2015年9月2日発売
子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転はあるのか?大人気シリーズ第3弾!
仲良し4人組で作った秘密基地。誰も知らないその場所に、少年たちは毎日のように入り浸っていた。ある日、母子家庭のショースケが家出すると言いだし、基地に泊まりこんだが…(「サクラ秘密基地」)。遠い昔に撮った写真、そこに写し出された哀しい記憶と残酷な現実ー短編の名手が贈る哀切に満ちた六編。
能登・七尾で武士の家に生まれた信春は、長谷川家の養子となり絵仏師として名声を得ていた。都に出て天下一の絵師になるという野望を持っていた彼だが、主家の内紛に巻き込まれて養父母を失い、妻子とともに故郷を追われる。戦国の世に翻弄されながらも、己の信念を貫かんとした絵師・等伯の誕生を描く傑作長編。直木賞受賞。
敵対していた信長が没して不安から解放された等伯だが、その後も永徳を頭とする狩野派との対立、心の師・千利休の自刃、息子の死など、たび重なる悲劇に見舞われる。窮地に立たされながら、それでも己の道を信じた彼が、最後にたどりついた境地とはー。直木賞受賞、長谷川等伯の生涯を骨太に描いた傑作長編。
大坂夏の陣で豊臣家を滅ぼしたのに、家康は夜ごとの悪夢に悩まされていた。大坂の戦場で殺されかけた猿飛佐助に、夢の中で家康は何度となく首を掻き切られるのだ。佐助の死なくして家康の安眠なし。家康の命を受けた伊賀忍者と佐助ら真田残党との壮絶な死闘が始まった。手に汗握る新感覚の忍者小説。
流しの鏡磨ぎ師の梟助さんは、話し上手で聞き上手。江戸の町には梟助さんの噺を楽しみに待ってる人がたくさんいます。古い鏡にただならぬものを感じ、精進潔斎して鏡磨ぎの仕事に挑む表題作など全五篇。
不思議な事が日常的に起こる「こよみ村」。地元中学の同窓会開催にあたり村役場まで乗り出す大騒ぎに。転校生・湯木奈央とボーイフレンド・溝江麒麟は大人の恋のさや当てに巻き込まれ、有力者の孫・十文字覚は人知れず重い悩みを抱える。恋あり、怪談あり、SFあり、ミステリーありの濃密ファンタジー第2弾。
東京から電車で約1時間の地方都市。勉強とバイトに明け暮れる予備校生「彼」の日常は、中古車ホンダ「ビート」を手に入れてから変わってゆく。デリヘル嬢との微妙な関係、地方都市の閉塞感と青春群像、マシンを操る身体感覚、作家の資質を鮮やかに示し、第142回芥川賞候補になった表題作。短篇「一丁目一番地」を併録。
1960年代。厳しい軍事独裁政権を生きぬいた芸術的抵抗としての代表作『ソウル1964年冬』。金承〓(キムスンオク)文学の特徴であり特筆すべきものである本作をはじめ本邦初訳の6作品と新訳の3作品を収める。
歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。「島津公」とされる人物を中心に、総勢13人の侍がレンズを見据えている。そして、その中でひときわ目立つ大男…かつて望月が「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。この男は、若き日の西郷なのか?この大男が彼だとしたら、この写真はいつ、何ために撮影されたのか?謎を解明するために望月は鹿児島へ飛んだ。
出版社の経理部で働く久美子は、突然新雑誌の編集長に任命されファッション誌をつくることに。二十七歳で、編集未経験の彼女は大パニック!さらに集められた創刊メンバーはクセモノばかりで彼氏の学まで部下になる始末。久美子は書籍編集者の学を頼るが、どこかとんちんかんで…。無事雑誌は創刊されるの!?働く女子が悪戦苦闘する、お仕事×ラブコメディ!
報酬は一億円。大明寺と名乗る人物にそう声をかけられた六人の男女。スリの達人、元JR運転士、射撃のオリンピック候補など、特殊な技能を持つ彼らが実行したのは、特急サンダーバードの乗っ取りだった。三時間以内に十一億円用意できなければ、四百人の乗客もろとも爆破するという。ノンストップで疾走する特急。刻限迫る中、十津川警部は犯行グループにどう挑むのか?
早稲田大学四年の早乙女香夏子には、留年を繰り返す脚本家志望のダメ男・長津田という腐れ縁の彼氏がいた。しかし、必死で就活に励んでいる間に後輩の女子が彼に急接近。動揺する香夏子だが、内定先の紳士的な先輩に告白されて…。自意識過剰で不器用で面倒臭い早稲女の香夏子と、彼女を取り巻く微妙な距離感の女子五人。傷つきながら成長する女子たちの等身大の青春小説。
強風吹き荒れる大伝馬町で、火の手が上がった。青柳剣一郎たち風烈廻りの働きで小火に済むが、数日後、今度は通旅篭町で付け火未遂が起きる。しかも、犯人を目撃した男が刺された。当夜の風向きからすると、狙いは牢屋敷の解き放ちか!?死罪で入牢中の五人と関係の深い者を探る剣一郎。やがて、事件の真相が人の心に棲む“善と悪の奥深さ”にあると気付くが…。
「死にたくなければ、大人しく龍眼を渡せ」幻の秘宝龍眼はどんな病も治す薬の原料である。だが実は、豊臣秀吉の莫大な財宝の鍵でもあった!大御所吉宗からそれを盗み出していた元御庭番里見伝兵衛。しかし彼は一切の記憶を失っていた。一方で豊臣の末裔、吉宗、将軍御用取次、尾張徳川家まで加わった争奪戦が勃発、その最中、記憶が甦るが…。老忍者の矜持を見よ!
将軍家斉の落とし胤ながら本所の料理屋に居候をする若さま、日之本源九郎の前に、救いを求める若い娘が現れた。話題の人気占い師、鬼連坊の許から友達を救い出して欲しいという。鬼連坊は「千里眼」を授けると称し、廃寺に道場を造り弟子を集めていた。強引に寄付を集めていると聞き、入門者を装って道場に潜入する源九郎。だが凄腕の用心棒が立ちふさがって…。
秋月栄三郎は又平を伴い東海道を大坂に向かっていた。幼少時に通った剣術道場の師・山崎島之助の具合がよくないという文が、父・正兵衛からとどいたのである。彼の剣の原点は山崎道場にあったー野鍛冶の家に生まれ武士に憧れた少年が、いかにして気楽流剣客として“手習い道場”を構えるに至ったか。取次屋を育んだ人々の大活躍に笑いと涙の花が咲く浪花人情譚。