2016年10月発売
強烈な方言と小柄な体がトレードマークのドジっ娘メイド、相馬いとも高校3年生。三味線の腕前は相変わらず抜群、バイト先のメイドカフェではたるんだ後輩に鬼の指導(?)、一つ年下の鯉太郎への恋心も奥手なりに加速中。成長著しいいとの前に、「受験」という名の過酷な試練が待ち受けていた。そしてついにやってきた、旅立ちの時ーー。まぶしすぎる青春物語、笑顔と感涙の卒業編!
「フィル・トムスをご存知ですね」収監された過去を持つ孤高の作家・榊の前に現れたのは、囚人仲間フィルの娘、里奈だった。親と子ほど年の離れた二人は強く惹かれ合い、フィルが残した謎を探るべく、共に沖縄へと向かう。そこで待ち受けていたのは、葬られた戦後沖縄の真実と、当時を生きた若者たちの哀しき物語だった。全身全霊を捧げた愛。壮絶な運命。白川ロマン、ここに極まる。
君が求めたものは、夢か、幸福か。新聞部の創設。柏原第二高校に転校してきた安達は、島で唯一の小学生・相原大地のために部活動を始めることを提唱する。賛成するクラスメイト達だったが、七草はそれが堀を追い込むために巧妙に仕組まれた罠であることに気づく。紐解かれる階段島の歴史と、堀が追い求めた夢。歩み続けた七年間。その果てに彼女が見つけた幸福と、不幸とは……。心を穿つ青春ミステリ、第4弾。
数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の一人、二宮。京香凜の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第二弾。
芥川賞作家が漫画を描いた! 27年間続けた教員を辞めた。 これで小説を書く時間はたっぷりできたはずなのに、 惰眠を貪るばかりで、執筆は一向に進まない。 書けない日常から、思考はいつしか逃避をはじめ、 気づけば異界の入口へと招かれていた。 うさぎのうーちゃん、巨女、仕事ぶりを見張る謎の男。 締切と逃走。労働と国家。 作家の日常と足取りをたどるうち、 深遠なる世界に足を踏み入れる、つげ義春的漫画作品。
ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが…。寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。
ファルジア王太子レジナルドの死の運命に抗うため魔術師になったキアラ。しかし、ファルジアは隣国ルアインによって占領され、ルアイン出身の王妃の裏切りで、国王は殺されてしまう。辺境のエヴラールにいて難を逃れた王子レジーは領土を取り戻すべく戦いを繰り広げる。レジーとエヴラール辺境伯軍は、ルアイン軍とその同盟国サレハルドと戦い、デルフィオン男爵領イニオン砦を奪還に成功。キアラの活躍もあり順調に戦いが進むと思った矢先突如、キアラが魔法を上手く使えなくなってしまった。さらに、レジーに猛烈アプローチする謎の少女エイダの存在も、キアラの心を揺さぶって…。想いが交錯する第4巻。
“アニメイズム”枠放送・完全オリジナルTVアニメの公式ノベライズ、完結。 7年前に家族を殺された復讐を果たすべく、仇であるヴァネッティファミリーに潜入したアヴィリオ。ファミリーのドンであるヴィンセントに辿り着くために、その嫡男で復讐相手の一人ネロに接近していく。親友であり右腕のヴァンノ、弟フラテ、ネロを慕う部下……。彼の近くにいた者たちは命を散らし、アヴィリオはネロの側近としての地位を築いていった。だが、着実に復讐を果たしていくなか、決断を下す時が訪れる。アヴィリオが選び取るのは、友情か、復讐か。 敵も味方も、そして友も。一通の手紙がもたらした運命は、男たちを哀しみの連鎖に引きずりこんでいく……。 ーーーーこの91日間は、あまりに熱く、切なく、そして儚い。 表紙は公式の新規描き下ろしイラスト。アヴィリオのシカゴでの出来事を描いた、小説版だけのオリジナルストーリー「もうひとつの道」も収録。
