2015年発売
直木賞作家による国際謀略小説の傑作!赤道直下のポーレア共和国支配権をめぐって企てられた国際的陰謀。大統領派と反大統領派が激しく対立。その渦中に元海上保安庁特殊救難隊隊長の宇佐美が巻き込まれた。南国の小さな島を舞台に繰り広げられる謀略と陰謀の嵐。
東京で暮らす敬介の元へ、昔の恋人・百合子からの手紙が届く。それは、廃業がきまった故郷の映画館への招待状だった。ずっと記憶の底に封じこめてきた峡谷の小さな町へー懐かしさにかられて帰郷する敬介を、空と谷の間を走る列車が、ゆっくりと心の旅へ連れ出してゆく。
NHKドラマ化・10万部突破などで話題の 『四十九日のレシピ』著者のデビュー作! “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。 哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。 疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。 喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。 癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。 少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいたーー。 人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、伊吹有喜デビュー作。 『四十九日のレシピ』にも似たあたたかな読後感に、心が包まれます。
ちょうちょうなんなん(喋々喃々)=男女が楽しげに小声で語り合うさま。東京・谷中でアンティークきもの店を営む栞。ある日店に父親に似た声をした男性客が訪れるー少しずつふくらむ恋心や家族との葛藤が、季節の移ろいやおいしいものの描写を交え丁寧に描かれる。
妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。
少年は、父のいとこにあたる少女に恋をした。彼は両親への歯がゆい思いや情けない自分へのいらだちを抱えながら、曾祖母たち近しい大人に見守られ、大切な存在への想いを糧に成長してゆく。著者ならではの五感に響く筆致で、命のつながりの煌めきを描き出す物語。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『真夜中のパン屋さん』で大人気の著者が描く ヘヴィな問題を愛とやさしさで包んだ物語 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★特別収録★短編小説 「ボーイズ オン ザ ライン」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ “ある思い”を抱える13歳の家出少女・奏が、崖から飛び込んだ 末に流れ着いたのは、女性専用の老人ホームだった。 一筋縄ではいかぬ老女たちと過ごした時間は老いること、死ぬこと、 そして「生きること」を教えてくれる。 しかし「庭のばら園には死体が埋まっている」という噂が思わぬ事件 を引き起こし……。
「何の遠慮もいりません。元々は忘れ物なのですから」。キャンディー屋の中に設えられた『忘れ物図書室』。部屋には世界中の不思議なおとぎ話たちが収められていた…。画家・樋上公実子のイラストをモチーフに、作家・小川洋子が紡ぎだした残酷で可憐な四編の物語。
<<文庫書き下ろし>> ☆神出鬼没の名探偵? ☆助手は小学生&自称ミステリ作家?? ☆そしてーー謎解きはなぜか電車内??? 本当にどんな事件でも解決できるの!? ★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★ 山手線の電車内だけに現れるといわれる神出鬼没の名探偵ーー 山手線探偵・霧村雨。 彼を支えるのは、小学5年生の助手・シホと、見当違いな推理を 働かせまくる自称作家の三木幹夫。 彼らトンチンカン3人組が事件に挑む、ほんわか下町人情満載の ユーモアミステリ。 ★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★
アナリストとして活躍する修一は、高校時代の親友・有賀と再会する。二人の仲を引き裂き、恋人を永遠に奪った“あの事件”からすでに二十年以上の歳月が流れていた…。現役新聞記者ならではの経済問題への鋭い切り込みと、骨太なストーリーで話題を呼んだ傑作が遂に文庫化。
村からただ一人、町の塾へ通っているりつ子は、乗っていた路線バスの運転手・一之瀬から突然名前を呼ばれ戸惑う。しかしりつ子は一之瀬のある事実を知っていた(「1983年のほたる」)。人の業を独自の筆致で丹念に描き出し、第141回直木賞候補作になった傑作が待望の文庫化。
ほんの出来心から携帯闇サイトのバイトに手を出したオオバカナコは、凄惨な拷問に遭遇したあげく、会員制のダイナーに使い捨てのウェイトレスとして売られてしまう。そこは、プロの殺し屋たちが束の間の憩いを求めて集う食堂だったーある日突然落ちた、奈落でのお話。
ひょんなことから石垣島へ移り住んだ若い夫婦・暁江と歩美。食べること・料理することが何よりも大好きなふたりは、石垣島の豊かな食材で“食べるラー油”を作ることを思いつく。しかし、中国人である暁江が日本に帰化したいと言い出したことで、事態は思わぬ展開に…。
★☆☆★ 『真夜中のパン屋さん』<最新刊>第3弾★☆☆★ 大人気“まよパン”シリーズ第3弾! 巻末には装画を担当する人気マンガ家、 山中ヒコさんによる『お楽しみページ』も特別に収録!! ★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★ 夜が深まる頃、暗闇に温かい灯りをともすように「真夜中のパン屋さん」はオープンする。 今回のお客様は、居候女子高生の希実につきまとう、少々変わった転校生。 彼が企む“計画”により、パン屋の面々は、またもや事件に巻き込まれていく。 重く切なく、でも優しい、大人気シリーズ第3弾!!
雲ひとつない秋空が広がる日、彼に手紙を書いた。 クリスマスの飾りつけが目立ち始めたころ、僕はあることを決意したーー 立秋、秋分、冬至など、一年を二十四の季節で分ける、二十四節気。 飛鳥井千砂、小川糸、山崎ナオコーラ、柚木麻子ほか、人気作家たちが、 移りゆく季節のドラマを紡ぐ、極上のアンソロジー秋冬篇。いきなり文庫で登場!
小学校教師として無難だが冴えない毎日をおくる小守絵美は、ある日とつぜん現れた謎の男に“調教”され、予想もしない人生に足を踏み入れていく。国家の陰謀に関わるエージェントか、ただのストーカーか?ノンストップ&ハイテンションなサスペンス・ラブコメディ。