2015年3月25日発売
吉原で開業する医師・宇田川光蘭。腕に遠島の刺青があり、専ら遊女の医者として生活する変わり者だ。吉原界隈で起こる事件の探索を手伝い、時には裏で奉行所に代わって悪を『捌く』。忍者だった父の死の謎を解き明かし、ひそかに想いを寄せ続けている加賀藩の姫に一目会うため、光蘭は忍者修行を再開する。時代が幕末へと動き出す中で、吉原のはぐれ医者が“光”を求めて闇を斬り裂く。気鋭の著者が放つ、渾身シリーズ第2弾!
旗本の次男坊・仁之助は、とある不祥事のせいでお役を解かれ、さらには婚家を追い出されてしまう。流れ流れて仁之助、辿り着いたは品川宿の、“悪人町”で“奇策屋”の看板を掲げる“男名前の美女”宗次郎と出会い、怪しげな仕事を手伝うはめになるが…!?素浪人・仁之助と、悪い奴らに“奇策”を売って暮らす宗次郎との、奇妙奇天烈な生活が始まった!悪党は怒り小悪党は笑う、人情味溢れる時代小説登場!!
引退後、サセックス・ダウンズで養蜂を営むホームズは、養蜂場の近くで、息子のような存在である助手の少年が死亡しているのを見つけるー。ベイカー街時代の手記、日本での過去、イギリスでの現在…3つの事件から浮かび上がるホームズの知られざる過去と苦悩とは?晩年のシャーロック・ホームズを3つの事件からノスタルジックに描き出す傑作!!
心の傷を無意識に封印して生きてきた、美貌の大学院生・魚住真澄。そんな魚住を最も近くで見てきたが、決して特別扱いはしなかった久留米。だがある事件をきっかけに、ふたりの距離と関係は大きく変わろうとしていた。唐突な久留米からのキス以来、やたら過敏になった自分をもてあます魚住。勢いでキスしたはいいが、そこから先を悩みまくる久留米。じれったい恋の行方は…?彼らに幸あれと願わずにいられない第四巻。
熊本・天草において、真夏日に大雪が観測され、天空に忽然と巨大な十字架が浮かび上がった。時期を同じくして近隣の海で遭難した海洋冒険家は、こう語ったというー「美しい黒髪の天使に救われた」。平賀とロベルトは奇跡調査を開始するが、隠れキリシタンの信仰が色濃く残る天草の地には、さらに謎めいた怪異と暗号が伝えられていた。「さんしゃる二、こんたろす五」の文が示す天草四郎伝説の真実とは!?大人気シリーズ第9弾。
浅見光彦は「旅と歴史」の依頼で、長崎県五島列島へ教会堂の取材に行くことになった。飛行機嫌いの浅見がフェリーで九州へ向かっていると、船中で元刑事の後口と出会い意気投合する。彼は浅見を案内しながら、軍艦島で起きた未解決の連続変死事件について語る。だが、後口は娘が住むという長野県へと向かう途中で、静岡県御前崎の海岸で遺体となって発見された。現地で浅見は、後口と意外な人物との接点に気づいたのだがー。
炭鉱の街として一瞬の栄華をきわめた軍艦島。島で人が亡くなると、隣にある無人島、中ノ島で火葬されたという。軍艦島に魅せられていた元刑事の後口は、浅見に中ノ島に次々に流れ着く不思議な遺体のことを語り、そして亡くなった。後口の足跡を辿る浅見は、島で不審死した神主が「大切なもの」を娘に託したと知る。島に関わる者たちが、三十年間口をつぐんできた秘密。名探偵・浅見光彦が対峙する、最大の「巨悪」の正体とはー。
吉原の代筆人として遊女のために恋文を綴る雪乃は、角町の貞女という遊女から、十両もの大金をある所に送ってほしいと頼まれる。お金にかかわることを家人に禁じられていた雪乃だったが、貞女の涙に心を動かされ、引き受けることに。だが、二日後貞女が足抜けの末、何者かに殺されたとの知らせがー。一方、太神楽の舞姫を表の貌とする、くノ一の丸山は、貞女の死の背後にある陰謀を探ろうとしていた…。書き下ろし長篇。
若き編集者佐々波は、時代遅れになった文学賞の運営を担当していた。胡散臭い上司、口うるさい後輩、再デビューを目論む作家の思惑が絡み合い、賞の選考は進む。そんな中、佐々波は優秀な校正者だった最愛の恋人を突然失う。彼女はなぜ死んだのか?残された疑問に、幽霊となった恋人は答えない。だが事故に遭い眠り続けていた“天才”が口を開く時、すべてのピースが繋がり始めてー小説への、無音の狂気と愛情の物語。
負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームが行われている地下賭博場のルールは、持ち金がなくなったら自分の臓器を賭け金代わりにするというもの。男はすでに賭け金だけでなく臓器を4つもとられ、監禁状態に置かれていた。金と臓器を取り戻すため賭場に乗り込んだ古賀だったが、そこには大きな落とし穴が…。日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた著者が描くノンストップ・ギャンブル小説!