高校生になった滝本望は、いまも祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。芸者時代の名前からお蔦さんと呼ばれる祖母は、料理は孫に任せきりだしとても気が強いけれど、ご近所衆から頼られる人気者だ。そのお蔦さんが踊りの稽古をみている、若手芸妓・都姐さんが寿退職することになった。幸せな時期のはずなのに、「これ以上迷惑はかけられない」と都姐さんの表情は冴えなくて…(「みやこさわぎ」)。神楽坂で起こる事件をお蔦さんが痛快に解決する!粋と人情と、望が作る美味しい料理がたっぷり味わえるシリーズ第三弾。
1991年4月、雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。謎を解く鍵は記憶のなかにーー。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。米澤穂信、デビュー15周年記念刊行。初期の大きな、そして力強い一歩となった青春ミステリの金字塔を再び。巻末に特別書き下ろし掌編を収録。
三世澤村田之助、江戸末期〜明治初期に一世を風靡した歌舞伎の名女形。舞台の最中の怪我から脱疽となり結果として四肢を切断せざるを得なかった悲劇の名優である。明治3年、異彩の画家・河鍋狂斎の描いた幽霊画を発端とした連続殺人事件が、猿若町を震撼とさせる。幽霊画には歌舞伎界を揺るがす秘密が隠されているらしいーー。滅び行く江戸風情とともに、その事件の顛末を戯作者見習いのお峯の目を通して丁寧に活写した、第6回鮎川哲也賞受賞作『狂乱廿四孝』。さらに、その後のお峯たちの姿を描いた未完の長編ミステリ『双蝶闇草子』を付す。
住田航は温海警察署の刑事課の組織暴力団担当の刑事。署のある静岡県温海市は観光地で近年、準暴力団の特殊詐欺グループの進出が噂されている。そこに県警本部から住田の相勤者として國貞智宏が異動してきた。國貞は本部の対暴力団のエースであり、その容姿は県警の警察官募集のポスターに採用されるほど。なぜ國貞の相勤者に住田が選ばれたのか。國貞にはなにか密命があるのか。謎の多い國貞に不審を抱きながらも、彼の情報を元に、老人介護施設を隠れ蓑にして運営されているという闇カジノの捜査に乗り出すが…。警官の正義を問う、書き下ろし警察小説。
死闘を経て、冒険者としてさらなる成長を遂げるジン。 一歩ずつ進む彼らの眼前に突如現れる、《災害迷宮》。 一行を取り巻く環境は、少しずつ、そして確実に変化していく。 《迷宮》に引き寄せられるように現れた、Aランク冒険者《オズワルド》の狙い。 過去の《異世界転生者》によって綴られる、予想外の真実。 運命に導かれるように、ジンは異世界《テッラ》で新たな絆を深めていく。
「ね、音彩ちゃん…今日はパンツをいっぱい見せてくれるんだね」満面の笑みで私を見上げた西尾さんの顔を、私は笑顔で踏み付けた。この黒い変態と一緒に除霊しているかと思うと不安だけど…あの日、私を助けてくれた西尾さんを少しだけ格好良いと思ってしまったから。これは、そんな私と黒い変態のおかしな日々のお話。第1回「E★エブリスタ」エンターブレインミステリー&ホラー賞受賞作!
いくつもの苦難を乗り越え、元の世界へ戻る準備を始めたソーマだったが、その心は揺れていた。そんな中、魔術師ギルドの陰謀に巻き込まれたソーマたちは、ゲーム時代にも知らなかった世界の秘密と、世界を脅かす危機に直面する。過去の大戦の記録、封印された邪神、街全体に張り巡らされた罠。そして…崩壊する街と、次々に倒れていく仲間たち。かつてない絶望の中、ソーマはついに「帰還」を決意する!王都壊滅!!世界の危機にソーマが下した究極の「決断」とは!?