2016年1月29日発売
阪神大震災を予言し、信者を増やす淡路島の新興宗教。イザナキ、イザナミの国生みの地で、新たな世界創世を説く教祖のもと、アメリカ西海岸から謎の天才ハッカー集団が訪ねてくる。彼らは何を企んでいるのか。すべてを見通す僕とは、いったい何者か?世界のひずみが臨界点に達したとき、それは起きた。世界の終末の、さらに先に待つ世界を問う、大注目の新鋭の集大成!芥川賞候補作。
失踪した父を探して難関音楽学院を受験する脩。そこで遭遇する連鎖殺人。謎の楽器“パンドラ”。“音楽”は人をどう変えるのか。才能に、理想に、家族に、愛にー傷ついた者たちが荒野の果てで掴むものは…?
ミュージシャンを目指す拓人と、脚本家を夢見るユナ。NYで出会い、国籍の壁を越えて世界を共有する二人。だが拓人の夢が叶いかけた時、運命の日が訪れたー。偏見、憎悪が渦巻く世界で人を愛し生き抜く意味とは。9.11の悲劇を体験した作家が混迷の世に問う長篇!
フランス留学時代、古物市で手に入れた、1938年の消印のある古い絵はがき。廃屋と朽ちた四輪馬車の写真の裏には、謎めいた十行の詩が書かれていた。やがて、この会計検査官にして「詩人」の絵はがきが、一枚、また一枚と、「私」の手元に舞い込んでくる…。戦乱の20世紀前半を生きた「詩人」と現在を生きる「私」。二人を結ぶ遠い町の人々。読むことの創造性を証す待望の長篇。
内戦終結後、出所した劇作家を迎えて十数年ぶりに再結成された小劇団は、山あいの町をまわる公演旅行に出発する。しかし、役者たちの胸にくすぶる失われた家族、叶わぬ夢、愛しい人をめぐる痛みの記憶は、小さな嘘をきっかけに波紋が広がるように彼らの人生を狂わせ、次第に追いつめていくー。鮮やかな語りと、息をのむ意外な展開。ペルー系の俊英がさらなる飛躍を見せる、渾身の長篇小説。
母を亡くし、施設に引き取られてきた少女・志場崎安那。彼女は持ち前の明るさで、辛い経験を持つ仲間たちを盛り上げていく。十五年後ー。突然のニュースが舞いこむ。アンナが男を刺して逮捕された、と。何がアンナにあったのか。彼女と出会い、かけがえのない時をすごした仲間が集まり、奔走をはじめる。やがて、アンナがひた隠しにしていた過去が見えてくる…。著者自身も愛読した名作へのオマージュをこめた、感動の物語。
ルアイン軍を撃退し、歓喜に沸くエヴラール城。だがキアラは、人を殺したことに対する罪悪感と怯えに苛まれる。仲間達との交流を通じて気持ちに折り合いをつけたキアラは、みんなを守るために戦うことを決意。自軍を勝利へと導いていく。激しさを増す戦いの中で、王子レジー、そして騎士カインからの思わせぶりなアプローチを受け、心が休まるヒマもない!?一方ルアインでは、レジーの命を奪おうと暗躍する影が…。激化する戦い、暗殺者の魔の手、新たな仲間、気になるアプローチ…!?心が揺れる、第2巻。
書道一筋の内気な大学生・多摩子は古い簪を見つけた夜、春風と名乗る花魁の幽霊に取り憑かれてしまう。「本物の恋が見たい」突拍子もない春風の心残りを取り除き成仏させるため、自分の体を貸して恋に悩む人の相談にのるはめに。かくして、巧みな花魁の手練手管を武器にする「最強の恋愛アドバイザー」が誕生した!妖艶な花魁と地味な書道女子があなたの恋を応援します!
動乱の幕末維新。若き薩摩藩士・五代才助ーのちの五代友厚は、藩の命を受けて長崎海軍伝習所に学び、世界を知った。勝海舟、坂本龍馬、高杉晋作、貿易商のグラバーらと知己を得、薩英戦争後に若き留学生を連れて渡欧。自国に西洋社会の豊かさをもたらすべく、維新後は武士を捨て、士魂を持つ実業家として活躍を始める。大阪を“東洋のマンチェスター”にする夢を描き、大阪商法会議所などを設立し、日本経済の基盤を築いた風雲児の豪快な人生を描いた傑作歴史小説『士魂商才 五代友厚』を改題し、装いも新たに刊行!