2015年5月20日発売
Dのもとへ、ダンピールの少年を連れた娘がやってくる。少年の父親である貴族の元へ行くので、護衛を依頼されたのだ。しかし、その一方でDは、少年に父親を殺す依頼も受けていたのだった。気のいい戦闘士の男を加えた一行は、野盗や敵の襲来を受けながら目的地を目指す。しかし、その前に現れた少年の父親とは!?ダンピールの少年はDの瞳と背中に何を見るのか!?
深瀬和久は何かに秀でているわけでもなく、モテるわけでもない、しがないサラリーマンである。そんな深瀬に彼女ー美穂子ーが出来た。ようやく自分の人生にも明るい兆しが見え始めた、そう思った矢先に、二人の関係が大きく変わる事件がおきる。美穂子にとある告発文が送られたのだ。そこには、深瀬が忘れたくとも忘れられない、過去のある出来事を彷彿とさせることが書かれていたのだ。 深瀬和久は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン。今までの人生でも、取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような男だ。趣味と呼べるようなことはそう多くはなく、敢えていうのであればコーヒーを飲むこと。そんな深瀬が、今、唯一落ち着ける場所がある。それは〈クローバー・コーヒー〉というコーヒー豆専門店だ。豆を売っている横で、実際にコーヒーを飲むことも出来る。深瀬は毎日のようにここに来ている。ある日、深瀬がいつも座る席に、見知らぬ女性が座っていた。彼女は、近所のパン屋で働く越智美穂子という女性だった。その後もしばしばここで会い、やがて二人は付き合うことになる。そろそろ関係を深めようと思っていた矢先、二人の関係に大きな亀裂が入ってしまう。美穂子に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたのだ。だれが、なんのためにーー。 深瀬はついに、自分の心に閉じ込めていた、ある出来事を美穂子に話し始める。全てを聞いた美穂子は、深瀬のもとを去ってしまう。そして同様の告発文が、ある出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも送りつけられていたことが発覚する。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出す。
芳香剤のメーカーで働く地味な会社員、豆子は、自身の結婚式を機に、金銭感覚が人生と共に変化していくことの面白さを発見する。決して「モテ」を追求することなく、社会人としての魅力をアップしていきたい。退職して、「香りのビジネス」を友人と起こそうと画策する。香水に、セクシーではなく、経済力という魅力を!
武田家滅亡時、真田家は周囲に攻め込まれたら一瞬で消し飛ぶ運命であった。昌幸は、主家武田を見限り、北条に降ると見せかけて、織田信長につく。信長が横死すると、旧領回復を画策し、弟を人質に上杉景勝に従属するが、わずかひと月で北条に鞍替えするー。戦乱を変幻自在に立ち回り、世を化かす昌幸の前に立ちはだかるのは、名将徳川家康と大軍勢。あまりにも巨大な敵に、どう立ち向かうのか。そして生き残ることはできるのかー。
家出少年が、濡れ衣を着せられた犯罪者が、バツイチの女性弁護士が、右手を上げてタクシーを止める。少年はなぜ失踪し、タクシーが消え、思わぬ真実が待ち受ける。感動と興奮の書き下ろし長編ミステリー! ーー子供だろうが老人だろうが、テロリストだろうがロマンチストだろうが、金さえ払ってくれれば誰でも乗せる。そしてどんな人間でも、このタクシーから降りるときには必ず笑顔になる。それがスマイル・タクシーだ。(本文より)
父が海外勤務となり、高校生の零次は倉敷へ来た。亡き母が営んだカフェを兄が引き継ぎ、兄弟5人で暮らすのだ。引っ越し早々、向かいの『枳殻童話専門店』の美青年店主・九十九に声をかけられた零次は?
