怪物の復讐だった。産業革命最盛期に執筆された傑作が甦る。
大名の側室となり、国許から江戸へ出た、庄屋の娘・もみじ。藩主の寵愛を受け幸せに暮らしていたが、男児を産んで以来、正室の態度が一変する。その後、国許の村は怪しい気配に包まれた。化け物退治を得意とする京嵐寺平太郎は、藩主からの懇願を受け、妖刀茶丸を携えて、三つ目入道、白狐のおきんら妖怪仲間と村に向かう。そこで平太郎は哀しい事実を知ることとなるー。切なさが胸に迫る、書き下ろしシリーズ待望の第5弾。
自治体アシスタントとしての勤務もあとわずか。宵原秀也は朧月市に留まるか、それとも希望していた新たな土地に赴くか迷っていた。そんな中、“揺炎魔女計画”と、市政の掌握を狙う朽方が企む、恐ろしい計画が実行されようとしていた。次々と封印を解かれる凶悪妖怪たち。秀也は職員の誇りを胸に、最後の現場に向かうが…!?妖怪課の存亡、ゆいとの恋の行方、そして朧月市の運命は?お仕事妖怪エンタ、感動の最終業務!
北海道・旭川の冬。僕・正太郎は、櫻子さんと親しい薔子さんに頼まれて、旭岳にある別荘に行くことに。別荘の持ち主の遺品整理のためだ。驚いたことに、骨と謎にしか興味のないはずの櫻子さんも一緒に。さんざん雪山で遊んで別荘に戻ると、暴風雪のせいで停電がおきてしまう。しかも暖炉の中から、熊の手の骨に紛れて、人間の指の骨が見つかって…(「凍える嘘」)。美しく甘い冬の謎たちを閉じ込めた、大人気キャラミステリ!
県警捜査一課から所轄への異動が決まった澤村。その赴任署にストーカー被害を訴えていた竹山理彩が、出身地の新潟で無惨な焼死体で発見される。同時に理彩につきまとっていた男も姿をくらましていた。事件を未然に防げなかった警察の失態と、それを嘲笑うかのような大担な凶行。突き動かされるように新潟へ向かう澤村だったが、今度は理彩の同級生が犠牲になってしまう。冷酷な犯人を追い、澤村の執念の追跡が始まるー。
北アルプス、漆沢渓谷。獣や鳥の“瞑りの楽園”に突如起こった地滑り。過去に子供を失った梶間夫妻、毎年この山を訪れる磯崎老人、山小屋の経営者久作らは、山のいつもとは違う不吉な気配に戦いた。蝙蝠や蜻蛉の大量発生、幽霊の目撃談、写真に写り込んだ見知らぬ男。次々と起こる不可解な出来事、ついに死者が。パニックに襲われた登山客を襲うさらなる怪異。そして、山に秘められた陰惨な過去が次第に露わになる…。
街の片隅に佇むペットショップ“夢幻楼”。謎めいた店主・雅が営むこの店では、どこか不思議でなぜか懐かしい、自分だけのペットと出会えるという。人生のどこかに置いてきてしまった大切な想いや、封じ込めたはずの悲しい記憶ー“夢幻楼”で出会ったペットと過ごすうちに、人々は忘れていた過去を少しずつ思い出していき、やがて…。あたたかなペットのぬくもりが過去と向き合う勇気をくれる、やさしい癒やしの物語。
将軍綱吉の跡継ぎを巡り、女たちの思惑が渦巻く大奥。警護の御広敷伊賀者が負傷した事件に、礼儀指南役の山科の配下が関わっているとの噂が流れた。将軍の命により、表御番医師から御広敷に職を移した矢切良衛は、真相究明を託され、将軍の側室である伝の方と接触することに。だが、その矢先、良衛に対するいくつもの魔手が忍び寄ろうとしていたー。良衛は度重なる窮地を乗り切れるのか。書き下ろし時代小説シリーズ第5弾!
