2016年3月22日発売
傷一つない死体の顔に、なぜ犯人は包帯を巻いたのか?警視庁捜査一課七係「特捜7」が動き出す。イケメンで心配性のエース岬怜司を補佐するのは、超楽天家で人間の顔に異常な興味を示す里中宏美。事件発生と同時に、被害者の息子が誘拐され、誘拐犯は「父親を電話に出せ」と要求してきた。二つの事件が奇妙にもつれ合い、またしても異様な死体が…。先の読めない展開と刑事たちの個性が冴える、警察小説の進化形。
偉大すぎる父・北斎、兄弟子・渓斎英泉への叶わぬ恋、北斎の名を利用し悪事を重ねる甥ー人生にまつわる面倒ごとも、ひとたび筆を握れば全て消え去る。北斎の右腕として風景画から春画までをこなす一方、自分だけの光と色を終生追い続けた女絵師・応為。自問自答する二十代から、傑作「吉原格子先之図」に到る六十代までを、圧倒的リアリティで描き出す。
「春待岬」に建つ洋館。そこに住む少女に、ぼくは一目惚れした。でも、そのときは知らなかった。会えるのが、桜の咲いている間だけだなんて。もちろん、歳をとるのがぼくだけで、彼女が永遠に、少女であり続けることもー“時の檻”に囚われた彼女を、なんとしても救い出す!そのためには、“クロノス”をー気がつけば、愛する人よりも大人になっている。そんなとき、あなたは、どうしますか?そして“ぼく”の選択を、どう思いますか?
大阪府警薬物対策課の刑事・三田はあるきっかけで、バー『スクウェア』の謎めいたバーテンダー「名無しのリュウ」と、店の常連で元ボクサーの宇多島に出会う。三田は度々店を訪れるようになるが、彼が追う薬物絡みの事件の陰にリュウたちが見え隠れし始め…。『スクウェア』を舞台に繰り広げられる、友情と駆け引き。一癖ある男たちの活躍を鮮やかに描く、連作ミステリ第1弾。
妹思いの姉に冷たくあたるようになった、高校生の妹の変化と不可解な行動の理由とは。クラスで嘘つき呼ばわりされている小学生の女の子が、教育実習生にある事件を目撃したと言うのだが、はたして本当か。祖父に届いた手紙を巡る謎を女子高生が追う表題作ほか、揺れ動く少女たちの心と、温かさや切なさに満ちた謎を叙情豊かに描く全5編。青春ミステリの名手が贈る珠玉の短編集。
美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だったー楽園崩壊にまつわる驚愕の真相を描いた第七回ミステリーズ!新人賞佳作入選作ほか、異なる時代、異なる場所を舞台に生きる少女を巡る五つの謎を収めた、全読書人を驚嘆させるデビュー短編集。