高校卒業を目前に控えた、瞬と夏林。進路の違いから別離の予感に心細くなっている夏林だったが、ある日飼い猫が逃げ出してしまう。そこを助けてくれた少年は、瞬と同じ高校の一年生男子で……。
世間知らずな自分を変えたくて、神社で巫女さんバイトを始めようとしたお嬢様女子高生すず。しかし手違いで巫女カフェでバイトをする破目に。そこである事件に巻き込まれたすずは、一見軽そうな神主・波留斗に助けられ、波留斗が神主を務める神楽坂の「恋衣神社」でやっと本物の巫女さんバイトができるようになるのだが、新たな謎と試練がすずを待ち受けていて!?
若くしてデビューしたが作品が書けなくなった小説家の晃司は、喫茶店の住み込みバイトをすることに。「イストワール」は、有名無名の作家たちが書き下ろした“同人誌"を貸し出す風変わりな喫茶店で…。
クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末はー。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。
高一の涼太は、期末試験の朝、女の子に畑のトマトをぶつけられて遅刻する。仙台からの転校生で複雑な事情を抱えていそうな彼女・久野ちゃんが気になる涼太だが…。青春初恋物語!(解説/高田亮)
防衛副大臣となった渡瀬浩一郎に囚われたままの亘を、必死に探す昴。渡瀬は自身の黒い野望を達成するため、暗殺者・武部に昴の殺害を指示。一方、「破綻」のタイムリミットが近づく“アゲハ”達は、渡瀬抹殺のため動き出す。“アゲハ”の中心人物、学の体内で人類滅亡のウィルスが着々と生成されていく中、ついに三者が、富士山演習場で激突。誰が敵で誰が味方なのかー。死闘のシリーズ最終章!
周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける“額装家”の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになりー。不器用で素直な女の子が人の温かさに触れ、心を溶かされてゆく成長ものがたり。
ダントン、デムーランらの処刑後、公安委員会が分裂。逮捕されたロベスピエールが、ついに断頭台に──。革命は、この国を変えられたのか。歴史巨編、ついに完結! 毎日出版文化賞特別賞受賞作。(解説/中条省平)
僕はヒデユキ、八王子市立第六小学校の四年生だ。放課後になるといつも近所に住むカッチャンたちと遊びに繰り出す。『侍ジャイアンツ』に影響されて魔球を投げようとしたかと思えば、弟をブッチャーに見立ててプロレスごっこ。大物のノコギリクワガタに興奮し、恐竜の化石探しに熱中するー。毎日を全力疾走する少年たちを活き活きと描く、かつて子供だった全ての人に贈る笑いと涙の青春小説。
No.1ホストのジョン太は店を休みがちで、いまいち歯車のかみ合わないインディゴ。そんな中オーナーの晶に出版社から社員の誘いが…。人気漫画家コースケ描き下ろしの巻末付録も大充実の、シリーズ第6弾!
夏空の下、家を飛び出し一人旅を続ける直次郎が、人とのコミュニケーションが苦手な塊太と出会う。お互いを補完し合い、成長していく正反対の高校生二人の“バディ”を描く青春小説。(解説/長岡弘樹)
尻野浦小学校には、杏奈先生と飛鷹かおるという生徒、そして英語まじりで話をする校長先生がいるばかり。そう、ここは海沿いの限界集落。残りの住人はかおるの父とかおるの兄だけ。そこにある日、山向こうの「ガイコツジン」集落から、エトーくんがやってきてー。それぞれの人生を抱え、集まった人たちの濃密な関係が織りなす、風変わりな家族の物語。芥川賞受賞作家によるオリジナル長編小説。
シアトル郊外の高級住宅地でシンクレア一家が惨殺された。遺体には十字架が描かれ、殺人現場のドア枠には「13日」の文字が…。被害者のシンクレアは、やがて容疑者として浮かぶ男キャメロン、そしてキャメロンの弁護士クインとともに、悲惨な過去を共有する仲だった。殺人課に配属されて日の浅い女性刑事マディスンはキャメロンを追うが、足取りはなかなかつかめず、捜査は難航を極めるのだったが…。震撼のデビュー・サスペンス。