2016年1月21日発売
異類婚姻譚異類婚姻譚
「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」--結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。大江健三郎賞、三島由紀夫賞受賞作家の2年半ぶり、待望の最新作! 異類婚姻譚 〈犬たち〉 トモ子のバウムクーヘン 藁の夫
邪し魔邪し魔
単身バリで女三昧の生活をおくる良治は、祭の夜に禁忌を犯して村を追放され、少女イェニのもとへ。一方、良治が行方不明になったという知らせを受けた妻の恵子は、原因不明の頭痛に悩まされながらもバリに向かう。次第に現実と異界の境は崩れてゆき…
闇の河闇の河
ときは19世紀初頭、ロンドンでの貧窮生活と生命の危機をくぐり抜け、ウィリアムとサラのソーンヒル夫妻は植民初期のシドニーにたどり着く。舟運の仕事についたウィリアムは、やがてシドニーから隔たった入植地に希望を見出し一家で移り住むが、無人の未開地と思われたそこは、先住民が伝統的な暮らしや祭祀を営む場所だった…。異文化との出会いと衝突、そして和解に至る道のりで、「記憶」はいかに物語られるのか。多文化にひらかれた新たなアイデンティティを模索するオーストラリア社会に、深い衝撃をもたらした現代の古典。
ある作曲家の生涯ある作曲家の生涯
主人公フォルティーンは、若い頃から芸術家気取りの思い上がりで、ありもしない作曲をネタに若い女を口説いたり。名声を求め、ヒマと怠惰の生活から生じた妄想の超大作オペラの実現に、全身全霊を傾ける。剽窃・模倣はもちろん、ありとあらゆる手段を駆使して出来上がるものとは…。人間の魂の真実を究める、チャペック絶筆にして傑作。
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