2016年10月発売
花咲家の怪花咲家の怪
鍵盤に手を置くと指が自然とメロディーを奏でる。弾けないはずのピアノなのに、まるで魔法のように。そして桂は思い出す。会えないはずの少女に会った記憶を(「別れの曲」)。かすみ草を使って優しいお見舞いの花束をつくる木太郎。届け先は老いたパティシエがひとり住まう家。彼には遠い日に亡くした愛娘がいた(「火車」)。哀切で愛らしく、ほのかに怖い短編集。
ぶたぶたの花束ぶたぶたの花束
ピンクのぶたのぬいぐるみなのに、動き、喋り、働くおじさん「山崎ぶたぶた」。 今回も、疲れた人、悩んでいる人、ツライ目にあってる人など、さまざまな人の前に現れて、癒やしていきます。 人気シリーズ「ぶたぶた」最新作は、花をテーマに描いた5作を収録する短篇集。
月神祭月神祭
世の中には、わざわざ飢えた魔の顎へ首を突っ込みたがるような輩がいるのでございますよ。我が殿アーモンさまもそのおひとりでしてな。虎が人喰いをしたと聴けば、ふらりとそこへお出かけになったり。今回は人語を解する狼の話に興味をもたれ、シヴァ神が舞い降りるというムリカンダ山へ出掛けたのでございます。そこは月の種族が棲む地だと人は怯えているのですが……。九十九乱蔵の原型キャラ、アーモンの活躍を描く、古代インド怪異譚!
北国街道殺人事件北国街道殺人事件
良寛と一茶を卒論に選んだ田尻風見子と野村良樹の二人は、信越路に調査旅行に出る。その途中、長野県野尻湖で良樹がフィルムを盗まれ、そこで人骨で発見されたH大の畑野教授の事件を捜査していた信濃のコロンボ・竹村警部と知り合う。さらに竹村は二人の話から畑野が発見された同じ日に、良寛ゆかりの地・五合庵で良寛研究家の大沢助教授が殺されたことを知り、事件の奇妙な繋りに気付いた。