2016年1月26日発売
2000年7月、秋葉原。九重祐子が捜査一係に着任したとき、事件はすでに始まっていた。食玩フィギュアを巡るトラブルが発生し、相談に来ていた男が、翌日遺体となって発見された。祐子は彼の相談を真剣に聞かなかったことに罪悪感を覚え、独自に捜査を始める。フィギュア店に潜入した祐子は犯人を見つけ出すことに成功するものの逆襲に遭う。ピンチに陥った祐子を救ったのは、謎の男・ギークスターだった。悪党に制裁を下す闇のヒーローとして街で噂になっているギーク(オタク)スター。正体を知った祐子は、反発を覚えながらも次第に惹かれ始める。秋葉原で続発する凶悪事件で、警察の組織捜査に限界を感じた祐子はギークスターの力を借りようとするが、断られてしまう。秋原葉の闇に潜む、悪を見つめるギークスターの目的はー!?
14歳から19歳まで植物状態で入院中の患者・正親は、試作段階の自意識を持つ生命維持装置とつながることで、肉体の自由を得た。しかしその試作機の技術を使い、四肢麻痺の患者や死体を軍事利用しようと目論む勢力が現れる。それを知った正親と自意識を持つ試作機は二人二脚で入院先の病院を脱出するが…。近未来の九州を舞台に、素直さと正直さと少年らしさが輝くエンターテインメントが疾走する!
独立蜂起の火種が燻る、十九世紀ポーランド。その田舎村に赴任する新任役人のヘルマン・ゲスラーとその美しき妻・エルザ。赴任したばかりの村で次々に起こる、村人の怪死とその凶兆を祓うべく行われる陰惨な因習。怪異の霧に蠢くものとはー。
ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?日本の家電メーカーは、なぜ凋落したのか?メモ魔の窓際刑事、再臨場!警察小説史上、最も最酷で哀しい殺人動機。ガラパゴス化した日本社会の矛盾を暴露する、危険極まりないミステリー。
古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。彼は、遠く故郷を離れ、日本中を転々とする派遣労働者だった。『世界でいちばん企業が活躍しやすい国』とは、『世界でいちばん労働者がこき使われる国』である。平成版『蟹工船』!
世界でただひとり、彼にだけ与えられた肩書き「電球交換士」。こと切れたランプを再生するのが彼の仕事だ。人々の未来を明るく灯すはずなのに、なぜか、やっかいごとに巻き込まれるー。謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集。