夫の不始末から同僚に抱かれた人妻。2人の行為はエスカレートする(「Mふたり」)。困窮から身を売る決心をした武士の妻。不貞を働くことはできないので…(「菊座の貞節」)。女子更衣室を物色する課長を見付けた女子社員。お仕置きとして課長に対し…(「ぼくの楽園」)。デブでブスな最低の娼婦と彼女を抱く男の哀歌(「B専エレジー」)。あなたの好みに応えるHな作品、ここにあります。人気官能作家7人が競演する傑作選第1弾!
謎だらけの死神・宇城霊一郎の眷属になった高校生の七名子。死神の手伝いは不本意だが、隙をついて魂狩りを阻止しようと心に決め、うしろと行動を共にする日々だ。他の死神チームとも知り合い、うしろたちの仕事のしくみを知るうちに、七名子は自分の住む「まほろば市」に怪異事件が集中して起きていることに気づく。新世代死神ストーリー、風雲急を告げる第2巻!!
東京タワーが爆破された。現場に居合わせた天羽眞理子は、スクープ写真の撮影に成功する。そこから時を遡ること20年、宮崎の病院に全身を切り刻まれた赤子が捨てられた。“賢慈”と名付けられた彼は長じてNPO法人を立ち上げ、文字どおり賢く慈悲深い若き代表として、一躍時代の寵児となる。しかしそれは世間を欺くための偽りの姿で…。眞理子の写真は“悪魔”を止められるのか?息もつかせぬクライム・サスペンス誕生!!第1回ゴールデン・エレファント賞大賞受賞作。
高校3年生の藤代樹は「掃除」の全国大会3位の実力者。掃除とは、「長物」を扱って「塵芥」を操り、芸術点と技術点を競う日本古来のスポーツ。樹は掃除部主将に就任するが、校長の差し金で部費は半減、信頼で繋がれた仲間と顧問も行方不明に。掃除の国技化を巡る政治闘争にも巻き込まれ、波乱の新学期が幕を開けるがー。奇想青春エンタテインメント小説第2弾!!
「掃除」は、「長物」を手にフィールドを舞い、「塵芥」を回収する競技。高校3年生の藤代樹は、掃除のパートナー「対」の偲とともに、高校最後の大会に向けて修練を積む。しかし、掃除の奥義に近づいた樹を待っていたのは、国家権力をめぐる騒乱だった。樹は掃除を極め、争いに終止符を打てるのかー。奇想世界を舞台に繰り広げられる、「王道」青春小説第3弾!!
離婚して実家に戻り、雑貨を作りながら静かな生活をおくる果那。夫と別れるきっかけとなったある出来事のせいで、自分の家では眠れないのに、雑貨の卸し先である「梅屋」の奥の小部屋では熟睡できる。梅屋のみなみちゃん、どこか浮世離れした両親や親戚、ずっと昔、私を誘拐した「天使のおじさん」-。個性豊かな人々の心に触れ、自分らしい人生を取り戻す。生きていくことの愛おしさが胸に迫る、やわらかな再生の物語。
天保九年師走、大火に見舞われた佃島へ向かう渡し船に若侍立花左京介の姿があった。名主の娘・志津を助け、漁師になりたいと宣い、何を言われても「左様か」と受け流すこの若侍に島の面々がつけた綽名は左様介。佃島に災厄あるとき、必ず守護武者があらわれるとの言い伝えは本当なのか?公儀目付が暗躍、異国船の脅威にもさらされる佃島をとりまく謎と謀略と、あたたかな人情。傑作時代小説新シリーズ、スタート!!
「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。被害者は「日本のキスミーに行く」と言い残して数日前に来日したという。日米合同捜査が展開され、棟居刑事は奥深い事件の謎を追って被害者の過去を遡るが、やがて事件は自らの過去の因縁をも手繰り寄せてくるー。人間の“業”を圧倒的なスケールで描ききった、巨匠の代表作にして不朽の名作。