小説むすび | 2016年10月6日発売

2016年10月6日発売

永遠の1/2永遠の1/2

出版社

小学館

発売日

2016年10月6日 発売

小説界のカリスマ、不朽不滅のデビュー作! どんな小説家にも、一つだけ、アマチュアとして書いた小説がある。 ないと始まらない。 その小説が人目に触れ、本になるとデビュー作と呼ばれ、書いた人は小説家と呼ばれるようになる。--「あとがき」より 現代作家の中でも群を抜く小説の名手ーー佐藤正午の不朽のデビュー作を、新たな装いで文庫化! 【物語】 失業したとたんにツキがまわってきた。 婚約相手との関係も年末のたった二時間で清算できたし、年が明けると競輪は負け知らず、失業保険も手つかずのままで、懐の心配はこれっぽっちもなかった。 おまけに、色白で脚の長い女をモノにしたのだから、ツイてるとしか言いようがない。いってみれば笑いが止まらぬというところだった。 「西海市」にすむ主人公・田村宏は、27歳の年の暮れに退職届を出して以降、ツキを頼りに何もかもうまく行くかに思われた。 ところがその頃から、たびたび街で別人と間違われ、厄介な相手にからまれ、ついには不可解な事件に巻き込まれてしまう。どうやら自分と瓜二つの男がこの街にはいるらしい‥‥。 【山田風太郎賞受賞の最近作『鳩の撃退法』への選評から】 ●文句なしの最高得点を入れた。真似したくても真似できない。(夢枕獏さん) ●試みが図抜けていたことは、疑いようがない。(京極夏彦さん) ●自分もこの作品を一番に推した。(奥泉光さん) ●こんな優れた作家の存在を今まで知らなかった。受賞は当然であろう。(筒井康隆さん)

続・深夜食堂続・深夜食堂

アジアが熱狂した映画『深夜食堂』の続編! マスターの作る料理と居心地のよさを求める客で、夜な夜なにぎわう”めしや”。 ある日、なぜか常連客たちが次々と喪服姿で現れる。不幸は重なるもので、各々が故人の話をする中、また一人、喪服姿で店に入ってきた範子。しかし、範子には喪服を着ることでストレスを発散するという変わった趣味があった。そんな範子は、葬式で出会った男に惹かれていく。 父親を亡くしたそば屋のひとり息子・清太は、年上の恋人・さおりとの結婚を考えている。しかし、そのことを母親に相談すると大反対されてしまい、思い悩む。 お金に困った息子に呼ばれて田舎から出てきた夕起子は、息子の知人だという人物に大金を渡してしまう。騙されたに違いないと周囲が心配する中、どこか本人は気にしていない様子で・・・。 今日もちょっとワケアリな客たちが店を訪れ、マスターの作る料理の懐かしい味に心の重荷を下ろし、胃袋を満たしては明日への一歩を踏み出していく。 アジア中でフィーバーを起こした映画『深夜食堂』の続編をノベライズ! 【編集担当からのおすすめ情報】 巻末特典として、人気フードスタイリスト飯島奈美さんによる映画オリジナルレシピを収録!

世界でいちばん美しい世界でいちばん美しい

著者

藤谷治

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2016年10月6日 発売

若き天才音楽家せった君の三十年の人生 雪踏文彦。ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。 中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったパブレストランで行動をともにするようになった。 音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こったーー。 【編集担当からのおすすめ情報】 解説執筆は、作家・大島真寿美さんです。

エアー2.0エアー2.0

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小学館

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2016年10月6日 発売

あの人は資本主義をやり直そうとしている! 新国立競技場の工事現場で働く中谷は、不思議な老人と出会う。老人はいかにも肉体労働には向いておらず、仕事をクビになるが、現場を去る直前、翌日の競馬の大穴馬券を中谷に託していた。老人が姿を消した直後、工事現場では爆破事件が起こり、翌日馬券は見事的中する。 5000万円の現金を手にした中谷の前に、再び老人が現れ、彼が開発した市場予測システム「エアー」の代理人として、日本政府との交渉窓口となるよう、中谷は依頼される。 「エアー」は世の中に渦巻く人間の感情を数値化して、完璧な市場予測を可能にするシステムで、それは政府が握るビッグデータと結びつくことで、国家の予算を潤すほどの巨額な利益をもたらすものだった。 謎の老人の代理人として、政治家や官僚たちと交渉を重ねる中谷だったが、「エアー」を供与する見返りとして、福島の帰還困難区域を経済自由区として、自分たちに運営を任せるという要求を突きつけるのだった。 現代日本が直面する難題をつまびらかにし、圧倒的なスケールで描く近未来経済サスペンス小説。巻末解説は書評家の三橋暁さんです。 【編集担当からのおすすめ情報】 前半はミステリー・タッチで物語は進み、後半は未来を占うユートピア小説としても読めます。予想外の展開が次から次へとスピーディーに続き、気がついたときには壮大なスケールの物語の真っ只中にいることでしょう。新人作家にもかかわらず第18回大藪春彦賞にもノミネートされ、将来が嘱望される作家さんのひとりです。ぜひお手にとり、ページを繰ってください。一気読み必至の、至福の読書体験が待っています。

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