2015年7月8日発売
東京・吉祥寺の雑居ビル。警察庁の外郭団体、犯罪史編纂室。そこに集う面々は、「ちょうかい」、すなわち「懲戒免職」レベルの危険な警官たちばかり。そんな彼らの真のミッション、それは、「これから起こる犯罪を未然に防げ」というものだった。しかし、彼らを束ねるのは、瞬間記憶の持ち主なのに、まさかの鳥頭という、最凶キャリア女子だったー。
フランスのどこか田舎町。車内に血のついた怪しげな車で逃げてきた、正体不明の男がいた。その男ショーンは車を捨てたものの、森で罠に捕らわれてしまう。目覚めたのは、ある農場の納屋の屋根裏だった。農場の娘マティルドが、足に傷を負い歩くこともままならない彼を黙々と介抱してくれるが、何かを必死に隠そうとしている。のどかそのものの農場なのに、どこかがおかしい。ショーンは不審と不安を抱きはじめる。この農場はいったい何を隠しているのか…ヨーロッパでベストセラー、英国人気ミステリ作家の意欲作。
お金をたくさん持ち、女性をたくさん口説くー型破りな人生をおくる伝説的な親戚、オズワルド叔父から、甥の私におびただしい量の日記が届いた。遺産と称して送られてきたそれらに書かれていたのは、国から国を渡り歩き、女性を虜にした手練手管の全貌。興奮してその一つを読んでみると、叔父は砂漠地帯でさえ美女を見つけ…退屈な日常にエロティックなうるおいを。甘い吐息が匂ってくる、超絶艶美な作品集。4篇収録。
女が映し出す男の無様、そして、真価ーー。 太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。 身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようかーー。 時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。 「ひともうらやむ」「つゆかせぎ」「乳付」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」 男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。
十七歳、家出少年の人生は、挫折、家族解散、借金返済の自転車操業。 愛猫、ビンボー暮らし、ゲージツ、室蘭、深沢七郎、モンゴル草原、青函連絡船、 編み物、ベネチア、父親、どぶろく、スキンヘッド、弟、甲斐駒ケ岳…… 老いてなお逃げ続ける脚力で描き切った、崖っぷちの連作集! 文芸誌掲載作から名短篇を集めた『文学2014』アンソロジーに選ばれた 表題作。鉄と戯れ、ゲージツする日々、蜂に刺され鹿が迷いこむ山の生活。 家族と己の生と死を、タフに見つめつづける全8作。