2015年3月25日発売
不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならないー円滑な世代交代を目論んだ「百年法」を拒否する者が続出。「死の強制」から逃れる者や、不老化処置をあえて受けず、人間らしく人生を全うする人々は、独自のコミュニティを形成し活路を見いだす。しかし、それを焼き払うかのように、政府の追っ手が非情に迫る…世間が救世主を求める中、少しずつ歪み出す世界に、国民が下した日本の未来は!?驚愕の結末!
辺鄙な貸別荘地を訪れた成留たち。謎の巡礼母娘に導かれるように彼らは禁じられた廃村に紛れ込み、恐るべき怪異に見舞われる。民俗学者・四十澤が昭和初期に残したノートから、そこは“弔い村”の異名をもち“のぞきめ”という憑き物の伝承が残る、呪われた村だったことが明らかとなる。作家の「僕」が知った2つの怪異譚。その衝撃の関連と真相とは!?何かに覗かれているーそんな気がする時は、必ず一旦本書を閉じてください。
「とき403号」で、60代とみられる男性の刺殺体が発見された。解剖の結果、被害者・奥山はメイクをしており、実際は30代だったことが判明する。十津川警部たちは、映画やTV関係を当たり、奥山にメイクを施した、須貝という人物を突き止めるが、彼も秋川で殺害されていた(「とき403号で殺された男」)。その他、十津川の妻・直子が殺人事件に遭遇する「夜行列車『日本海』の謎」など、北陸を舞台にした短編5本を収録。
原子力科学の若き第一人者である新婚の夫・雨村を乗せた旅客機と自衛隊機が北アルプス上空で衝突した。乗客全員の生存が絶望視されるが雨村の遺体は見つからず、生存を信じる雨村の妻・久美子は捜索に乗り出す。やがて研究成果に群がる政財界の陰謀と、妖しい女の影が浮かび上がりー。最先端技術を巡る恐るべき“腐蝕の構造”の正体とは!?日本推理作家協会賞を受賞した、巨悪の癒着と戦う愛の行方を描く壮絶なロマン。
将軍綱吉の信任を独占した柳沢吉保は、大石内蔵助の真意を見抜いていた。浅野と吉良の闘いの先に幕府まで狙う大石の下に集まった亡國の忠臣たちは、吉良邸への討ち入りに向け“武士”の道を邁進する。一方、悪名高まる吉良家には、主君を護るために命をかけた家臣団がいた。やがて時はみち、音もなく降り積もる銀世界を、運命の対決が血で染めるー。己の忠義に生き、命を散らした忠臣を圧倒的迫力で綴る、感涙の歴史絵巻。
古代から受け継がれる鬼道衆の末裔として、「亡者祓い」を請け負っている鬼龍浩一。「亡者」とは、嫉妬や憎しみ、恐れ、あらゆる欲望といった陰の気が凝り固まったもの。今回依頼されたテレビ局のお祓いも、単純な仕事だった。さらに日本橋の食品会社で起きた異変の解決を頼まれた鬼龍は、出向社員になり、会社に潜入した。だが、会社には女子社員を中心に想像を絶する陰の気が渦巻いていた…。傑作エンターテインメント。
小学校教師の水川には給食で食べられなくなった物がある。それはうずらの卵。その理由には、彼女の母親のある「奇行」にまつわる、強烈なストレスが関係していて…(「転落ー食前酒」)。智恵子、敦子、真由子の三人は、ある男への復讐を意外な形で遂げようとしていた。彼女らの絶妙なバランスが織りなした、世にも恐ろしい完全犯罪の末路とは…(「男狩りー肉料理」)。男と女と食をテーマに、コース仕立てでお届けする絶品短篇集。
夏休みが終わって、バスに乗ったら、彼女に子供ができて電車に乗ったら、世界が少し変わっていたー。中学三年生のハルと、小さなデザイン事務所で働くダイチ。白いうさぎ、奇妙な双子、会えない手品師、水色のワンピースの女…。不思議でどこかなつかしい世界に、二人はこのままいたいのか、抜け出したいのか。