「結婚指輪は経費にならないのか?」ある女優と婚約をした青年実業家の質問に、東京芸能会計事務所の雑用係・竜ヶ水隼人は疑惑を深めたー所長の元アイドル税理士・天王洲あいるの命令で、後輩・有明青海と実業家の正体を探る調査をしていたのだ。華やかな婚約に隠された、予想外の真実とは?競馬好き俳優の秘密の出店、消費税を利用したアイドルの企み…税金の仕組みが事件解決への鍵!?超お役立ち、お仕事ミステリ!
昭和56年初夏。両国の鮨店「つかさ鮨」の敷居をまたいだ小柄な少年がいた。抜群の「握り」の才を持つ彼の名は、徳武光一郎。その愛嬌で人気者となった彼には、稀代の策略家という顔が。鮨店の乗っ取りを成功させ、黒い手段を駆使し、外食チェーンを次々手中に収める。兄弟子の金森は、その熱に惹かれ、彼に全てを賭けることを決意する。食品業界の盲点を突き成り上がった男が、全てを捨て最後に欲したものとは。異色の食小説誕生。
若手刑事の無藤太郎は、伝説の探偵刑事、南塚と出会って以来、不可思議な事件と縁が深い。南塚の盟友で名家の当主・北小路とも協力し、事件を解決してきたが、彼のもとに届いた一通の手紙が、新たな事件の扉を開く。それはなんと、自分は幽霊だと名乗る男からの依頼。道路のカーブで事故を起こす赤い幽霊の話を聞き、半信半疑ながらも調査を始めた無藤と北小路だが…。オカルトと本格ミステリの理想的融合!仰天の結末を御覧あれ!
廃屋で見つかった5人の女性の死体。そのどれもが身体の一部を切り取られ、激しく損壊していた。被害者の身元を調べた八王子西署の藤堂比奈子は、彼女たちが若くて色白でストーカーに悩んでいたことを突き止める。犯人は変質的なつきまとい男か?そんな時、比奈子にストーカー被害を相談していた女性が連れ去られた。行方を追う比奈子の前に現れた意外な犯人と衝撃の動機とは!?新しいタイプの警察小説、第2弾!
後鳥羽上皇から勅撰和歌集の六人の撰者の一人に任命された藤原定家。そこにある日、歌神と名乗る者から脅迫文が届く。曰く、ただちに和歌所を閉じよ。さもなくば、当代の六歌仙を一人ずつ死に至らしめるーこれは後鳥羽上皇への挑戦状なのか。当代六歌仙とは誰を指すのか。そして、歌神の正体は一体!?次々舞い込む弔歌と相次ぐ歌人の死。事件の真相に迫る為、定家は長覚の力を借りて再び謎解きに挑む!
江戸の猫鳴小路にて、骨董商“おそろし屋”を営む謎めいた女主人のお縁と、用心棒でお庭番の月岡。お縁の“先輩”おしかが買い求めた縁の欠けた盃には、“酒呑童子”と化してしまったある人物の、藤原道長に対する憎しみと皮肉が込められていた。お縁の秘められた過去も、おしかや店を訪れる客の話から徐々に明らかになっていくその矢先、第二の刺客「カマキリ半五郎」が襲い来る!骨董から人の性を描くお江戸商売譚。
一枚も二枚も上手の父・真一郎と家令の鳳がついに帰還…と思ったのも束の間、ふたりは少しだけ成長した花穎の姿を見届け、再び旅の空へ。烏丸家当主残留が決定した花穎は、冷静かつ忠実な執事・衣更月を伴い、因縁ある芽雛川家主催の船上パーティーに出席。ところがそこで、人が海に突き落とされる事件が起こる。真犯人を突き止めるべく、花穎は関係者に聞き込みを開始するが…。半熟主従の上流階級ミステリー、新章スタート!
『百瀬、こっちを向いて。』の相原ノボルの高校時代のクラスメート・田辺が17歳の夏に経験した切なくも不思議な出来事(「鯨と煙の冒険」)。防犯探偵・榎本径の不在時に起こった密室環境での事件。自殺か他殺か?弁護士・芹沢豪と青砥純子が挑む(「一服ひろばの謎」)。女子高生・清海が恋人・星良一の浮気調査を多田と行天に依頼(「多田便利軒、探偵業に挑戦する」)。あの人気作品のサイドストーリー12編が楽しめるアンソロジー。