2016年11月15日発売
第三次世界大戦から数十年が経ち、戦禍が癒えぬままの西暦2116年。東京は、かつての栄華の影すら残らない悪徳の魔都に成り果てていた。過去の体験から「悪人」を激しく憎む捜査官・高峯倫は、ある日、都内で秘密裏に開催される謎のコスプレ集団の集会への潜入を命じられる。だが、それは街にはびこる悪党たちをゲーム感覚で殺す、巨悪たちの殺戮の饗宴=「デモンズパーティー」への参加を意味していた。ニンジャ、ピエロ、パンプキン…その頂点に君臨する残忍な異形の巨悪たちとの遭遇が、倫の中で燻っていた悪に対する「何か」を変えていく…。
西暦二〇三〇年七月七日、旧日本時間で十六時三十二分十六秒ー人類は空を奪われた。突如、上空に現れた正体不明の飛行物体『衛精』の無差別攻撃により、すべての航空機が警戒空域(199フィート)以上の高度を飛ぶことを許されなくなった。人々は低空を飛行することに特化させた超低高度飛行艇を開発したが、それでも本来のスピードには到底及ばず、空を失った代償はあまりにも大きかった。そんな時代において安全空域を優に超えた空輸を行う一人の運び屋がいた。船団を組んで物資を運ぶことが常識となった時代において、銀髪の犬耳少女チェルシーを相棒に、孤高に空を駆ける男。-イバ・タクロウ。北太平洋航路の最速横断記録保持者である彼の元には、今日も実現不可能な依頼が舞い降りてくる。
古の時代より、人々の心を惑わし、破滅に導く悪しき煩悩の数々…近年、膨張し続ける煩悩から人々を救うため、地上に降り立ったのは、十三仏と呼ばれる仏達だった!!しかし彼らは勤めの傍らで、地上の生活も思い切り楽しみ始めー!?祭りあり!コスプレあり!?の春夏秋冬!
社内の超イケメンエンジニア、神崎さん。何でもできていちいち気が利く。すべての行動が先回りで心地良すぎなんだけど…あー、なんかいちいち癇に障る!でも、そんな神崎さんと地方へ出向することにーって、まさかの2人暮らし!?完璧すぎる男。アバウトすぎる女。世界遺産級恋愛オンチ同士の恋の行方は?
胸キュン体験、キュン×3な小説、漫画、イラストを収録!
違法ドラッグと超能力が跋扈する犯罪超過都市ー通称『ノラネコシティ』。その一角で今日もまた、厄介な事件が巻き起ころうとしている…。この街にあるものを求めてやってきた『黒猫』クロ。そこで彼が見たものは、特殊能力ψを持つもの、持たざるもの…軍警が追う『絶対に捕まらない』薬の密売人、新人女優につきまとう『透明な』ストーカー、そして『悩み』を抱えたスーパースター。彼等の視点が交差するとき、事件の真相が浮かび上がる!
所属していた劇団が解散してしまい、脚本家の夢をあきらめかけていた彩瀬まどか。そんな彼女の前に、劇団付の脚本家として入団しないかと、巷で話題のミュージカル劇団「夢色カンパニー」の主宰、朝日奈響也が現れて…?まどかと個性あふれる7人のキャストが織りなす、夢を追いかける物語がここに始まる!巻末には、まどかと出会う前の、キャストたちの想いが綴られた書き下ろし短編「プレストーリー 夢への兆し」も収録!
編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め…。デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家の桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶、区の福祉事務所でゾンビ対策に追われるケースワーカーの新垣、ゾンビに噛まれてしまった女子高生の青崎希。この世界で生き残れるのは誰なのか!?
恋路ヶ島SAの売り子になると、一年以内にプロポーズされるという伝説がある。ある夜、自宅とバイト先のSAを往復する平凡な日常を送っていた島出身の理代子は、新入り清掃士マキノとの出会いから騒動に巻き込まれていく。人生の小休止=サービスエリアに集まった“獣”たちが繰り広げる、ポップなミステリ。
小学生の頃のクラスメイトからかかってきた一本の電話。「覚えている?会おうって約束したこと」。その声から蘇る、憧れだった美少女の顔。それはノストラダムスが人類滅亡を予言した一九九九年七月の出来事だった(「一九九九年の同窓会」より)。他人の不幸は蜜の味。甘い六篇が詰まった著者初の短篇集。
熱狂的人気を集めるも正体は明かされないアイドルのライブでの殺人事件。被害者を含め現場にいた複数の少年と少女一人は過去に同じ中学の生徒だった。警視庁少年課・宇津木と神南署・安積警部補は捜査の過程で社会と若者たちの変貌に直面しつつ、隠された驚愕の真相に到達する。『蓬莱』に続く長編警察小説。
地味リケジョの律を夕食に迎えたのは、和服イケメンの竜弥とほんわか老女の文絵。謎めいた話を聞き出す竜弥と、五十年前から時が止まっている文絵が交わす会話はまるで夫婦!?見つめるだけで料理をおいしくする不思議な黒猫・フミエも怪しい。おいしさと切なさに溢れるほっこり系ミステリ。
江戸前期を代表する作家・井原西鶴。彼の娘おあいは、盲目の身ながら、亡き母に代わり料理も裁縫もこなす。一方、西鶴は、手前勝手でええ格好しぃで自慢たれ。傍迷惑な父親と思っていたおあいだったが、『好色一代男』の朗読を聴いて、父への想いが変わり始める。小説を読む歓びに満ちた、織田作之助賞受賞作。
綾子の同級生で資産家の娘・貴子から舞踏会へ招待された三姉妹。五年に一度開かれる絢爛豪華な舞踏会にはゲストに小学生アイドルの西野メイが招かれており、メイを追って殺人事件の容疑者のストーカー男が紛れ込む。さらには死んだはずの貴子の叔父までが出席…?危険な匂いしかしない宴が始まる!
リオのカルナヴァル最後の夜、暗殺者のおれは、組織の裏切り者を狙ってビルの高層階に待機した。奴はリオの非合法地域に潜伏中だったが、この日はどの住民もサンバの踊り手として山車の上に乗らなければならない。おれは今、狙撃の瞬間を静かに待っている。(「カルナヴァル戦記」)他6篇を収めた珠玉の短編集。
空き家だった洋館で火災が発生。鎮火後、殺人分析班の如月塔子は納戸の奥に隠し部屋があることを知る。部屋には無数の蒐集品とともに、白骨化した遺体が布団に寝かされていた。しかも人骨の頭部は男性、胴体は女性のものと判明する。別の部屋からは血痕が。複雑怪奇な難事件に推理捜査チームはどう挑むのか。
作家自身を思わせる主人公の長江古義人は、三・一一後の動揺が続くなか「晩年様式集」と題する文章を書きだす。妻、娘、妹の「三人の女たち」からの反論。未曾有の社会的危機と自らの老いへの苦悩。少なくなる時間のなかで次世代に送る謎めいた詩。震災後の厳しい現実から希望を見出す、著者「最後の小説」。