2015年発売
神出鬼没の山手線探偵・霧村雨。小学生助手のシホと自称ミステリ作家のミキミキさんと一緒に、今日も難事件に挑む!メイドカフェで依頼された今回の調査内容は『初恋の想い人』捜し。しかし山手線探偵のニセモノ出現により、思いもよらない未解決殺人事件に繋がっていく…。
天雫健太郎は、自宅と職場である市役所をただ行き来する生活を送っている35歳。息子の将来を案じた両親は、代理見合いに参加し、今井家の一人娘・奈穂子とお見合いするチャンスを掴む。奈穂子にひと目ぼれした健太郎だが、行く手には思わぬ障害が待ち構えていたー。
大学を卒業した私は、田舎に戻り、「ひとをきれいにする仕事」を選んだ。けれども、お客は思うように来ず、家では妹との溝がなかなか埋まらないーいま注目の著者が、迷いながらも、一歩ずつ進んでいく若い女性を描いた、温かく軽やかな物語。書き下ろし番外編を収録。
血の繋がりのない義母と、奇妙な共同生活をはじめた私と姉は、同じ食卓を囲むうちに、少しずつ新しい関係を築いていく…。(「空ちゃんの幸せな食卓」より)。デビュー作「ゆくとしくるとし」(坊っちゃん文学賞大賞受賞)を収録。
廃部寸前の弓が丘第一中学水泳部。部の存続条件は『メドレーリレーで大会優勝すること』。けれど残っていたのは、戦力外メンバーばかり。頭を抱える部員たちが諦めかけたその時、人魚のように泳ぐ謎の少女が現れ…。第5回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。
家事と仕事に日々追われる幸子が助けたのは、とびきり美形の変人・バシャリ。「円盤の故障で不時着した宇宙人」と自称する彼と同居するはめになった幸子は、破天荒な言動に振り回されつつも、本当に大切なものを見つめ直していく。心がほっこり温まる、昭和レトロな恋物語。
再婚した父と離れて、おばあちゃんの家で暮らすことになった七重。亡き母といっしょに人形のために作った、引き出しの中のミニチュアの家に、ある日、小さな小さなお客様がやってきた。言い伝えの妖精「花明かり」と少女の、時を越えた交流を描いた感動のファンタジー。
終末論が囁かれる荒廃した世界ー孤独に生きるシズカの前に現れたのは言葉を話す不思議なサルだった。シズカを支えるためにやって来たという彼の名は、ノーマジーン。しかしその愛くるしい姿には、ある秘密が隠されていた。壊れかけた日常で見える本当に大切なものとは。
真夜中にオープンする不思議なパン屋さんに現れたのは、ワケアリ男女の二人組。居候女子高生の希実は、彼らが抱える不穏な秘密によって、不本意ながらも、またまた事件に巻き込まれていく。降り止まない雨の中、希実の過去に隠された謎が明らかに…。人気シリーズ第4弾!!
司法浪人の涼子、服飾デザイナーの撫子、そして不条理なリストラにあい職を失った柊子。彼女たちが住む下宿に、ある日臨時管理人として現れたトモミさんの存在がはからずも三人が抱える問題を浮き彫りにしていく。“家族の森”で迷子になっているすべての娘たちに贈る「父と娘」の物語。
夏美、秋子、冬は仲良しのアラフォー三人娘。カフェのオーナーを夢見て会社を辞めた夏美が借りたお店へ行くと、そこは「喫茶面影」という怪しい店になっていた。音楽教師の秋子は男子生徒に女心をもてあそばれ、自称女優の冬は上司ともめて会社をクビに。散々な目にあった三人は、彼女たちの負のオーラが呼び起こした怪奇現象や妖怪たちに翻弄されていく。三人の恋の行方と運命はどうなるのか!?奇才ケラリーノ・サンドロヴィッチが脚本を手掛ける同名ドラマをノベライズ。三人の女達が、恋に仕事に怪奇現象との闘いに奮闘する、ポップでホラーなラブコメディ!
都会でキャリアOLだったつぐみは、先の見えない恋に疲れ田舎の祖母の家に身を寄せる。しかし祖母が急逝。葬儀の翌朝、見知らぬ男が門に立っていた。海江田醇といい、五十二歳独身の大学教授。大学で染め物を教えていた祖母の教え子で祖母から家を好きな時に使っていいと鍵をもらったという。戸惑うつぐみをよそに海江田は家に上がり込み、奇妙な同居生活が始まった!恋をしないと決めた女と不器用な男、それぞれの想いを温かく描いた、大人のラブストーリー。累計一六〇万部突破の大人気コミックス「娚の一生」を原作に、待望の映画化。映画の完全ノベライズ本!
恋ヶ窪の住宅街に建つ屋敷の寝屋で、老人の死体が発見される。枕元にあったのは、ペットボトルと湯呑み。死の直前には、飼い猫が行方不明になっていた。ペットロスによる自殺なのか、他殺なのかー事件は迷宮入りしていく。宝生邸に眠る秘宝が怪盗に狙われる、体中から装飾品を奪われた女性の変死体が見つかるなど、相次ぐ難事件に麗子はピンチ。そしてついに麗子と執事の影山、風祭警部の関係にも変化が訪れて…!?令嬢刑事と毒舌執事コンビの国民的ユーモアミステリ第三弾。文庫版特典として、『名探偵コナン』とのコラボ短編小説『探偵たちの饗宴』収録。
船戸与一衝撃のデビュー作堂々刊行 1977年、非合法員として世界を舞台に暗躍する神代恒彦のもとに、メキシコ内務省保安局から1968年に起こった学生反乱の実質的指導者の四人を始末するよう依頼が入る。その見返りとして高額の報酬を受け取るはずだった神代だが、仲間のベトナム人、グエン・タン・ミンの裏切りに遭い、まんまと金を持ち逃げされてしまう。グエンを捜し出し報酬を取り戻そうとするものの、神代の行く手を、何者かが次々と阻んでいく。最初は、全てグエンの仕組んだ罠だと思っていた神代だが、実は、強大な組織が自分の命を狙っていることがわかり・・・・・。神代は、過去にいったい何をしたのか?なぜ命を狙われているのか?最大にして最高のスケールで描く船戸与一処女作。巻末に、著者特別寄稿『デビュウ事情』を掲載。
年上の“あのひと”を愛しつづける美術教師ー。女優にして映画監督、ジャンルを超えて活躍する俊英が描く繊細で壊れそうな至純の愛。恋愛小説の傑作、待望の文庫化。
蔵人・橘盛季に届けられた恋文。やがて姫君のもとに通うようになった男は一族の秘密を覗き見る(「銅酒を飲む女」)。貴公子・藤原道長は父・兼家に起きた異常事態を晴明と博雅に訴える(「首大臣」)。仲睦まじい猟師の兄弟を喰らおうとする者の正体とは(「夜叉婆あ」)。平安の都に蠢く生きとし生けるものの歓びと哀しみを活写する九篇。
情報を制するものが権力を制す。それが官房長官・小山内和博の哲学だ。総理のイスをめぐる権力闘争、水面下で蠢くスキャンダル、国際テロ組織による宣戦布告…相次ぐ政権の危機をどう乗り切るのか。「警視庁公安部・青山望」シリーズを手掛ける著者が、極限のリアリティで官邸を描く新感覚エンターテイメント。青山望も登場!
昔はよかったと言ったところで、時間は前に進んでいくばかり。過去を振り返っても仕方がない。本作のタイトル通り、明日のことはわからないのである…。大人気シリーズが誕生して二十年。髪結いの伊三次と、その恋女房で深川芸者のお文。仲の良い夫婦をめぐる人びとの交情が、時空をこえて胸を震わせてくれます。
人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀がー視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登場する者たちの闇と因果を綴る怪異譚。魔術的な語りの果てにー妖しきものが現れる。初文庫化!